マルセイユの一夜
劇場公開日:1951年2月10日
解説
「北ホテル」「乙女の湖」のジャン・ピエール・オーモンと「アラビアンナイト」「タンジールの踊子」のマリア・モンテスの御夫婦が主演する映画で、エドアアル・ペエソンの小説からオーモンの弟フランソワ・ヴィリエが監督したもの。脚本はヴィリエとマルセル・クルヴァンスとミシェル・アルノーが共同執筆し、台詞はオーモンが書いている。撮影はイヴ・ブルゴワン、装置は「宝石館」のジャン・ドーボンヌ、音楽は「火の接吻」のジョゼフ・コスマである。助演は「艶ごと師」のリリー・パルマー、「火の接吻」のマルセル・ダリオ、「悲恋」のローラン・トゥータン、喜劇で有名なグレゴワール・アスラン、ロジェ・ブラン、ピエール・ベルタン等である。
1948年製作/フランス
原題または英題:Hans le Marin
配給:SEF=東宝
劇場公開日:1951年2月10日
ストーリー
カナダの一貨物船の水夫エリックは、マルセイユで夜の女ドロレスの部屋で一夜をあかした。彼はこの女が宿命で自分の女となっているような気がして、別れたくなかったが女にはげまされて、海岸の酒場で別れの乾盃をした。居合せた二人の与太者はエリックの財布を見て、あとをつけ、エリックを刺した。一週間後エリックは病院で意識を回復した。エリックは警察官に問われても具体的には、女の名がドロレスということしか説明出来なかった。警察では夜の女と与太者がグルになって客をカモったものと片付けた。エリックは苦情も言わなかった。彼を裏切ったかも知れないドロレスが忘れられず、もう一度めぐり合いたいと思った。退院しても文なしの彼は、身分証明書がないのでカナダ領事も相手にしてくれない。空腹を抱えてドロレスと初めて会ったキャバレエのキット・キャットの近くをうろついたが、中には入れなかった。ドロレスの情人マルセルは万一を考えてドロレスをマルセイユから去らせた。やっと港の自由労働者になったエリックはキット・キャッ卜に入ってみたがドロレスは姿を現さない。そしてジプシイの占い女タニアと知合った。或夜彼は二人の与太者と出合い、争っているうち一人は舗道の石に倒れて死んだ。警官の足音にエリックは隠れ、マルセルが逮捕された。タニアに伴われてエリックはジプシイのキャンプへ行き彼女の骨折で偽身分証明書を手に入れ、水夫のハンスと名乗る。マルセルは殺人者を探し出す条件で釈放されると、キット・キャットに張込んでエリックを待受けた。エリックのハンスはタニアに愛されたが、ドロレスを忘れかねていた。一夜キット・キャットで彼はドロレスを見つけると、無事に彼女の部屋へ赴いた。彼女が男を一夜の客としか考えないと知ると、エリックは逆上してドロレスの咽喉をつかんだ。マルセルの急報で警官像はドロレスの部屋を包囲した。その時エリックは扉を開き、青ざめた亡霊の様な顔で、黙って両手をさし出した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- フランソワ・ビリエ
- 脚本
- フランソワ・ビリエ
- マルセル・クルヴァンス
- ミシェル・アルノー
- 原作
- エドアアル・ペエソン
- 台詞
- ジャン=ピエール・オーモン
- 撮影
- イヴ・プルゴワン
- セット
- ジャン・ドーボンヌ
- 音楽
- ジョセフ・コスマ