野獣狩り
劇場公開日:1973年11月17日
解説
大都市東京の中心・銀座に起った社長誘拐事件を追う親子の刑事の生死を賭けた執念の追跡を描く。脚本は「恍惚の人」の松山善三と西沢浩、監督は「百万人の大合唱」の須川栄三、撮影は木村大作がそれぞれ担当。
1973年製作/83分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1973年11月17日
ストーリー
銀座に巨大なビルを構える米国の飲料メーカー代理店ポップ・コーラ社長子母沢圭介が“黒の戦線”と名のる何者かによって誘拐された。“黒の戦線”の挑戦を受けた警視庁は大捜査網をひいた。その中にベテラン刑事の舟木長太郎と彼の息子の明がいた。“黒の戦線”から連絡が入った。社長の命と引き替えに企業秘密である原液の分析データーをマスコミに発表せよ、との要求であった。そして翌日、“黒の戦線”は西南デパート屋上から、たれ幕を吊り下げ、子母沢社長の処刑通知を予告してきた。そして、その時の大騒ぎをよそに、彼らは近くの銃砲店を襲った。一方、ニューヨーク本社からは、企業秘密を守るため、身代金30万ドルを提示してきた。その頃、明の上司である鬼丸係長がコーラビルを巡回中、“黒の戦線”の手にかかり、めった打ちにされ、その身体は有楽町の電話ボックスの中で発見された。数時間後、八千万円を用意せよ! との要求がきた。八千万円の入ったカバンを持った明は、彼らのいうままに単身パトカーに乗った。パトカーに彼らから次々と行き先の指示があり、最後の受け渡し場所は、以外にも、日曜日の歩行者天国でにぎわう銀座四丁目だった。その交差点で待つ明に、二人の男が近ずき、そのカバンを他の仲間に渡すと、二人は明を人質に逃走した。そして、明を地下鉄の吊り皮に手錠でつなぐと、まんまと逃走してしまった。一方、“黒の戦線”の一味であるコーラビル守衛の原口は、恋人康子とともに鬼丸に顔を知られたために、病院へ潜入して鬼丸殺害を計った。だが鬼丸は殺される直前、康子の腕に手錠をかけ息絶えた。丁度見舞いに来た明は、康子が逃げ去る原口の名を呼んだことから、コーラビルに駆けつけ原口を追った。だが、原口は逃げる途中、車にはねられ即死した。犯人はコーラビルの中にいる! 一斉にビルが捜査された。だがすでに遅く、社長は殺され、八千万円の入ったカバンとともに近くのビルに吊るされていた。“黒の戦線”の首謀者・綾小路以下、花森、風間たちと警察の激しい銃撃戦が始まった。明は彼らの意表をつき、全員を射ち殺した。綾小路は「革命とは死ぬことだ」と顔に笑みさえ浮かべて息絶えた。“黒の戦線”との闘いは終った。屋上の拡声器からは彼らの革命理論が流れる。それを背に明は、鬼丸の通夜へと急いだ。