オルフェ(1950)

劇場公開日:

オルフェ(1950)

解説

フランスの芸術家ジャン・コクトーが監督・脚本を手がけ、ギリシャ神話のオルフェウス伝説をもとに、舞台を1950年代のパリに移して映画化。

詩人のオルフェが通うカフェに、王女と呼ばれる女性が現れる。王女はバイクにはねられた詩人セジェストの死体を自分の車に運ぶようオルフェに指示。そのままオルフェも車に同乗して王女の屋敷にたどり着くが、王女はセジェストを生き返らせると鏡の中へ消えてしまう。それ以来、オルフェは王女の美しさにすっかり心を奪われてしまい……。

コクトーの公私にわたるパートナーであったジャン・マレーが主演を務め、「天井棧敷の人々」のマリア・カザレスが死の王女を圧倒的な存在感で演じた。後に「ローマの休日」などを手がける映画音楽の巨匠ジョルジュ・オーリックが音楽を担当。1950年・第11回ベネチア国際映画祭で国際批評家賞を受賞した。

1950年製作/95分/G/フランス
原題:Orphee
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
日本初公開:1951年4月17日

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(C)1950 SND (Groupe M6)

映画レビュー

3.0オルフェウス神話を現代に移植した「黄泉がえり」の物語……その割には奥さんの扱いが雑だが(笑)

2023年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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じゃい

4.5妖しく美しい死神と時空を超えた恋愛FS

2021年1月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

実に70年前の映画なのだが、未だ健在?の鏡を出入り口とするあの世とこの世を出入りする物語。殺し屋は何故かオートバイでやって来るのが新鮮。そして、身重の妻がありながら、冷たい美貌の死神に抱く詩人の恋心。でも死神様は、自ら犠牲となり、詩人夫妻を元の鞘に戻す。

フランス文学の様に、単純でない複雑な男と女の感情が織りなす模様に、言わばSF的に死後の世界をも描いていて妖しい魅力を放っていた。鏡の中に、水に浸かる様に入り込む描写は出色。最後に、カミュの愛人だったというマリアカザレスの静かな情熱的な美貌が余韻として残った。

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Kazu Ann

5.0詩人の愛

2020年1月20日
Androidアプリから投稿

コクトーは ドイツ占領下のパリと 自分の身に起きたことを、オルフェウス伝説に絡め 映画にしたようだ

死神、黒い高級車、冥界での査問委員会はナチスを連想させ (でも 車はロールスロイスなのだ! )
使い魔の様なバイク乗りは 暗殺者、親衛隊のイメージだろうか

冒頭で死んでしまう新進気鋭の詩人セジェストは
夭折の天才レイモン・ラディゲに、
死神に誘惑されてしまう詩人オルフェは
ラディゲ亡き後、衝撃のあまり阿片中毒になってしまった コクトーに重なる

詩人カフェでの疎外感、つけ狙う新聞記者、彼を告発する知人、押し寄せるファン、オルフェを殺してしまう文学青年達に コクトーの苦悩が見られる

そんな中、映像表現では 様々な工夫がされている
鏡が大きな役割を果たすが〈 鏡 × ジャン・マレー 〉の取り合わせに うっとり…
また それはマレーの美貌への自己陶酔に見えるが、詩人コクトーのおのれの才能への陶酔ではないだろうか

最後のオルフェと妻の抱擁は
死の誘惑から逃れたコクトーとマレーの喜びだろうし〈パリ開放の歓喜〉にも重なる

死神(カザレス)の涙は オルフェだけでなく、パリを手放す(ドイツの)悲しみも意味するのだろうか
色々なことが重なり マレーを手放さざるおえなくなっていったコクトーの悲しみでもあるのか

いずれにせよ、コクトーとマレーの運命的な結びつきを感じさせる作品だった

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jarinkochie

3.5フランス共産党の実態への批判

2018年10月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

死神の王女役のマリア・カザレス!
彼女の美しさだけで観る値打ちがある
小柄であり得ない程に細く華奢、知的な面立ち
白い肌に黒い長い髪、切れ長の大きな瞳
正にこの世のものではない美しさを体現している
彼女はフランス共産党の理想を象徴している存在だ
だから限りなく美しく描かれている

物語りはギリシャ神話をそのまま現代に翻案したもの
鏡を通り抜けて向こう側の死の世界に行き来するシーンは単純な特撮ながら効果的なイメージを提供して、戦後まもなくとは思えない

地獄の査問委員会、王女、ラジオから流れる詩文による暗号文、乱数、モールス信号
これらはおそらく戦時中の地下抵抗組織の記憶によるものだろう
正確にいうならば、フランス共産党の地下組織だ
ソ連からの指令に基づき表の世界の抑圧者を排除せよだ
詩人などのフランス知識階級は派閥争いをしながらも、そこに参画しようとする
しかしその実態は、結局のところソ連の思惑で動く存在なのだと知る
フランス人とフランス国家の為ではない
共産党に従うのなら、その現実を決して見てはならないのだ
見たら愛国心は死んでしまうのだ
ソ連からの指令に依らない行動は査問委員会に掛けられてしまうのだ
戦後、フランス共産党は公然化して一大勢力を誇ることになったが、その実態は鏡の向こう側の指令で動いていたのだ
だから、王女は査問委員会に歯向かい主人公たるフランス知識人の味方たろうとする
しかしそれは露見し逮捕されていくのだ
そして主人公は王女を忘れ、彼の妻すなわちフランス国家への愛国心を取り戻して終わるのだ

つまり本作はフランス共産党の実態を示し、批判する映画なのだ

ソ連もとうに崩壊し、共産主義への理想も幻想ももはや超絶的な美貌の王女なのではなく、ボロクズを纏ったミイラになり果てている
そんな21世紀に本作を観る我々には、そんな寓意はもはや読み取る事は難しい
ただのファンタジー映画としかもはや見えないのかも知れない

当時のヨーロッパの知識人はこの寓意をキチンと読み取り、栄誉あるヴェニス映画祭監督賞与えたのだが、果たして日本ではどうなのか?

本作のテーマは今日もなお日本のメディアの人々こそ観るべきテーマなのだが、果たしてこれを読み取れ、そのメッセージを正しく受け取れるのだろうか?
暗澹たる気持ちが広がるのみだ

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あき240
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