肉体と幻想
劇場公開日:1946年8月1日
解説
夢や幻想の心理的現象が肉体に関連を及ぼす点においてそれぞれ一致したものを持つオスカー・ワイルド、ラスロ・ヴァドナイ、エリス・セント・ジョゼフの3人の短篇小説に基づき、3つの挿話よりなる映画で、製作はジュリアン・デュヴィヴィエとシャルル・ボワイエ、監督はジュリアン・デュヴィヴィエである。出演者はシャルル・ボワイエのほか「ステラ・ダラス(1937)」「母親」のバーバラ・スタンウィック、エドワード・G・ロビンソン、新星ベティ・フィールド、ロバート・カミングス、「駅馬車(1939)」「明日は来らず」「ハリケーン(1937)」等で知られている性格俳優トーマス・ミッチェル等である。
1943年製作/アメリカ
原題または英題:Flesh and Fantasy
配給:セントラル映画社
劇場公開日:1946年8月1日
ストーリー
あるクラブの会員であるドークスは毎夜みる生々しい夢と占師の予言に悩まされた結果、父デーヴィスに相談する。デーヴィスは数冊の怪奇小説を書棚から取り出し、その中の3冊をドークスに読んで聞かせる━━不器量なヘンリエッタは、ある玩具屋で謝肉祭のために魅惑的な女の面を買い求める。彼女は普通の女などには見向きもしない美しい青年マイクルの眼にその面が美しく見えるようにと願う。面の効果はてき面で、マイクルは彼女の後を追い共に踊り狂う。しかし、面を脱ぐ時が来た。彼女は面をとった時の心配でいっぱいだったが、面をぬぐと、彼女の醜い顔は、恋のために面とそっくりの美しい顔になっていた。マーシャル・タイラーは、自分の勢力は確固たるものだとうぬぼれていたので、手相占いに自分の運命の中でいちばん悪いことでも遠慮なく言えと、命じ、彼の手相には殺人の相があると聞かされる。タイラーは若くて美しいロウィーナと結婚することになっていた。占師の予言が他人にはよく当たるのを見て、自分も殺人をせねばならぬと思い、それなら結婚の前に、殺してもいい人物を殺害しようと決心し、結局自分の手相を見た占師を殺してしまう。サーカスの空中曲芸師偉大なるギャスパーは夜毎の夢に悩んでいるその夢は、彼が誤って空中から落ちるとき、美しいブルネットの女が悲鳴をあげる夢なのである。彼は夢見の悪さに危険な曲芸から足を沈う。そして旅に出るが、その途中スタンレイと知り会う。スタンレイこそは彼の夜毎の夢に現われるブルネットの美人だった。彼女への激しい感情はやがて恋となり、彼女もまたギャスパーを愛するようになる。愛情はギャスパーを駆って再び曲芸をしても大丈夫だという確信を抱かせる。しかしもう1つの別の夢が不吉な前兆を示唆する。彼女は宝石泥棒として警官に捕縛される。最後の束の間の会見の時、ギャスパーは彼女の刑期の終った晩、また彼女を探し出す機会を待っていると彼女に告げる。