パラダイス(1986)

劇場公開日:

解説

倦怠期の妻が夫に幼馴染みの女性を近づけたことから生まれた奇妙な三角関係を、初めは軽くコミカルに、そして次第にシリアスに描く女性監督ドリス・ドリーの「メン」に続く作品。製作はクリス・ジーヴァニッヒ、撮影はヘルゲ・ヴェインドラー、音楽はクラウス・バンツァーが担当。

1986年製作/西ドイツ
原題または英題:Paradies
配給:シネセゾン
劇場公開日:1992年2月1日

ストーリー

ミュンヘンで美術館に職を持ち、何不自由のない暮らしをするアンゲリカ(ズニー・メレス)はお嬢様育ちで、今日も母ルート(ハンネ・ヴィーダー)に結婚生活の不安を話していた。彼女は夫ヴィクトル(ハイナー・ラウターバッハ)の浮気調査を興信所に依頼していたが、動物学者で大学で教鞭を執る彼は、妻への贈物として黒い下着を買いながら従業員から誘惑されても動じないという固い男。2人で話しているうちに、アンゲリカは幼馴染みのロッテ(カタリーナ・タールバッハ)のことを想い出す。15歳のロッテは男子学生と彼女の愛を争い、自分の額を切りつけたのだ。彼女はヴィクトルと郊外のロッテの家を訪ねることにした。だが、家はもうなく、偶然ヴィクトルが寄った雑貨店にコンラッドの『闇の奥』を登場人物に扮して読む風変りな女がいた。彼女がロッテだった。アンゲリカは旧友と感激の再会をした後、夫に言った。「あの女は動物よ」。彼女は雑貨店にイヤリングを忘れたと偽り、夫に取りに行かせる。ロッテは訪ねたヴィクトルを誘惑し、ヴィクトルもそれに応じた。2人は密会を続けるが、信心深いロッテは電光イコンに「恋はしたくない」と祈っていた。アンゲリカは彼女を家に住まわせ、夫を観察する。ヴィクトルの目には女2人は異常に仲が良く映り、レズビアンかと疑ったりもした。ある日、夫とロッテが歩いているのを見たアンゲリカはポルノ映画館に逃げこむ。翌朝ロッテは姿を消した。ヴィクトルは何かに憑かれたようにロッテを追ってハンブルグへ行く。金を使い果たし、身なりも落ちぶれた彼はようやく娼婦となった彼女を発見する。ロッテは自分の仕事に満足しており、同居は認めたが、心を開こうとはしなかった。ある日、ヴィクトルは彼女の愛を得ようと自殺的行為を始めた。それを見たロッテの馴染客は嫉妬にかられ彼女の胸を刺す。ヴィクトルはロッテを必死で看病し、彼女も彼の真心を受け入れ始めた時アンゲリカが現れ、夫を奪うなとわめき散らした。ロッテは再び姿を消した。ヴィクトルは彼女を探し雑貨店にたどりつくが、そこにいたのはアンゲリカだった。2人の間に再び静かな生活が訪れたかに思われたが、そこにロッテが現れ、アンゲリカの額を切り、胸を刺した。一体の死体と2人の恋人たちの無残な姿を興信所のカメラが捉え続けていた。

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