真夜中の妖精
劇場公開日:1973年7月14日
解説
人生の吹き溜まりの中で、悪に染まることなく生きる少女を描く。脚本は桃井章、監督は「昼下りの情事 変身」の田中登、撮影は「(秘)穴場情報 牝馬の吐息」の畠中照夫がそれぞれ担当。
1973年製作/74分/日本
配給:日活
劇場公開日:1973年7月14日
ストーリー
新宿の一角にあるバー“チューリップ”では、客を連れこんで、その気になると屋根裏部屋で客の欲求を満たせていた。その屋根裏部屋にいるのが、頭が少し足りないカナリアという少女。客は皆、カナリアのあどけなさに有頂点になるのだった。カナリアの姉さん株の明美の情夫、小沢は店の用心棒なのだが、カナリアと客の愛戯を覗くのが趣味。ある日、若い客の一夫が明美と口論になり、小沢に叩きのめされ、外に放り出された。そんな一夫をカナリアは部屋に連れ込み、優しく介抱するのだった。翌朝、店を出た一夫は強盗に入って奪った銀行通帳で金をおろして、全て燃やしてしまった。彼は金が欲しくて強盗に入った訳ではなく、ただ、他人の幸福がたまらなく腹立たしいだけなのだ。そんな一夫の目の前を、先日、強盗に入った時犯した石本冴子が何事もなかったかのように、婚約者の淳一と歩いていった。二人が冴子の家へ入ってしまうと、一夫も家に押し入り、淳一に先日のことを話す。しかし、淳一は冴子と結婚する意志は固いとひらき直る。怒った一夫は、冴子を殴り倒すとふたたび冴子に挑みかかった……。