殺人鬼登場

劇場公開日:

解説

サーカスを舞台に、性格異常の整形外科医を主人公にした怪奇ドラマである。新人ジョージ・バクストの書きおろしシナリオによって編集者出身でこの作品が三本目の監督作品にあたるシドニー・ヘイヤーズが演出を担当した。サーカス場面は英国一流のビリー・スマート・サーカスで撮影されキャメラを受けもったのはダグラス・スローカム。音楽をフランス・ライゼンステインとミューア・マシーソンが書いている。主題歌「星を求めて」をマーク・アンソニーが作曲し、ゲイリー・ミルスが歌っている。出演するのは「嵐の中の青春」のアントン・ディフリング、「恋人たちの森」のエリカ・レンベルグ、「ナポリ湾」のイヴォンヌ・モンロア、ジェーン・ヒルトンなど。製作はジュリアン・ウィントルとレスリー・パーキンの共同。

1960年製作/92分/イギリス
原題または英題:Circus of Horrors
配給:日本RKO
劇場公開日:1961年2月25日

ストーリー

一九四七年のイギリス。当時美容整形手術は危険が伴うという理由で禁止されていたが、若いロシター博士(アントン・ディフリング)は禁を犯して手術を行っていた。しかし博士の手術を受けた令嬢イヴリンが命に背いて予定日より早く繃帯を取り、半狂乱となったため警察に追われる身となった。逃走の途中、警官を殺し、自分も顔面に傷をうけた博士は、助手のマーティン・ウェップとその妹で情婦のアンジェラに顔をかえさせ、名前もバーナード・シュラーとかえ兄弟と共にフランスに逃れた。そしてヴァネラという男のサーカスと知り合い、その娘ニコル(イヴォンヌ・モンロア)の傷ついた顔をなおしたことから共同経営者となった。その夜、祝い酒に酔ったヴァネラが熊に噛み殺されるのをシュラーは見殺しにした。巡業中、顔半分がただれているが体の美しい売春婦エリサ(エリカ・レンベルグ)が客を殺したのを見たシュラーは、手術をして芸人に仕立て情婦とした。十年後、ニコル、エリサ、そしてやはり手術をうけたマグダを擁して、サーカスはベルリンで盛大に興行していた。マグダもシュラーの情婦だったが、金持の恋人ができたためシュラーにより舞台で殺されてしまった。ある日マグダの友だちでメリナという女がたずねて来て手術を受け美しくなった。一座がイギリスに巡業に来た時、相つぐサーカスの事故死に疑問をもったロンドン警視庁のアーサー・エイムズ警部が新聞記者のデスモンドと名乗って近づいて来た。一方各地の警察での解剖の結果、被害者がいずれも身寄りがなく、しかも顔にかすかな手術の痕があることがわかった。そこで十年前行方不明になったロシターがシュラーではないかという疑問が起きた。これを知ったエリサは新たに情婦になったメリナと手を切るようにシュラーをおどしたが、かえって殺されてしまった。ある夜シュラーはゴリラに顔を掻きむしられた。一方エイムズ警部はイヴリンにシュラーを面通しさせるため一座を彼女が経営する精神病治療財団の慈善興行に出演させた。傷のため顔からは判断できなかったが風がわりな指輪がロシターだということを証明していた。その夜、かねてからシュラーを憎んでいたマーティンとアンジェラは動物に鎮静剤を与えておかなかったのでメリナが舞台で殺された。そして一座を離れようとしたアンジュラはシュラーに刺され、マーティンは警察にとらえられた。またシュラーも逃げる途中であったイヴリンの自動車にぶっつけられて死んだ。

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