敵(1979)

劇場公開日:

解説

都会を舞台に、失業した男の内面の葛藤と家族の絆を描く。監督は「群れ」のゼキ・ウクテン、脚本は「路」の監督ユルマズ・ギュネイ、撮影はチェテン・トゥンジャ、音楽はアリフ・サー、編集はゼキ・ウクテンが担当。出演はアイタッチ・アルマン、ギュンギョル・バイラクほか。

1979年製作/トルコ
原題または英題:Dusman
配給:エキプ・ド・シネマ
劇場公開日:1987年2月7日

ストーリー

失業中のイスマイル(アイタッチ・アルマン)は朝早くフェリーに乗り、ダーダネルス海峡のエジェアバットから、アジア側のチャナッカレへ職探しに向った。失業者があふれる中で、ようやく仕事にありついたものの、雇い主に自分は学歴があるともらしたため、かえって職を失うはめになった。失意のうちにエジェアバットに戻るイスマイル。彼の失業によって家庭内には不和が生じていた。妻のナージィエ(ギョンギョン・バイラク)は、機嫌が悪く、義理の母は文句ばかり言っていた。隣人に野犬を毒殺する仕事を紹介されて、やむなく引き受けたイスマイルは、死んでゆく犬をみて良心の苛責に絶えられずその仕事をやめてしまう。ナージィエは、自分たちの貧しさに不満をもち、よい生活を望んでいたが、女優に憧れた彼女は派手な生活を夢みて、周囲の反発をかった。ある日、財産を分けてもらおうと実家へ足を運んだイスマイルは、農業を営んでいる父と弟に冷たくされる。土地を離れた以上、権利はないというのだ。弟はナージィエを中傷し、それが因で喧嘩になる兄弟。傷ついたイスマイルは、そのまま自分の家に帰るほかなかった。翌日から、再びイスマイルの職探しの日々が始まった。ある日、ナージィエは、夫に“今日だけは家にいてほしい”と哀願するが、仕事のあてがあったイスマイルは、妻の願いをふり切って出かけていった。その日、イスマイルは、妻の欲しがっていたカセットレコーダーをようやく手に入れた。

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