ベビイドール

劇場公開日:

解説

「エデンの東」のエリア・カザンが「欲望という名の電車」に次いで再びテネシー・ウィリアムズの原作をとりあげ、南部を舞台とし、19歳の貧しい少女と、それを取り巻く2人の男性の愛欲ドラマを描いた。テネシー・ウィリアムズが自ら脚本を書き、撮影は「波止場」のボリス・カウフマン、作曲をラジオ・シティ・ミュージック・ホールのケニョン・ホプキンスが担当した。主演はブロードウェイ出身の新星キャロル・ベイカー(33年生れ)、「波止場」のカール・マルデン、演劇俳優で映画初出演のイーライ・ウォラック。それにミルドレッド・ダンノックなど。

1956年製作/アメリカ
原題:Baby Doll
配給:ワーナー・ブラザース
劇場公開日:1957年4月27日

ストーリー

南部の片田舎のあるボロ屋に奇怪な夫婦が住んでいた。40がらみのアーチイ(カール・マルデン)と妻のベビイドール(キャロル・ベイカー)で、彼女は数日後に満20歳の誕生日を迎え、この日を境に今までの名ばかりの夫婦から、肉体交渉でもアーチイの本当の妻になる約束だった。夫婦は金と愛情のことで、喧嘩口論に明け暮れていたが、アーチイはベビイドールの妖しいセックスの匂いに盲目となり、何とか金をこしらえようと悩み続けた。だが更に困ったことには、シルバ・バケロ(イーライ・ウォラック)と、その親友ロックが始めた新しい紡績機械のため、彼の顧客が荒らされてしまった。その上支払のたまった月賦の家具を家具屋に取り上げられ、アーチイは花嫁を置き去りに悩みを紛らせようとカフェにいくが、カフェは空っぽ。常連はバケロの工場のパーティの大盤振舞に出かけて行ったのである。新しい工場で陽気に騒ぐ光景はアーチイには癪の種だった。が、そのうちバケロの倉庫から火が出、焼け落ちてしまった。やがて倉庫の火事は放火だとの噂がひろがった。ベビイドールは夫が怪しいと思った。一方バケロは、彼が移民だというのでソッポをむく警察に業を煮やし、法か犯人を探すのに夢中になっていたが、種抜機の倉庫が焼けたので棉の仕上げをアーチイに法外な値段で頼みにきた。アーチイはご機嫌で操業にかかろうとしたが、何とこれは彼に大変な不幸をもたらした。彼の留守中、色男のバケロに手もなく陥落したベビイドールは、火事騒ぎの最中、夫が自宅にいなかったことを白状した。帰宅したアーチイは様子が変なので怒り出したが、バケロに証拠を握ったと逆ねじを食わされた。錯乱したアーチイは猟銃を持ち出した。ベビイドールとバケロは木の茂みに隠れたがアーチイは何でも片っ端から銃弾を浴びせた。しかし保安官が駆けつけ、狂気の彼は放火容疑者として連行されて行った。夫を罪に陥れたベビイドールは、どこへ行くのだろうか……。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第14回 ゴールデングローブ賞(1957年)

受賞

最優秀監督賞 エリア・カザン

ノミネート

最優秀主演男優賞(ドラマ) カール・マルデン
最優秀主演女優賞(ドラマ) キャロル・ベイカー
最優秀助演男優賞 イーライ・ウォラック
最優秀助演女優賞 ミルドレッド・ダンノック
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