憂鬱な楽園

劇場公開日:1997年4月17日

解説・あらすじ

その日暮らしの中年男ガオは弟分のピィエンとその恋人のマーホァとともに南へのバイク旅行に出発するが……。根無し草のようにさまよう男女の場当たりな生き様を、物語性の欠落した客観的映像でスケッチしていく。フィルム・ノワールを思わせる張りつめた雰囲気と南国特有のアンニュイなムードが、見る者に不思議な高揚感を抱かせる異色作。日本からの出資を得て、名匠ホウ・シャオシエン監督が肩の力を抜いて撮りあげた青春ロードムービー。

1996年製作/112分/台湾・日本合作
原題または英題:南國再見、南國 Goodbye, South, Goodbye
配給:松竹富士
劇場公開日:1997年4月17日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第49回 カンヌ国際映画祭(1996年)

出品

コンペティション部門
出品作品 ホウ・シャオシェン
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(C)1996 松竹株式会社

映画レビュー

3.5 模索期に入ったホウ・シャオシェン

2026年3月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他

楽しい

難しい

地元の映画館には来ず、最寄りのレンタル店にもビデオが置かれず、しばらく観ることができなかったホウ・シャオシェン映画。ちょっと遠めのレンタル店に行ったらたまたま見つけて、ようやく観ることができた記憶。2000年代になってからだったと思う。

台湾現代史三部作を作り終えたホウ・シャオシェン監督が、その最終作だった前作『好男好女』でカンヌ国際映画祭に行った際に主演のガオ・ジエ(ジャック・カオ)、リン・チャン、伊能静の3人の関係性の面白さがヒントとなって製作された作品とのこと。『好男好女』は台湾現代史三部作の最終作ではあったが、どちらかというと現在のシーンに比重が置かれた作品で、本作はその延長上にあるような作品である。日本からの出資を得て製作された台日合作映画で、ホウ・シャオシェンやエドワード・ヤン、ツァイ・ミンリャンなどの台湾ニューシネマ作品は国際的評価は高くとも地元台湾では客が入らず興行成績は上がらないという問題点を抱え、当時は製作が難しくなっていたと思われる。

映画の出来も今ひとつモヤモヤした感じでしっくり来なかったような。自伝的4部作、現代史3部作を撮り終えて、ホウ・シャオシェンも次の方向性を模索してたんではないだろうか。初期ミューズのシン・シューフェン(辛樹芬)を失ったホウ・シャオシェンが新たなヒロインとして前作で起用した伊能静だったが、次作『フラワーズ・オブ・シャンハイ』では脇役にまわり、それが最後のホウ・シャオシェン映画出演作となった。ホウ・シャオシェンの新たなミューズはそのまた次の『ミレニアム・マンボ』で主演したスー・チーを待たなければならなかったのである。またホウ・シャオシェン映画の常連で台湾の伝統的人形劇・布袋戯の国宝級名人でもあったリー・ティエンルー(李天禄)の遺作ともなった作品で、この頃がホウ・シャオシェン映画の転換点だったと言えるのではあるまいか。

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バラージ

3.0 【台湾ニューシネマの名匠と謳われた、ホウ・シャオシェン監督の全編に頽廃感が横溢するロードムービー。】

2025年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

■その日暮らしを続けている中年の台湾のチンピラ・ガオ。
 弟分のピィエンはトラブルを起こしてばかりで、彼とその恋人・マーホァの2人がガオの頭を悩ませていた。
 そんな3人は,只、毎日を無為に旅しながら過ごしている。

◆感想

・今から30年前の作品で、年代的に台湾ニューシネマという言葉も知らない。流石にホウ・シャオシェン監督は、名作「冬冬の夏休み」で知っているけれど。

・今作は、当時台湾で大ヒットをしたそうである。独特のタイトルにもあるような倦怠感漂う画はナカナカである。

・ホウ・シャオシェン監督は、長廻しを多用した方だそうだが、今作でも多数のシーンが長廻しで映される。

・ストーリー展開はシンプルで、ラストも唐突に終わる。

<今観ると、その古さを感じてしまう作品。
 冒頭に”チーム・オクヤマ”の名が出るが、奥山氏が組んだ理由が、何となく分かる作品である。当時はこの作風が、斬新であったのだろう。
 もう少し、この監督の「冬冬の夏休み」以外の作品を観てみよう。>

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NOBU

3.5 プロットを追えなかった

2022年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

画の取り方は面白く,プロットに重要になる会話以外の人々の動きや音声を含める特有のやり方だった.
その反面,画面が暗かったり人々が小さく映っているために,移っている人物が誰か,誰が話しているのかが判別しにくい.
自分には結局よくわからないまま終幕してしまった.
集中力の必要な映画だなと.
解説を読み込んでもう一度見たい.

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ケ

4.5 喧騒、音楽、薄闇、街の灯り

2021年5月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

アジアの喧騒、人の声街の生活音がちゃがちゃずっと騒がしく誰かの電話が常に鳴りその喧騒を上書きするようなノイズロックが場面にピタリと重なり憂鬱と焦燥を倍増させる。
とどまろうとするものも逃げ出そうとするものも、閉塞社会の中で行きまどう。
素敵なことは何一つない。
ただただ、ホオシャオシャン監督が撮る台湾の鉄道に、駅に、食事のシーンに感動する。
人は皆何かに囚われて自由に生きられない。死後の神格も、今を楽しく生きることもコネと金次第。時代も場所も違いあれど、ふと我が身を振り返れば等しい憂鬱と焦燥。
残念ながら、劇場満席で見られず。泣く泣く配信でみるがホオシャオシャン監督作品をスクリーン以外で見るのはやはりどうしても間違いだ。ちゃんと見た気にはなれない。

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