十三日の金曜日

解説

「君と踊れば」「永遠の緑」のヴィクター・サヴィルが監督した作品で、これらの映画に出演したジェシー・マシューズ、ソニー・ヘイル、「男装」のエドモンド・グウェン、「夕暮れの歌」のエムリン・ウィリアムズ、「孤児ダビド物語」のフランク・ロートン、「奇蹟人間」のラルフ・リチャードソン、「間諜」のアースラ・ジーンズ、「再び戦場へ」のエリオット・メイクハム、マーティタ・ハント及びレオノラ・コーベット其の他ドナルド・カルスロップ、マックス・ミルトン、ベル・クリストール等が出演している。ストーリーはシドニー・ギリアットとG・H・モースビー・ホワイトが協力して書き後者が脚色しエムリン・ウィリアムズが台詞を書いた。撮影は「空襲と毒瓦欺」のチャールズ・ヴァン・エンガーの担任である。

1933年製作/イギリス
原題または英題:Friday the 13th

ストーリー

その日は十三日の金曜だった。ロンドン市街バスの最終車が、折柄の雷雨を衝いて、数名の乗客を載せて疾走していた。夜半一分前、前方の普請場のクレーンが落雷の為に街路に倒れたのを避けようとしたバスは人道を乗り越えて商店の飾窓に跳込んで転覆した。この事故で、乗客のブレイク、ジャックソンの両名は即死し、運転手フレッドは重傷を負い、実業家ウェイクフィールドの夫人、ライトフットの両名は軽傷を負った。翌日の新聞はこの惨事をば、人の忌み嫌う「十三日の金曜日」という厄日のせいだと書き立てた。果たしてそうであろうか。この最終バスに乗り合わせた人々は、御幣かつぎで競馬狂の運転手フレッドと車掌アルフ、強請かたりを事としている前科者ブレイク、公園で知り合った怪しい女に懐中物を盗られてバス代もなくした小担者ライトフット、結婚記念日に夫婦で旅行しようと楽しみにしている番頭ジャックソン、健忘症の老婦人ウエイクフィールド夫人、贓品売買のジョー、小学校の先生を恋人に持つレヴューガールのミリイ、ロンドン見物に来た田舎女とその甥などだった。前科者ブレイクは銀行員パーソンスが前科者である事を知って百ポンドの小切手を強請っていたが、惨死したので小切手は改心している銀行員の手に戻った。健忘症の夫人は昼間夫に頼まれた手紙を忘れて届に行く途中怪我をして自宅に運ばれたので遂に手紙は届けず、その為に却って夫は損をしないで済んだ。ミリイは恋人と口論したので、彼女に懸想している俳優周旋業のニコルズに会いに行くところだったが事故のお蔭で行けず恋人と和解が出来た。旅行を楽しみにしていた番頭は死んだおかげで妻の不行跡を知らないで幸福に瞑目した。浮気心を出して金を盗られた男はバスに乗って家庭の幸福に戻った。贓品売買のジョーは衝突の為に大事な贓品を壊して儲け損なったが、同時に官憲に捕まる災難を免れた。田舎女と甥は衝突直前に下車して命拾いをしたと述懐した。重傷の運転手は十三日の金曜は厄日だとぼやいたが、微傷の車掌は綺麗な看護婦の手を握って、十三日の金曜は吉日だ、と悦に入るのであった。

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