みんなが恋してる
劇場公開日:1959年10月6日
解説
「三月生れ」「お嬢さん、お手やわらかに!」のジャクリーヌ・ササール作。監督は日本初登場のジュゼッペ・オルランディーニ。パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレとマッシモ・フランシオーサの原案を、フランコ・ロッシ、ウーゴ・グエッラ、ジョルジョ・プロスペリ、パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ、M・フランチオサが共同してシナリオ化した。撮影はアルマンド・ナンヌッツィ。音楽はアレッサンドロ・チコニーニ監修をフランエ・ロッシが受けもっている。他の出演者は「掟(1959)」のマルチェロ・マストロヤンニ、「三月生れ」のガブリエレ・フェルゼッティ、マリサ・メルリーニ等。
1958年製作/イタリア
原題または英題:Tutti Innamorati
配給:イタリフィルム
劇場公開日:1959年10月6日
ストーリー
ローマの発電所につとめるジョヴァンニ(マルチェロ・マストロヤンニ)は、妻に死なれて八歳の息子リベロと暮すやもめである。彼には独身の友アルトゥロ(ガブリエレ・フェルゼッティ)があった。アメリカ留学を希望するジョヴァンニは、図書館に勉強にいった時、そこで本のページを破り取ろうとしているハイ・ティーン娘アレグラ(ジャクリーヌ・ササール)とその仲間の行動を見た。彼のために図書館から罰金をとられたアレグラは、おせっかいなこの三十男に反感をもった。アレグラの父はガリバルディに傾倒するバルベリオという老将軍で、おりからの上院選挙に保守党から立候補していた。彼は長女セレナのために乳母をやとった。その乳母がジョヴァンニの義兄の妻アニェシーナだったことから、アレグラとジョヴァンニはまた顔を合せた。電話で次の水曜日にジョヴァンニが図書館に出かけることを確かめたアレグラは、そこに出かけて彼の気をひいた。スポーツ・グラウンドで会ったり、日曜日に鴨猟にでかけたりして、二人の気持は接近し、アレグラも本当に彼にひかれるようになった。一方、ジョヴァンニの友アルトゥロは、発電所の老技師チェザーレの娘で、洋裁店をやっている三十娘のヨランダと幼なじみで愛し合っていた。しかし、女にもてるアルトゥロは結婚を急がず、彼を愛しているヨランダも、率直にはそれを表現できないでいた。ちょうどその頃、ジョヴァンニの息子のリベロをあずかっている義兄のフェルッチョが、リベロをつれてバルベリオ老将軍の選挙を手つだいにでかけ、衣類などを物乞いするという事件が起った。アレグラとの恋もこれで駄目になったと考えたジョヴァンニは、年齢の違いを考えたりして、アレグラとの約束もすっぽかした。そして、アルトゥロと喧嘩したヨランダが、思わず「私はジョヴァンニと婚約したのよ」と口走ったことから、いっそヨランダと結婚を、などと考えたりした。しかし、結局ヨランダはそれがきっかけでアルトゥロと結ばれた。息子のリベロが老将軍の選挙写真に使われたことから、将軍の家にのりこんだジョヴァンニは、すっかり将軍夫婦に気に入られてしまった。彼とアレグラが正式に結ばれるのも近かそうだ。