バラントレイ卿
劇場公開日:1954年2月
解説
「宝島(1950)」「ジキル博士とハイド氏」などの英国作家ロバート・ルイス・スティヴンスの冒険小説『バラントレイ家の長子』(1889年発表)に基づくテクニカラー活劇で1953年英国で製作されたもの。ハーブ・ミードーの脚色から「我れ暁に死す」のウィリアム・ケイリーが監督した。撮影は「アフリカの女王」のジャック・カーディフ、音楽は「オリヴァ・ツィスト」のウィリアム・オルウィンの担当。主演は「壮烈第7騎兵隊」のエロール・フリンで、以下の共演陣は主としてイギリス俳優により固められている。即ち、「老兵は死なず」のロジャー・リヴシー、「マレー・ゲリラ戦」のアンソニー・スティール、「邪魔者は殺せ」のベアトリス・キャンベル、「三文オペラ」のイヴォンヌ・フルノオ、フェリックス・エイルマーなどである。
1953年製作/90分/アメリカ
原題または英題:The Master of Ballantrae
配給:ワーナー・ブラザース日本支社
劇場公開日:1954年2月
ストーリー
1740年、英国王位を追われたジェイムズ2世の孫チャールズ・エドワード・スチュアートは、王位を僣称してスコットランドで挙兵し、イングランドに侵入した。バラントレイ家の長子ジェミー(エロール・フリン)と弟のヘンリー(アンソニー・スティール)は、投銭によって1人は叛乱に参加し、1人は所領を継ぐことを決めることにし、結果はジェミーの叛乱参加と出た。ジェミーは父や恋人アリスン姫に別れを告げてジェイムズ王のもとに赴いたが、叛乱は失敗に帰し、彼は英国軍に追われる身となった。敗軍フランシス・バーク大佐の軍勢に加ったジェミーは秘かにバラントレイに立戻り、ヘンリーやアリスンとジェシー・ブラウン(イヴォンヌ・フルノオ)の小屋で再会した。ジェシーはジェミーにかねてから思いを寄せている女だった。ジェミーはヘンリーにフランスへ亡命するための旅費調達を頼んだが、その夜、連絡場所の海岸で英軍に襲撃され、海中に落ちて死んだものと思われた。しかし、辛くも命をつないだジェミーは再びヘンリーを訪れ、アリスンを奪うために密告したのではないかと詰寄ったが、ヘンリーはアリスンを恋してはいるが密告はしないといった。興奮した2人は決闘するに至り、傷を負ったジェミーはバークに助けられて船にのって英国を離れた。2人は海賊団に加り、トルトガスで他の海賊船を襲って勝ったが、分配のことから船長と争い、これを倒して頭目となってスコットランドへ帰って来た。バラントレイでは丁度ヘンリーとアリスンの婚約披露の最中だったが、忽ち剣戟の場と変り、英軍によってジェミーたちは捕えられて絞首刑に処せられることになった。その夜、ジェミーはアリスンに密告したのは自分だったと白状し、罪ほろぼしにジェミーは脱出させたいといった。ジェシーは首尾よくジェミーを脱出させることに成功、ジェミー、バーク、それにアリスンの3人は新天地アメリカを指して旅立っていった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ウィリアム・キーリー
- 脚色
- ハーブ・メドウ
- 原作
- ロバート・ルイス・スティーブンソン
- 台詞
- ハロルド・メドフォード
- 撮影
- ジャック・カーディフ
- 美術
- Ralph Brinton
- 音楽監督
- ミュア・マシースン
- 録音
- Harold King
- 編集
- ジャック・ハリス
- 作曲
- ウィリアム・オルウィン
- テクニカラー・カラー・コンサルタント
- ジョーン・ブリッジ