ポーランド進撃

解説

ドイツ軍によるポーランド侵攻をドイツ側から描いたドキュメンタリー。監督は「ジーグフリード要塞建設」のフリッツ・ヒップラー。

1939年製作/ドイツ
原題または英題:Feldzug in Polen

ストーリー

ダンチヒは七百年の古きより、ドイツ魂の浸透する市である。国際連盟の支配を受け、母国から切り離されてより、この地に於けるドイツ人住民へのポーランド政府の圧迫は、その限りを尽くした。この映画は、ポーランド人の暴力による圧迫下に堪えられず母国へ避難するドイツ人住民の姿をはじめに撮影している。しかし、ドイツとポーランドの接近はイギリスの恐怖するところであり、直にポーランド外相ベックはロンドンに招致され、対ドイツ諸問題の引き離し上重大な指示を授けられたのである。ここに於いてポーランドは絶対ドイツの提案を拒否せざるを得ない立場となり、ダンチヒ市の突撃隊員は自衛の任務のため武器を執るに至った。イギリスとフランスはロシアをも対ドイツ包囲陣に加えようと努力したが、この時すでにドイツ外相リッペントロップはロシアのモスコーに於いてスターリンとの間にドイツスコットランド不可侵条約の締結を終わっていた。この締結はイギリスに多大な打撃を与えロンドンは対ドイツ殲滅戦の準備に狂奔した。ポーランド大統領モシツキーと大元帥リズ・スミグリはポーランド軍兵力三百五十万に総動員を発令した。この頃ポーランド人のドイツ人住民に対するテロ行為は益々強暴となった。あらゆる手段を講じた結果、すべて無益であることが明白となり遂に一九三九年九月一日暴力には暴力を以て立ち向かうべき時が来た。ダンチヒは九月一日母国ドイツへの復帰を宣言したのである。ダンチヒ市の郵便局には武装したポーランド市民が立篭もって戦った。が護国団は彼等を一蹴し間もなく市官庁の屋上にはハーゲンクロイツが飜った。九月一日よりのドイツ陸軍の破竹の進撃の先頭は近代化学の粋を集めた機械化快速部隊であった。自動自転車隊の進撃、デイルシャウ大鉄橋の工兵復旧作業、アルバイト・ディンストの活躍。嵐の如き進軍は続く。ドイツ空軍はゲーリング元帥の命令によって二ケ空軍集団が編成され開戦第一日目から縦横の活躍を開始した。全空軍の勇敢な活動によって、陸軍部隊は貴き血の犠牲を最小限に止め得たのである。ドイツ軍歩兵の行軍は一日里程五十キロメートル乃至六十キロメートルという古今未曾有の記録すら生んだのである。何処の村、何処の町でも歩兵隊は熱狂的な歓迎を受けた。ポーランド軍は退却に際して残虐な放火殺人を犯した。が、ドイツ軍はポーランドの寺院、聖地を厳重に保護した。トウヘラーの森では激戦が行われた。ドイツ海軍の練習艦シュレス・ウイツク・ホルシュタイン号はウエスタープラッテに昼夜砲弾の雨を降らせた。頑強に守備を続けたグヂエニア軍港もまた降伏を申し出たのである。グヂエニアはヒトラー総統によって「ゴーテンハーフェン」と名を変えられた。ヒ総統は戦争開始より兵士の間に交わって各所に転じ統帥した。大本営は進軍と共に移動する。ヴイスラ河西方地帯の決戦はポーランド軍の運命を半ば決する大戦であった。これも打破ったドイツ軍は開戦八日目にしてワルシャワ要塞の前面に現れた。ラドム付近を退却するポーランド軍は捕捉され、遂に殲滅された。九月十三日はポーランド軍の全滅の日であった。この日俘虜六万、武器は山積みされた。迫撃戦が行われた。即ちバイエルとオーストリアの山岳部隊はポーランド軍をレムベルグ市に激戦の後包囲殲滅した。南部ポーランドのサン河を渡河するドイツ隊将兵はヒ総統の突然の出現に驚かされた。第一次世界大戦で、一ケ年もかかった敵地の占領は数日でなされた。快速こそ今次戦果の運命を決した大要素である。が、全兵士は大いなる疲労をものともせず敢えて進撃したのである。ポーランド軍は、ポーランドの悪路がドイツ軍進撃の障害となることを期待した。しかし何等ドイツ軍の進撃には支障を来たさなかった。開戦後十三日目にポーランド軍本部隊包囲の環は閉じられ、九月十七日会戦は終了した。俘虜十七万、砲二百二十門、戦軍四十台、其の他測り知れない兵器の歯獲があった。戦争十八日目に東方より進撃のロシア軍とドイツ軍は遭遇した。ワルシャワ市民の血を無益に流すことを避けるためにドイツ高等司令部では、ビラ又はラジオによってワルシャワ守備司令官に対して十二時間以内に開城すべき事を勧告した。がワルシャワ側は八百名の外交団と外国人千二百名の立退きを許可したのみでそれ以外の降服には応じなかった。遂には砲門がワルシャワに向け開かれた。九月二十七日遂にワ市は和平を乞うに至った。ワルシャワ市攻略に参加した全部隊は、市内に入り、ヒ総統臨席の下で一大観兵式を挙行した。

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