モンテカルロ

解説

「ラヴ・パレイド」「山の王者」と同じくエルンスト・ルビッチが監督したオペレッタ映画で、ハンス・ミューラー原作の小説「青き海岸」をもとにし、それにブース・ターキントン、エヴェリン・グリーンリーフ・サザーランド合作の「ムッシュウ・ポーケール」の一節を付加して「ラヴ・パレイド」「レビューのパリっ子」などの脚本をものしたエルネスト・ヴァイダが映画的に脚色したもの。歌詞及び作曲執筆にあたったのは、レオ・ロビン、リチャード・A・ホワイティング、W・フランク・ハーリングの3人で、ヴィンセント・ローレンスがヴァイダを助けて台詞の幾つかを書き、「アイスクリーム艦隊」「ラヴ・パレイド」のヴィクター・ミルナーが撮影を担任している。主役を演ずるのは「巴里(1929)」に出演した英国ミュージカル・プレイの人気俳優ジャック・ブキャナン及び「ラヴ・パレイド」「放浪の王者(1930)」「極楽島満員」のジャネット・マクドナルドで、ほかに「ブルドッグ・ドラモンド」「摩天楼の巨人」のクロード・アリスター、「アルプスの悲劇」「悪魔の日曜日」のザス・ピッツ、「ラヴ・パレイド」「悪漢の唄」のライオネル・ベルモア、「ドノヴァン」のジョン・ローシュ、テイラー・ブルック、アルバート・コンティ、ヘレン・ガーデン、ドナルド・ノヴィス、デイヴィッド・パーシー、エリック・ベイその他が助演している。

1930年製作/アメリカ
原題または英題:Monte Carlo

ストーリー

財産家で美男子の伯爵ルドルフ・ファリエアは賭博王国として名高いモンテ・カルドを訪れた時、1人で同所に来ている伯爵令嬢マラ姫の美しい姿を見初めた。マラ姫はその時ルーレットで大金を失い困っていた。ルドルフは何とかして彼女のそばに近づこうとしたがどうしたものか思いを達することが出来ない。おりから彼女のところへ出入りしている調髪師ポールと知り合ったルドルフは、これ幸いひと事情を明かし翌日から新しい調髪師として彼女の宿へ目通りした。ルドルフはたちまち彼女のお気に入りとなったので彼は折を見て自分の素性を明かし、姫の愛をかち得ようと機会を窺っていた。ところが数週間後、姫はルドルフに、もうこれ以上仕事をたのむことはできなくなったと言い出した。それというのは賭けごとで彼女はすっかり所持金をとられてしまったからである。ちょうどこの時、彼女の婚約者であるオットー・フォン・リーベンハイム侯爵が現れた。実はマラ姫はこのオットーと結婚するのが嫌さに、ところもあろうに結婚式の催された当日、来客いならぶ式場から花嫁衣装のまま召使いのマリアを連れてこっそり逃げ出し、このモンテ・カルロに出たのであったが、彼女を思い切れぬオットーは血眼でその行方を捜索の末、ここまで追って来たのである。金に困っている際とて、若しかしてマラ姫の気が変わり、金持ちのオットーの願いを聞き入れて結婚を承知するかも知れないと見てとったルドルフはその予防策に首をひねった。そして思案のあげく、自分は賭け事には強いタチだから彼女のためにひとつ賭けてみようと話し、マラ姫からとって置きの1000フランを預かった。ルドルフはこうして彼女を連れてカシノへ行く手はずをととのえていたところ、生憎そこへまたオットオが姿をあらわした。で、2人は一緒に賭博場へ行かれなくなり、マラ姫はホテルに残ることになって、ルドルフがひとりで運だめしをすることになった。だが、もともと別に運強い自信もないルドルフはカシノへも行かず、マラ姫には行って来たような顔をして戻って来た。そして10万フランを彼女の前に差し出して、これだけ勝ったと渡した。姫や喜びのあまりルドルフに接吻した。ルドルフは計画図に当たれりと欣喜雀躍したが翌日彼女はまた元の冷たい態度に返り彼を一介の調髪師以上には取り合わなかった。さすがのルドルフもこれには腹を立て、高壓的に姫を捕らえて接吻を強い荒々しく立ち去った。男からこうされたことによってマラ姫の心には初めて異性の魅力というものが了解された。彼女は急にルドルフが恋しくなり、彼に戻ってくれるよう哀願した。ルドルフは断固としてそれを拒絶した。しかし彼は胸中いいようなく嬉しかった。その頃、モンテ・カルロに「ムシュウ・ポーケール」の歌劇が上演されてマラ姫はそれを見物にいくためにルドルフを呼んで調髪したいと思っていた。ルドルフはこれを知りかつその歌劇が今の自分とよく似た筋なので彼女の宿へ赴いたが言葉の行き違いから2人はまた喧嘩し姫は乱れ髪のまま劇場へ赴いた。けれども結局、歌劇を見ている内にルドルフの素性も判明し、姫はついに彼の愛人となったのであった。

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