美しき受刑者

劇場公開日:

解説

「裏切者(1938)」「狙われた男(1937)」のヴィヴィアーヌ・ロマンスが主演する映画で、P・G・ウェベールがストーリーを書き、ピエール・レトランゲズが脚色して台詞を執筆し「狙われた男(1937)」のレオン・マトが監督し「傷心の湖」のレオンス・H・ビュレルが撮影し「幻の馬」のアンリ・ヴェルダンが音楽をつけた。相手役は「幻の馬」「カルメン(1946)」のリュシアン・コエデル他

1945年製作/フランス
原題または英題:La Route du Bagne
配給:東宝
劇場公開日:1949年11月

ストーリー

淫奔なダンサーのマノンは、美しい流し目に老いも若きも男を悩殺しては、勝ち誇ったように笑い続けた。男が夢中になってのぼせ上れば、マノンはそれだけでも満足であり、金持ちであろうと貧しかろうと、彼女の浮気ごころをひきつける男でさえあれば、紅い唇を与えるのを惜しみはしなかったのである。しかし、男の側では何人かの中の一人であることに、安住していられるものではなかった。マノンの微笑を一人占めにしたいと思わない男はない。このような男のしっとが、時のはずみで、マノンを人殺しの罪人とした。シャンパンのさかずきを欠いて、それで男ののどを切ったのであった。かくてマノンはマルチニークへ流刑の身となった。男女別々に単調な作業を課せられる徒刑囚も、休みの時間には牢獄の中庭に相共に解放される。番号つきの獄衣を着ても、マノンの五体から放射される魅力は、烈しく男囚たちの官能を刺激した。わけても模範囚のラブーアンは、深くマノンに想を寄せた。彼は他の囚人が彼女のそばに近寄るのさえ許さなかった。ラブーアンのたくましい腕力を恐れて彼等は、遠くからマノンをながめるほかはなかった。男に飢えているマノンはラブーアンを、心のうさの捨てどころとして満足した。ところが医師ジルベールが賜暇から帰任して来た。都恋しいマノンは都の香りのしそうな好男子のジルベールに、たちまち引きつけられた。すると荒くれたラブーアンの粗野さ加減が、マノンにはいやらしくなってくる。マノンはジルベールに診察してもらいたさに、故意に怪我さえした。ラブーアンのしっとはつのった。それがこうじて彼はジルベールがマノンのび態に悩まされているところに飛び込んだ。彼女はジルベールをかばってラブーアンの短刀に倒れた。マノンの美しい亡骸の枕頭に侍して、彼女のめい福を祈ったのは素ぼくなラブーアンであった。

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