肉体の遺産
劇場公開日:1960年3月19日
解説
アメリカ南部の野性的な生活をバックにした骨肉愛憎のメロドラマ。新進ウィリアム・ハンフリーのベストセラーをハリエット・フランク・ジュニアとアーヴィング・ラヴェッチの2人が脚色した。監督は「走り来る人々」のヴィンセント・ミネリ、撮影は「七年目の浮気」などのミルトン・クラスナー、音楽は「リリー」などのブロニスロー・ケイパー。出演は、「白い砂」のロバート・ミッチャム、「波も涙も暖かい」のエレノア・パーカーのほか、ジョージ・ペパード、ジョージ・ハミルトン、ルアナ・パットンら。製作エドモンド・グレインジャー。
1960年製作/アメリカ
原題または英題:Home from the Hill
配給:MGM
劇場公開日:1960年3月19日
ストーリー
アメリカ南部。荒野の林の中で、野鴨を待つ狩人たちがいた。リーダーはウェイド・ハニカット大尉(ロバート・ミッチャム)だ。皆が発砲した瞬間、彼を射った者がいた。そばにいたレイフ・コウリイ(ジョージ・ペパード)の機転で左肩を撃たれたにとどまったが、犯人は捕らえられた。ジョン・エリスという若者だ。彼は俺の女房にかまうなと叫ぶのだ。ウェイドは地方きっての大地主で狩猟はうまかったが、女狩りはそれ以上だった。妻ハンナ(エレノア・パーカー)は、新婚旅行から帰ってきた時、女と生まれたばかりの赤ん坊を見せられて以来、夫を許さなかった。息子セロン(ジョージ・ハミルトン)は父親に尊敬と信頼を捧げていた。狩猟の扱い方を教えられ、レイフの指導もあって、腕はあがった。野猪が家畜を荒すと聞き、猪退治を命じた。野宿の朝、セロンは大野猪を仕止めることができた。父は喜び、全町を招く野外パーティを開いた。セロンにとって1番来てもらいたい人は、リビイという少女だった。が、その父アルバート・ホールステッドは許さなかった。恋人たちは森で会い、夜を過ごした。ハンナは息子の恋愛に気づき、夫の過ちをくり返させまいと、夫の1面を告げた。セロンはショックを受け、森のレイフのもとに走った。レイフが彼の異母兄であるとはしらなかったが。彼と一緒に住み、綿工場で働き、家には帰らなかった。母親が心痛から床についた時、やっと帰るが、レイフ以外はだれにも会おうとしなかった。リビイにすらも。彼女はセロンの子を宿していた。1人で悩んだ。レイフはそれを知り、結婚を申し込む。アルバートは喜んで受けた。赤ん坊が生まれた後で、彼はそれがウェイドの仕業だという噂を聞き、怒った。ハンナはセロンのために、自分の誇りと意地を捨てようと思った。ウェイドが彼女を新婚旅行以後はじめて抱いたとき、何者かが彼の胸を撃ち抜いた。駈けつけたレイフに父と子の名乗りもせぬうちに死んだ。セロンは犯人を追い、森の中で射殺したが、それは恋人の父親だった。彼はそのまま町を去った。レイフに一人で道を切り開くといい残して。――丘の上に、ウェイドの墓が立った。レイフはハンナを説き、あの家を出て、リビイや赤ん坊たちと共に新しい生活をめざすことにした。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ビンセント・ミネリ
- 脚本
- ハリエット・フランク・Jr.
- アービング・ラベッチ
- 原作
- ウィリアム・ハンフリー
- 製作
- エドモンド・グレインジャー
- 撮影
- ミルトン・クラスナー
- 美術
- ジョージ・W・デイヴィス
- プレストン・エイムズ
- 音楽
- ブロニスロー・ケイパー
受賞歴
第13回 カンヌ国際映画祭(1960年)
出品
出品作品 | ビンセント・ミネリ |
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