汚れた刑事

劇場公開日:

解説

警察機構の腐敗に、自ら高潔な魂を悪に染めて敢然と挑戦する刑事の戦いを描く。監督は「別れのスキャット」の製作者イヴ・ボワッセ、脚本はクロード・ヴェイヨとボワッセが共同執筆。撮影はジャン・マルク・リペール、音楽はアントワーヌ・デュアメル、編集はアルベール・ジュルジャンソンが各々担当。出演はミシェル・ブーケ、ベルナール・フレッソン、ジョン・ガルコ、ミシェル・コンスタンタン、フランソワーズ・ファビアン、ピエール・マッシミ、アンリ・ガルサンなど。

1970年製作/98分/フランス
原題または英題:Un Conde
配給:ヘラルド
劇場公開日:1972年12月12日

ストーリー

夜のとばりに包まれ、森閑としたパリの裏街のビルの屋上から男がつき落とされた。男はロジェ(P・マッシミ)といい、昔はやくざだったが、今は姉エレーヌ(F・ファビアン)と小さなバーを経営して堅気な生活を送っていた。だが、警察を買収して近頃めきめきと勢力を拡張してきたタベルニエ一家にダニのようにつきまとわれ、嫌がらせをされていた。そんな矢先の事件だったから、バルネロ刑事(B・フレッソン)は、犯人の目星はついていたが、事件を揉み消そうとする警察内部の対処の仕方に憤懣やる方ない思いだった。業腹なのはバルネロだけではなく、ロジェの友達で、エレーヌを愛していたダン(J・ガルコ)も同様だった。ダンは復讐を誓い、一匹狼のビレッテ(M・コンスタンタン)の助力を得て、その計画を立てた。ビレッテはタベルニエの身辺の堅固なガードの中でも比較的隙のある日時を知っていた。ダンとビレッテは、すみやかに行動を起こした。屋根伝いにビルに侵入し、エレベーターの前で待ちぶせた。その頃、バルネロ刑事と同僚のファブナン刑事(M・ブーケ)は、そのビルの周辺をパトロール中だった。ファブナンは、彼の執拗な捜査の為に警察内部の不正が露呈するのを恐れた上部によって、ここの警察に廻されてきたのだ。やがて時刻は二時になろうとしていた。突然静寂が破れ、銃声が鳴り響いた。二人はビルに飛び込んだ。エレベーターの前でタベルニエの惨死体があった。バルネロは内心ほくそえんだが、ファブナンは犯人を追うべく業務遂行を促した。屋根伝いに逃走するダンとビレッテに、バルネロは威嚇射撃をした。追われるビレッテはバルネロめがけて発砲した。弾丸はバルネロの心臓をぶちぬいた。ファブナンは渋い顔をする部長を脅迫して、強引にこの事件の捜査指揮権を奪った。この事件をうやむやにさせない唯一の方法は、自分独自の捜査を展開する以外になかったからだ。彼は殺しも、暴力も、偽証も辞さない覚悟でいた。ファブナンは、バルネロを殺した犯人を挙げるために、タベルニエの手下を脅迫した。強情をはる一人に彼はサイレンサーをぶち込んだ。恐怖のあまりもう一人は、犯人の一人がダン・ロベールであることを告白した。次に、ダンを逮捕し、拷問にかけた。ファブナンはダンに偽証を強要した。タベルニエ殺しの犯人はダン・ロベールであることを証言すること。もう一つは、射つなと止めたのに相棒が射ったと証言すること。つまりダンと相棒の友情を引き裂くための偽証だった。だが彼は口を割らなかった。一方、ダンのアリバイ捜査で、土曜の深夜は、友人のレイモン・オールネイの家でカード・ゲームをしていたことが判明した。レイモンの証言によると、自分と妻とダンと、そしてビレッテが同席したとのことだった。ファブナンはこれがアリバイ工作であることを見抜いた。ファブナンはビレッテの隠れ家にのり込み、無表情にビレッテの心臓に弾丸をぶち込んだ。ファブナンのやり方に激怒したダンは、留置所を脱走してファブナンの家へのり込んだ。だが、周囲は警官に包囲され、もはやダンの逃げられる余地はなかった。やけくその発砲に応戦した警官の銃弾にダンは倒れた。ファブナンはすべてが終ったと思った。既に捜査の経過を綴った報告書と辞表を用意していた。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く