鍵穴
劇場公開日:1959年5月9日
解説
「嵐の女」のシャルル・ブラバン監督が、前作に続いてラフ・ヴァローネとマガリ・ノエルを主演させて撮った風変りな愛欲のドラマ。ジャック・マルスローの原案を、マルスローとブラバンにアンドレ・タベの三人がシナリオ化している。撮影担当は「濁流(1957)」のエドモン・セシャン。音楽はモーリス・ルルーで、“ベリンダ”“罠のブルース”の二曲が主題曲として使われている。他の出演者は「悪魔のような女」のシャルル・ヴァネル、「ぼくの伯父さん」のベティ・シュナイダー、ミシェル・ブーケ等。アラン・ゴラゲールがジャズ演奏をうけもっている。
1957年製作/フランス
原題または英題:Le Piege
配給:NCC
劇場公開日:1959年5月9日
ストーリー
フランス東南部の製油工場の町。カイユ館は町でただ一軒の酒場兼宿屋で、ここには三人の人間がいた。主人のカイユ(シャルル・ヴァネル)は強度の近眼で、眼鏡をはずすと盲同然の老人。コーラ(マガリ・ノエル)は老人の死んだ息子の嫁で豊満な肉体の持主。もう一人は陰険な女中ドニーズ(ベティ・シュナイダー)。ある日、カイユ館にジーノ(ラフ・ヴァローネ)というイタリア人の若者が入って来た。彼はトラックの運転手でカイユ館に宿泊することになった。ジーノとコーラは結ばれた。カイユはコーラに野望をいだき、ジーノとの仲を疑った。ジーノにとって楽しい日々が続いた。が、ある日、ドニーズは雑貨店の「犯罪新報」で、ジーノが手配中の殺人犯であることを知った。カイユは「犯罪新報」を全部買占めさせた。ジーノは自分の過去がばれたことに気づいた。カイユはジーノを脅迫した。コーラには彼を追出せとそそのかした。彼女はジーノと逃亡の相談をした。カイユ館の改築祝の晩、カイユはジーノにコーラから手をひくように、彼女の悪口をいった。ジーノは怒ってカイユを殴りつけた。反抗しないカイユに恐怖心を抱いたコーラは、彼の口をふさぐために自分の体を与えた。逃亡計画はカイユの監視のため実行が出来なかった。ジーノは断崖からトラックを転落させ、自分を事故死と見せかけ、警察の追求から逃れようとした。ジーノが出かけたあとコーラはカイユに挑まれ、烈しい争いが続き彼を窒息死させた。翌朝、ドニーズはカイユの屍体を発見し、憲兵隊に連絡した。彼女はすべてを知っていた。一方、ジーノは計画通りに事を運び、コーラに連絡した。が、返事はなかった。ジーノはカイユ館に行き、コーラの部屋に入ろうとして、警察に捕まった。しかし、彼はアリバイを立証できなかった。コーラも彼の無罪を主張した。ジーノを乗せたジープは走っていった。それを見送るドニーズは冷く笑った。