月は我が家

解説

「薔薇はなぜ紅い」「お人好しの仙女」のマーガレット・サラヴァンが「東への道」「恋の歌」のヘンリー・フォンダと「愛と光」「ハアさんの捕物長」のチャールズ・バターウォースを相手に主演する映画で、フェイス・ボールドウィンの小説をイザベル・ドースンとボイス・デゴウが協力脚色し「ロバータ」「本人出現」のウィリアム・サイターが監督に当たり、「青春争覇戦」のジョセフ・ヴァレンタインが撮影したもの。助演俳優は「南風」のビューラ・ボンディ、「心の緑野」のヘンリエッタ・クロスマン、「東への道」のマーガレット・ハミルトン、「バーバリー・コースト」のウォルター・ブレナン、「人生は42から」のルシアン・リトルフィールド、「小牧師(1934)」のドロシー・スティックニー、ブランドン・ハースト等である。

1936年製作/アメリカ
原題または英題:The Moon's Our Home

ストーリー

チェリィ・チェスターは名家の生まれで一夜にしてスターになった映画女優であった。彼女のわがままな気の強さには、秘書のボイス女史もほとほと持て余すときが多かったが、しかし根は男みたいにサッパリした気性だったのである。スターの例に洩れず、色々なスキャンダルが噂に上るので、祖母のルシィは彼女の身の上を心配して、名門のホレスと結婚させるため、危篤の偽電報でハリウッドからニューヨークへ呼び返した。その汽車に有名な旅行小説家アンソニー・アンバートンが乗っていたが、チェリィは小説家など眼目になかったしアンソニーは映画なんか大嫌いなので、お互いに部屋に閉じこもって顔も合わせなかった。チェリィはニューヨークで偶然のことからジョン・スミスという男と知り合いになり、ホレスとの結婚を避けるため、行方をくらましてスミスの行っているムーンソケットという田舎へ遊びに行った。彼女はスミスには本名のセーラ・ブラウンと名乗ったが、二人は恋に落ちて結婚した。しかしスミスとは実はアンソニー・アンバートンの本名であることを彼女は気づかなかったし、彼の方でもセーラが映画女優チェリィであることは知らなかったのである。アンソニーはチェリィの常用する香水が大嫌いで新婚の旅宿で喧嘩が起こり、二人は別々にニューヨークへ帰った。だが別れてみるとお互いに恋しくなりチェリィはジョンの行方を調べたが判らず、アンソニーもニューヨーク中のセーラ・ブラウンという女を調べたが判らなかった。そのうちにアンソニーは旧友のホレスに会いホレスは婚約披露会に彼を招待した。その席でアンソニーは初めてセーラの身分を知り、ホレスの許婚であることを知って彼女を離婚する決心をした。しかし彼はチェリィを諦められなかった。そしてアンソニーから事情を聞いたルシィの計らいで、彼はホレスと旅行しようとしているチェリィを強奪したのであった。

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