女子大生温泉芸者
劇場公開日:1984年12月8日
解説
熱海を舞台に女子大生の温泉芸者の姿を描く。脚本は「宇能鴻一郎の伊豆の踊り子」の池田正一、監督も同作の藤浦敦、撮影は「スケバン株式会社 やっちゃえ! お嬢さん」の森勝がそれぞれ担当。
1984年製作/68分/日本
配給:にっかつ
劇場公開日:1984年12月8日
ストーリー
熱海を失恋旅行していた和美は、強姦されるところを浩一に助けられる。和美は、過去を吹き飛ばすため浩一を求めた。浩一の仕事は、ピンクショーのポン引き。師匠は、今は引退して屋台を営む順平である。順平は、屋台で酔いつぶれていた和美を見て驚き、自室へ連れて行く。彼の昔からの仲間の健三は、和美にかつて惚れた女、美矢子の面影をみる。彼女は女児を産み、その子は健三の子だと別れる際にあかされた。「ひょっとして娘かも……」健三は和美の素性を知る事を恐れてしまう。和美は、とある旅館のコンパニオンに採用された。女将の智子が女手一つで大旅館をきりもりできるのは、実力者、赤峰の力である。和美はたちまちNo.1の売れっ子になった。彼女は街でポン引き姿の浩一を見かけ失望する。一方、浩一は真剣に和美に惚れてしまう。智子は番頭格の渉を愛しており、一緒になりたいと思っていた。赤峰を利用しているのは、妹の理加を世話すれば、旅館の名儀を智子の物にするという約束が出来ていたからである。ある日、国会議員の大曽根が赤峰を連れ立って旅館を訪れた。赤峰は大曽根を喜ばすために和美をあてがおうとするが、彼女は拒否する。その時、浩一が順平から聞き出した健三と和美が父娘である事を和美に打ち明けた。その直後、大曽根達は和美を連れて、健三と小糸の本番ショーの部屋に移動した。和美を見た途端、健三はショーを続けることができなくなり客が騒ぎ出す。いたたまれなくなった和美は、大曽根と寝るから場を静めてくれるように赤峰に頼む。突然「サツだ」の声が飛び込み、大曽根達は逃げ出した。健三と和美は対面した。和美は「毎月送金してくれるのはあなたでしょう」と問うが、健三は人違いだと言って立ち去った。和美は寂しさから浩一の胸に飛び込むが、彼は和美にふさわしい人間になる為に熱海を去って行く。また、渉と理加が駈け落ちし、智子は大曽根を新パトロンにした。ショーの世界から足を洗うことを決めた健三は、熱海を去る事にし、それを知った和美は慌てて駈けつけるが、すでに船は沖に出てしまう。