バラの刺青

劇場公開日:

解説

「欲望という名の電車」のテネシー・ウィリアムズの戯曲を彼自身が脚色し、「愛しのシバよ帰れ」のダニエル・マンが監督した。撮影 は、「愛しのシバよ帰れ」のジェームズ・ウォン・ホウ、音楽 は、「欲望という名の電車」のアレックス・ノース。主な出演者は、「われら女性」のアンナ・マニャーニ、「ケンタッキー人」のバート・ランカスターを始め「太鼓の響き」のマリサ・パヴァン、「アラモの砦」のベン・クーパーとヴァージニア・グレイ、ジョー・ヴァン・フリートなど。「愛しのシバよ帰れ」のハル・B・ウォリス製作によるビスタビジョン白黒版、1955年作品。

1955年製作/117分/アメリカ
原題または英題:The Rose Tattoo
配給:パラマウント
劇場公開日:1956年4月18日

ストーリー

ニュー・オーリンズの港に近い町。セラフィナ(アンナ・マニャーニ)は、3年前に殺された夫ロザリオの想い出だけに生きていた。ロザリオの胸には真紅のバラの刺青がしてあった。セラフィナは、今ではミシン仕事を唯一の糊口の道にしていたが、シシリアの名家の出身で、だから娘のローザ(マリサ・パヴァン)がアメリカ水兵のジャック(ベン・クーパー)と恋仲なのが我慢ならない。また彼女には娘のほかに、気がかりなことがもう一つあった。バクチ場の女エステルが(ヴァージニア・グレイ)が亡き夫の情人で、その胸にロザリオと同じバラの刺青がある、という噂である。ある日、セラフィナは教会へ行き、神父からロザリオがどんな懺悔をしたことがあるかを聞き出そうとして気狂いのように喚き立てた。困惑した神父はアルヴァロ(バート・ランカスター)という屈強の若者を呼んで、セラフィナを連れて行かせた。アルヴァロと帰宅したセラフィナは彼のシャツが破れているのをみて、つくろってやろうとした。部屋は薄暗く、窓のよろい戸から洩れる夕陽がアルヴァロの胸にあたって、バラの刺青のようだった。彼に亡き夫の面影を見出したセラフィナは、久しぶりに明るく、今夜また来てくれといった。その夜、アルヴァロはセラフィナを喜ばせようとバラの刺青をして来た。だがセラフィナは、エステルの話を思いだし、どうしても真相を知ろうとバクチ場へ出かけた。噂は本当だった。アルヴァロはセラフィナを慰めて、家へ連れて帰った。セラフィナは彼の胸に縋りたかったが、近所の眼をはばかって、後で忍んで来てくれるように頼んで別れた。アルヴァロは酒をあおって来たが、床に倒れて眠ってしまった。セラフィナはシャツを脱がせ、毛布をかけてから自分だけ寝室に入った。そのあとジャックに送られたローザが帰って来たがアルヴァロに気がつかず、ソファに身を横たえた。翌朝、ローザがアルヴァロを見つけて大騒ぎになった。セラフィナの弁明も耳に入らない。しかし、今朝の彼女の気持ちは昨日までとは違っていた。娘にジャックとの結婚を許し、ジャックが迎えにくると快く二人を送り出してやった。戸口に立ったセラフィナは、中庭の向うから呼びかけているアルヴァロに気づいた。彼女が笑って駈け込むと、アルヴァロもポーチに飛び上がった。朝の太陽が彼のたくましい肩を照らし、胸のバラの刺青も赤々と輝いていた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第28回 アカデミー賞(1956年)

受賞

女優賞 アンナ・マニャーニ
撮影賞(白黒) ジェームズ・ウォン・ホウ
美術賞(白黒)  

ノミネート

作品賞  
助演女優賞 マリサ・パバン
編集賞 ウォーレン・ロウ
作曲賞(ドラマ/コメディ) アレックス・ノース
衣装デザイン賞(白黒) エディス・ヘッド

第13回 ゴールデングローブ賞(1956年)

受賞

最優秀主演女優賞(ドラマ) アンナ・マニャーニ
最優秀助演女優賞 マリサ・パバン
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