冒険者たち(1975)

劇場公開日:

解説

海底に沈んだ宝探しをする若者たちを主人公に、青春の苦さ哀しさを描く。脚本は「竜馬暗殺」の田辺泰志、監督は新人・臼井高瀬、撮影は兼松煕太郎がそれぞれ担当。

1975年製作/95分/日本
配給:その他
劇場公開日:1975年4月14日

ストーリー

瀬戸内海に面した小都市・倉敷。父の遺した廃館になった映画館の屋根裏で無為な生活を送っているヒデは、ある日、幼ななじみのケンと再会した。ケンは中学二年の時、ヒデと一緒に家出し、そのまま全国を一人で放浪、空き巣をして少年院に入り、つい最近、仮釈放になって倉敷に戻り、学校を専門に盗みを働いている。二人は、瀬戸内海の小島で、“もぐり”という呼び名の高校生が、一人で海底の宝探しをしているのに出会い、自分たちも加わる事にした。宝探しの合い間には、大原美術館界わいに出かけ、観光にやって来る女の子のハントに精を出していた。そんなある日、ケンとヒデは情感豊かな東京から来た女子学生ユミと会った。やがてユミも宝探しに加わる事になった。夏も去ろうとする日、もぐりの父が力ずくでもぐりをりを連れ戻そうとしたが、もぐりは海に忍び込んで島に戻った。今では四人の間には、奇妙な連帯感が芽生えていたのだ。三人が県外に泥棒行脚に出かけた日、ユミが一人で昼寝をしている時、モーターボートの三人組がユミを襲い犯した。ケンとヒデともぐりは、必死にその三人組を見つけ出し復讐した。やがて、警察の手配が島にまで及んだために四人は、隠れ家を壊し島を出た。港に食料と燃料の補給に立ち寄った時、刑事の張り込みにあい、ヒデが犠牲となり三人を逃がした。この時、足の骨を折ったユミを病院に送っていった帰り、二人は警官の不審審問にかかり、拳銃を奪って逃走した。しかし、もぐりは捕われ、ケンは停泊中の観光船を乗っ取った。ケンの父親がやって来て、ケンを説得するが、ケンは拳銃で答える。翌朝、朝日がデッキに映える頃、ケンは射殺された。二年後、ヒデは精神病院に強制入院させられ廃人同然になっており、ユミは町の娼婦となっていた。そして、すっかりたくましくなったもぐりが少年院から出て来た。彼等の隠れ島には、放し飼いにしていた兎が異常繁殖して波打ち際にまであふれている……。

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