喜劇 おめでたい奴
劇場公開日:1971年2月6日
解説
花登筐の喜劇三千本を記念して、花登自身が製作、脚本、監督に当った。撮影は「クレージーの殴り込み清水港」の田島文雄がそれぞれ担当。
1971年製作/110分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1971年2月6日
ストーリー
大阪は北新町で古いのれんを誇る料亭“梅の井”のおかみ千代は、この土地に十階建てのマンモスクラブを建てようとする池田興業の買収計画にがんとして応じなかった。千代には、二億五千万円まで値をつけられても売れない理由があったのだ。というのは、五年前東京に板前修業にでた一人息子、清がいよいよ大阪に帰ってくるという時に事故にあい、店にいる夫婦同様だった女に“梅の井”を継がせてくれといい残して、その名前を言わず息を引き取ったまま、その相手がいったい誰であるのか判からずじまいだったからである。池田興業では、マネージャーの沢田と関係のある仲居の和子を清の恋人にしたて、店はてんやわんやの大騒ぎとなった。女中の八重も清の恋人だと名のりでた。板前頭の吉岡も恋人の敬子を相続人にしたてようとした。しかし彼女たちは日記帳や、清の好物を間違えたりして、金ほしさのでたらめであるということがことごとくばれてしまい清の時代からいる女中は全部失格ということになってしまった。そんなところへ福子という頭の弱い仲居が、本当の恋人は敬子だと証言した。しかし千代は昔の旦那の妾の子春子の存在を知り、春子に相続させることに決めた。春子はこころよくこれに応じ、店を売らずに今まで通り続けていくことにした。