ローマのしのび逢い
劇場公開日:1971年10月2日
解説
違い過ぎる世界に住む人妻を愛した男は、愛するが故に彼女のもとを去って行く。製作はエドモンド・アマティ、監督はミケーレ・ルーポ、ストーリーと脚本はレオーネ・アントニオ・ビオラ、撮影はグリエルモ・マンコーリ、音楽は「七人の特命隊」のフランチェスコ・デ・マージが各々担当。主題歌は主演のメトロポリタン・オペラのプリマドンナ、アンナ・モッフォが歌っている。出演はほかに、ジャンニ・マッキャ、ジャン・クラウディオ、など。日本語版監修は清水俊二。テクニカラー、テクニスコープ。
1970年製作/イタリア
原題または英題:Love me, Baby,Love me
配給:MGM
劇場公開日:1971年10月2日
ストーリー
その夜イーブ(A・モッフォ)は香港へ出張の夫マルコ(J・クラウディオ)をローマ空港に見送った。その時見掛けた若い写真家エリック(G・マッキャ)はその日が二十歳の誕生日で、イーブもお祝いのパーティに誘われた。家庭を気にしながらも一夜を楽しく過ごしたイーブはエリックの若々しい魅力のとりこになり、早朝家まで送ってくれた彼に体を許してしまった。もう二度と会うまいと誓ったイーブの決心は脆くも崩れ、彼との再会に身も心も喜びに震えた。しかし、彼はどういうわけか、自分の家へだけはイーブを連れて行こうとしなかった。前ぶれなしに訪れたイーブが泣いて訴えても、扉をあけようとしないエリックは「香港へ行きなさい。さようならイーブ」と言うばかりだった。夫の帰国間近再び彼の所へ出かけたイーブは彼の家の階段で取り乱した若い女に出会った。開いている戸口から中に入ると、血に染った手を押さえながら、うずくまっているエリックを発見した。医者を呼んで、手当てをした後、彼を医者にまかせて家へ帰ったイーブを夫のマルコが待っていた。夫の帰宅を喜ぶ様子のない妻、しかもエリックに電話して取り合ってくれないことに絶望して睡眠薬自殺を図った妻に、マルコの疑いはつのる一方で、ひとりぽっちの彼は、ふとしたはずみで女中と過ちをおかしてしまった。イーブは悩んだ揚げ句にエリックを訪れ、どうしてもと中に入れてもらった。彼は意を決して彼女を挑発した。愛し合った、彼女が現像室をのぞくと、彼女のあられもない姿態が、部屋いっぱいにぶらさがっていた。エリックは裕福な女をアパートに引き入れて、撮影した写真をネタにゆすりをしている男だったのである。「これが、ぼくの正体さ」というエリックに向かって、イーブはなおも愛を告白するのだった。家庭を捨てて愛する男との生活に入ろうと心を決めたイーブにエリックはきっぱりと、言った。「あなたとは世界が違うのだ」と。彼女の写真を破りながら、彼女を送り出した彼の目には涙が浮かんでいた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ミケーレ・ルーポ
- 脚本
- レオーネ・アントニオ・ビオラ
- 原案
- レオーネ・アントニオ・ビオラ
- 製作
- エドモンド・アマティ
- 撮影
- グリエルモ・マンコーリ
- 音楽
- フランチェスコ・デ・マージ
- 歌
- アンナ・モッフォ
- 編集
- ビセンツィオ・トマージ
- 字幕監修
- 清水俊二