トルコ110番 悶絶くらげ
劇場公開日:1978年11月18日
解説
吉原の風俗街で生きる男と、それに絡む二人の家出娘を中心に、都会の片隅で、けなげに生きていく人々の姿を描く。木谷恭介の原作「俺が拾った吉野太夫」の映画化で、脚本は「地獄の天使 紅い爆音」の荒井晴彦、監督は「女子大生 ひと夏の体験」の近藤幸彦、撮影は「ひと夏の関係」の畠中照夫がそれぞれ担当している。
1978年製作/71分/日本
配給:にっかつ
劇場公開日:1978年11月18日
ストーリー
吉原の風俗街。高倉健の「唐獅子牡丹」を口ずさみながら男が歩いている。この街に住み、女をソープランドに斡旋しながら生きている三浦牧夫である。ある日、三浦は若いアベック、チヨマ(千代間智子)と則夫に出会った。チヨマはソープランドで三年間だけ辛抱して、自分たちの店を持つという夢をもっていた。三浦はチヨマをソープランドに斡旋し、則夫を住込みのボイラーマン見習いとして働かせた。暫くして、浅草をぶらついていた三浦は、沖縄から飛びだしてきた吉沢由起を見つけ、声をかけた。その夜、由起は三浦に処女を捧げるのだった。しかし三浦は、由起がこの街で勢力を持つ青葉会の島谷の絡む女と知り、彼女が覚醒剤で体を滅茶苦茶にされ、ソープランドに売られることを知りながらも、彼女から手を引く。島谷はソープランドで売っ子になっていたチヨマの常連でもあった。則夫は島谷をチヨマに惚れこんでいるのを知り、自分の命を心配してチヨマから離れようとする。そのことで相談をうけた三浦は則夫を猛然と殴りつけた。それは、三浦自身がチヨマに惚れてしまったということを意味した。しかし、三浦がチヨマに惚れていると知った島谷は、三浦を徹底的に痛めつけ、三浦はこの街にいられなくなってしまう。しかも、その場にいたチヨマは、三浦の目の前で、彼の思いを傷つけるかのように島谷とのセックスにのめりこんでいくのであった。傷だらけの三浦がアパートに戻ると覚醒剤で体を痛め痩せ細った由起がいた。その夜、三浦はどこに行くあてもない由起と激しく抱きあい、翌朝、二人は、この街を去って行くのだった。それから暫くして、三浦のアパートにチヨマが、高倉健のレコードを持って入っていくが、部屋には高倉健のポスターの切れはしが残っているだけだった。そのレコードがチヨマの三浦への思いであったのだが。その後、隅田川を走る水上バスの上から高倉健のレコードを投げる女の姿があった……。