真夜中の愛情

劇場公開日:

解説

「ガラスの城」のジャン・マレーと「沈黙は金」のダニー・ロバンが主演する一九五三年作品。日本にははじめてのロジェ・リシュベが製作・潤色・監督に当った。オリジナル脚本は「デデという娼婦」のジャック・シギュール、台詞は「愛人ジュリエット」のジョルジュ・ヌヴーがかいた。撮影は「肉体の悪魔(1947)」のミシェル・ケルベ、音楽は「美しき受刑者」のアンリ・ヴェルダンが担当している。出演者は前記二人のほか、ミシュリーヌ・ガリ、ルイ・セニエ(「七つの大罪」)、フレデリク・ナダル、ジゼール・グランプレなど。

1953年製作/フランス
原題または英題:Les Amants de Minuit
配給:映配
劇場公開日:1953年9月2日

ストーリー

ポオル夫妻経営の衣裳店に、フランソワズ(ダニー・ロバン)は働いていた。忙しいクリスマス・イヴの日、夫妻は出かけ、同僚のモニクも早く帰った。一人のこった彼女が、十時になったので店を閉めようとしていると、昼間香水を買った男(ジャン・マレー)がモニクを訪ねてやってきた。目当てのモニクがいないので、男はフランソワズを誘った。二人で酒場に入り、いつもは淋しい彼女もたんだん朗らかになってきた。マルセルというその男は、フランソワズを衣裳店に連れかえってすっかり衣裳を揃えてくれ、金庫に十八万フランの紙幣を入れた。盛装して見ちがえるほど美しくなったフランソワズは、マルセルと夕食を共にし、踊った。そこで会ったマダム・ポオルは彼女が衣裳を盗んだのではないかと疑ったが、彼が釈明してくれた。すっかり酔ったフランソワズを送り届けて、マルセルは飛行場に行ったが、乗るつもりの飛行機は発ったばかり、マルセルはフランソワズのところへ戻ってきた。翌日おそく眼覚めた彼女はマルセルがいることをはじめて知った。その日、二人は夢のように一夜を過した。いよいよ別れの時がきて、マルセルは意外の告白をした。前夜の金はにせ札だったというのだ。一人淋しく店に帰ったフランソワズは十八万フランを下水にすてた。そしてマルセルが揃えてくれた衣裳をきちんとたたんで、元の位置にならべた。

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