裸足のイサドラ

劇場公開日:

解説

世界一の美女でありダンサーである、と謳われたイサドラ・ダンカンの、栄光と失意の一生をつづった愛の物語。監督は「土曜の夜と日曜の朝」のカレル・ライス。脚本はメルヴィン・ブラッグとクライヴ・エクストンの共同執筆。美術はマイケル・セイモア、撮影はラリー・ピザー、振付はリッツ・ピスク、衣裳はジョン・ブリッグスとジャッキー・ブリード、音楽はモーリス・ジャール、編集をトム・プリーストリーが担当。出演は「遥かなる戦場」のヴァネッサ・レッドグレイヴ、「モダン・ミリー」のジェームズ・フォックス、「墓石と決闘」のジェーソン・ロバーズ、イバン・チェンコ、ジョン・フレーザー、ベッシー・ラブ、ウラジミール・レスコバ、トニー・ボーゲル、リビー・グレンなど。

1969年製作/133分/イギリス
原題または英題:Isadora
配給:ユニヴァーサル
劇場公開日:1970年5月1日

ストーリー

世界一の美女、天才的ダンサーといわれたイサドラ・ダンカン(V・レッドグレーブ)は、すでに四〇代になっていた。そして今、彼女は秘書のロージャー(J・フレーザー)を相手に波乱万丈の半生記を書いていたのだった。まだ十二才で、ロサンゼルスに往んでいた頃、彼女は美と芸術のために一生を捧げようと誓いをたてた。そして初舞台を踏んだイサドラは、その異様な迫力と熱っぽさで客席を圧倒した。それは「ダンスを波に習い、音楽をそよ風に習った」という彼女の言葉そのままの、野性的な舞踊であった。その後、イサドラは、家族と共にロンドンに渡り、さらに自分の芸術の完成に情熱をそそいだ。そんな彼女に、世間はしだいに注目するようになり、イサドラの名はヨーロッパを風靡するようになった。自由奔放な生活を送るイサドラに、その頃一つの転機となる事件が起きた。その事件とは、詩人で舞台装飾家のゴードン・クレイグ(J・フォックス)と熱烈な恋に落ち入り、娘デアドリー(L・チェンバース)を産んだことだった。が、クレイグは、イサドラのもとを去った。その後、彼女は億万長者のバリス・シンガー(J・ロバーズ)、ピアノ伴奏弾きのアルマン(C・デュバレー)と恋をしたが、彼女を再び燃えたたせたのは、一九二一年、ソ連に渡った時めぐりあったセルゲイ・エセーニン(I・チェンコ)との、恋であった。輝かしいソ連での成功のあと、イサドラとエセーニンは、彼女の故国アメリカに向った。が、アメリカの大衆は、二人を冷やかに迎え、やがて、エセーニンは彼女から去っていった。……回想していたイサドラは、ホテルの窓から、男性的なドライバー、ブガッティ(V・レスコバール)をかいまみて、心魅かれた。数日後、パーティでブガッティをつかまえたイサドラは、彼のオープン・カーに乗りこんだ。車が走り出した時、イサドラは立ちあがりパーティの連中に「さよなら」と呼びかけた。次の瞬間、彼女の首に巻いた赤いスカーフが、車輪にまきこまれ、彼女の首をしめていった。それが、イサドラの最期だった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第26回 ゴールデングローブ賞(1969年)

ノミネート

最優秀主演女優賞(ドラマ) バネッサ・レッドグレーブ
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映画レビュー

3.0自分に素直に生きた人なのですね。

2022年11月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

毎日の生活の「幸せ度」を上げる秘訣として、他人が自分に対してする評価を鵜呑みにせずに、自分自身の価値基準を大切にすることーというのは、ある心理学カウンセラーの言葉ですが。 それで言えば、彼女は自分の価値基準を、愚直なまでに大切に生きた人だったのですね。おそらくは。 午前十時の映画祭でたまたま同じ時期に観た『蜘蛛巣城』の主人公が、もののけの予言に囚われて自分を見失って行く姿と、好対象だったのが、印象的です。 芸術家としての才能もない凡人の評論子としては、彼女がそういう生き方をしたことを、心に留めて心がけるのが、せいぜいだとは思います。(涙)

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talkie

2.0凡人の私には、その生き様に共感出来ることが余り無く…

2022年8月26日
スマートフォンから投稿

昨年、ヴァネッサ・レッドグレイヴ主演の 「欲望」を鑑賞。 更に先日、フレッド・ジンネマン監督の 「ジュリア」の中の彼女の存在感に 感服した経緯から、 キネマ旬報第19位のこの作品を初鑑賞。 レッドグレイヴのプロフィールを拝見すると イサドラと彼女の生き様が かなり符号して見えるので、 彼女自身がこの役を積極的に望んだのではと 勝手に想像した。 しかし、恋にも、踊りにも、 自由奔放な彼女の生き様に、 凡人の私には共感出来ることが 余り無かった。 また、子供を作っても結婚はしない、 との姿勢は、 「ガープの世界」の母親が思い出されたが、 昨今の子殺し事件の母親とは異なり、 愛情が重い分だけ子供達の事故死が 彼女に与えた影響は如何ほどだったろうか。 イサドラは、“モダンダンスの祖”と評される かなり有名なダンサーのようだが、 私にとっては知識外の人物だったので、 少し彼女の予備知識を入れた上で この作品を鑑賞していた方が良かったかな とも思わされた、 子供達の事故死の後追いにも思えるような 驚愕の彼女の死を予期出来たとしても。 演出としては、 時折ユーモラスな描写も織り込まれたものの グロテスクなイサドラの事故死の描写など、 首尾一貫しない作風に感じられ、 また、現在と回想シーンのかみ合いが 今一つのように思われることもあり、 上手さを感じることは無かった。 従って、見事なダンスシーンも含め、 かなりの熱演だったレッドグレイヴの演技が どうのこうの以前の鑑賞になってしまった のは残念だった。 しかし、この映画の監督が 私の若い頃に面白く鑑賞した記憶のある 「フランス軍中尉の女(キネマ旬報第9位)」 と同じ人だったことも認識外だった。 また、再鑑賞すべき作品を発見する 切っ掛けにしてくれた「裸足のイサドラ」 の鑑賞にはなったが、 そちらのカレル・ライス監督の演出力は どうだったのだろうか。

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KENZO一級建築士事務所

4.0女神

2022年8月13日
Androidアプリから投稿

1968年の英仏映画 晩年のイサドラ・ダンカンと 彼女が自伝のために回想する人生を映像化した 無垢みたいだった彼女が歳月と男性により 変化していくのが興味深かった 名声も得て パトロンの潤沢な支援を受け 思うがままの生活もしてみたが 人前では踊らなくなった彼女を 天は許さない、とばかりに子供は奪われる やはり踊りは追求、深化させようとするから 招待されたソビエト連邦と恋人の影響は受け 米国では非難される レッドグレイヴは長身で手足が長く モダンダンスの始祖にうってつけでした 美女だけど色気があまり感じられないようなところも かえって神々しかった ダンカンに〈ペンタクルのキング〉と評された 大パトロンのシンガーは彼女に何を見たのでしょうか 彼を演じたジェイソン・ロバーズはやはり存在感がありました

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jarinkochie

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