ユーモレスク(1946)

劇場公開日:

解説

「女の顔」のジョーン・クローフォードが「ミルドレッド・ビアーズ」でカムバックした次の主演映画で、「海の狼(1941)」「ハリウッド玉手箱」のジョン・ガーフィールドが共に主演する1946年作品で「ジョニー・ベリンダ」と同じくジェリー・ウォルド製作、ジーン・ネグレスコ監督になるもの。原作はサイレント時代に映画化されたファニー・ハーストの小説で「将軍暁に死す」のクリフォード・オデッツがザカリー・ゴールドと協力脚色した。撮影は「まごころ」「愛の勝利(1939)」のアーネスト・ホーラーが指揮、音楽は「断崖」「女性No.1」のフランツ・ワックスマンが作曲した。助演は「アメリカ交響楽」のオスカー・レヴァント「ベニーの勲章」のJ・キャロル・ナイシュ、ジョン・チャンドラー、ルース・ネルソン、リチャード・ゲインズ等である。

1946年製作/アメリカ
原題または英題:Humoresque
劇場公開日:1946年10月

ストーリー

ニューヨークの下町の青物店に生まれたポール・ボレイは、幼時から音楽好きだったが、11歳の誕生日に母からヴァイオリンを贈られると、町のピアノ教師シッド・ジェファースに手ほどきを受け、音楽学校に入るとめきめき上達した。同窓に純情な下町娘ジナがおり、2人はほのかな恋ごころを感じ合いつつ、音楽修業の道にいそしんだが、ポールが20歳をすぎて、ようやく楽才も磨かれたころ、アメリカは歴史的な大不景気に襲われた。ボレイ青物店も苦境に立ち至ったので、ポールは家計を助けるためシッドの紹介で、管弦楽団に職を得た。しかしたちまち指揮者と衝突してとび出し、独創会をやりたいと思ったが無1文では何も出来ない。シッドの勧めでポールは、有閑マダムのヘレン・ライトのパーティで『チゴイネル・ワイゼン』を弾いた。離婚2回、アル中とうわさされる酒癖など、悪名高い美人ヘレンと、純な芸術家ポール・ボレイの眼は、互いに吸いつくように見合った。彼女は音楽マネジャーのバウアにポールの初のリサイタルを催させた。無名の新人がひいた『ユーモレスク』は、批評家に天才の折紙をつけられた。ヘレンはシンフォニーの大指揮者フガーストロンに紹介したので、ポールは演奏旅行に多忙を極めるようになった。1日、休養のためヘレンの別荘に誘われて行ったポールは、彼女の抱擁に身を委ねたが、恋愛一途になれない音楽の『魔』につかれている彼を、情熱のとりこと成しえない不満をヘレンは直覚した。しかし2人の関係を知った母エレスターから非難されると、ポールは烈しく母に盾突いたのであるが、かれんなジナに会えば現在の境地の不純さを痛感するのであった。そしてジナと相対する時に、胸の高鳴る思いになれる自らの心の純粋さを、ポールは我ながらいとおしむのであった。それがヘレンには堪らない。音楽が彼女からポールを奪うだけならまだしも、野暮な小娘がポールの心をつかんでいる。ヘレンは烈しい嫉妬に胸が焼けるような気がする。ヘレンの気持ちを察した良人ヴィクター・ライトは、しょせん彼が妻の心を得る望は永久にないと思いあきらめて、ヘレンと離婚してもよいと申出た。結婚が出来れば、と狂喜したヘレンは、ポールがリサイタルの準備に練習しているホールへ駆けつけた。彼女が訪れたと知れば、直ぐに会ってくれるのが愛人であろうのに、ポールは練習が終わるまで待たせるのだった。彼はすでに音楽と結婚しているのだ!おのれの美しさを信じ、我意とごう慢に心を奪わているヘレンには、これは大きな打撃であった。彼女はすべるようにホールを出て、テディの酒場に駆けこんだ。練習を終わり、夜ふけて泥酔しているヘレンを介抱して連れ帰ったポールは、愛を誓ってようやく彼女を安心させた。しかし、それも束の間であった。彼の母エスターが訪ねて来て言った。貴女は酒に慰めを求めるように、ポールに慰めを求めている。そんな利己的な愛でポールを得ることは出来ない。ポールの愛を独占するのは音楽だけです。ラジオはポール・ボレイ演奏の『トリスタンとイゾルデ』を放送している。ヘレンは音楽にポールを奪われた絶望に沈んだ。彼女はひとり浜辺へ行き、つかれたもののように静かに波の中へ歩みすすんだ。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第19回 アカデミー賞(1947年)

ノミネート

作曲賞(ドラマ/コメディ) フランツ・ワックスマン
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映画レビュー

3.0才能への心酔

2022年2月1日
Androidアプリから投稿

ヴァイオリニストにジョン・ガーフィールドが扮していて あの可愛かった男の子がこんなむくつけき男に…と思ったが 演奏(アイザック・スターン)を聴くと体力勝負の部分も理解 アメリカ交響曲のオスカー・レヴァントも出演 曲が多数使用されていてよかった 女パトロンにクロフォードが扮していて その存在感は感じたが 二人の愛の葛藤みたいなものは いまいち伝わらなかった 原作が1919年のメロドラマというのもあるかな (ヴァイオリン一筋の男がいきなり馬に騎乗出来るのか?) 映画は音と演奏風景の方に重点が移動 曲数と演奏者達の力量のせいだろう それ以外には当時のものらしい映像とかが面白かったです

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jarinkochie

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