愛すべき御婦人たち

劇場公開日:

解説

「花咲ける騎士道」につづくクリスチャン・ジャック監督の一九五二年作品。「禁断の木の実」のジャック・コンパネーズと「嘆きのテレーズ」のシャルル・スパークがクリスチャン・ジャックと協力して脚本を書卸し、台詞はスパークが担当した。撮影は「双頭の鷲」のクリスチャン・マトラ、音楽は「夜ごとの美女」のジョルジュ・ヴァン・パリス。主演者は「恋路(1951)」のダニエル・ジェランを中心に、「快楽」のダニエル・ダリュー、「浮気なカロリーヌ」のマルティーヌ・キャロル、「双頭の鷲」のエドウィジュ・フィエール、「パルムの僧院」のルネ・フォール、イタリイ出身のアントネラ・ルアルディ、「アンリエットの巴里祭」のルイ・セニエらが助演する。

1952年製作/フランス
原題または英題:Adorables Creatures
配給:東宝
劇場公開日:1954年3月

ストーリー

商品の宣伝文句を書かせてはいい才能をみせる青年アンドレ(ダニエル・ジェラン)は、下宿の隣家の娘カトリーヌ(アントネラ・ルアルディ)と結婚することになった。愛したのは君だけだ、などと彼は言うが、これは嘘だ。生後六カ月で乳母に恋し、十歳で女友達に結婚を申込み、十五で学友にキスし、十七歳の時娼婦の手で“卒業”させられ--そして二十一の時、彼の恋人は人妻クリスチーヌ(ダニエル・ダリュー)であった。彼は下宿での彼女とのあわただしい逢びきでは満足できず、つれ立って外国へ駆落ちしようとせがむのだが、結局家庭に安住している彼女は言を左右して肯じない。しかも夫が秘書を手なずけているのを知ると痴話喧嘩を起すほどの未練もあって、結局彼女はアンドレならぬ夫と旅に出てしまった。すっかり厭世的になったアンドレが次にみつけたのは離婚したての美女ミヌウシュ(マルティーヌ・キャロル)であった。滅法金使いの荒い女で、スイスへスキーに行きたいというのを彼は諾々として従いて行く始末だが、滑りもしないうちに足を挫いてしまい、やがて彼女がもっと金持の老人、棉花王デュブリュウ(ルイ・セニエ)に乗りかえてしまったのも見送らねばならなくなった。さてここに金満家の未亡人ドニイズ(エドウィジュ・フィエール)は芸術家のパトロンを気取るのが趣味だが、アンドレのデザインの才能に惚れこんだ末、寵愛のピアニストを放り出して、ついに彼を自邸に引っぱり込むことに成功した。ところが彼女の秘書で元泥棒のアリス(ルネ・フォール)はアンドレにのぼせたあまり女主人の本当の年齢を暴露、ドニイズはまたクサった彼に向ってアリスの罪をあばくという泥試合が展開して、アンドレはまた弧独に逆戻りとなった。その頃、すっかり実存主義にかぶれて青二才と駆落ちしたカトリーヌを、両親の願いで救いに行ったアンドレが、やっと、本当に愛してたのは彼女だ、と気がついた結果こそ今度の結婚なのである。さあ、二人の本物の“闘い”がこれから始まるのである。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5マルティーヌ・キャロル

2024年7月4日
Androidアプリから投稿

独身男性の結婚前の恋愛遍歴の回想物語だが
結婚後の波乱も暗示

ダリューとジェランが演じる
クリスティアーヌのエピソードには
オフュルスの「輪舞」のふたりを思い出す

色っぽくて自分勝手なミヌーシュは
策略家でもあった…
彼女を演じるマルティーヌ・キャロルが綺麗
そしてやっぱり入浴シーンあり

フィエールは高価なドレスをヒラヒラさせながら
玉を転がすような声で喋り、慈善活動に精をだしつつ
芸術家をつまみ食いする資産家未亡人デニスを演じている
そして底意地の悪さを垣間見せる
彼女は舞台人としても有名だが
偽善と芝居の関係を思ったりした

1940年にアメリカで
ナイロンストッキングが発売されたらしいが
この頃はまだ贅沢品だったのだろうか

1952年のフランス/イタリアのコメディ映画

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jarinkochie