追憶(1941)
劇場公開日:1946年8月
解説
「乗合馬車」「ホワイト・シスター(1923)」の昔から我国にお馴染みで最近も「バアナデッドの唄」「ステイト・フェア」等でさかんな活躍ぶりを示しているヘンリー・キングの監督になる情味豊かな作品。「淑女と拳骨」のクローデット・コルベールが主演し、「銀嶺セレナーデ」等に出演しているラジオ界出身のジョンペインが、相手役を演じ、「嘆きの白薔薇」でコロンビア社に借りられた二十世紀フォックス社の新人で舞台出身のジョン・シェパードが助演する。撮影は、「熱砂の舞」「目覚め」等の古豪ジョオジ・バアンズである。
1941年製作/アメリカ
原題または英題:Remenber the Day
配給:セントラル映画社
劇場公開日:1946年8月
ストーリー
1941年、ワシントンのメイフラワー・ホテルは大統領選挙を控えて、有望候補者デュイー・ロバートの演説晩餐会にゴッタ返している。この騷ぎの中へ、1人の老婦人がロバートに面会を求める。この老婦人は25年前の昔、大統領候補の初等学校時代に教ったノーラ・ツリネル先生であった。ツリネルは今この教え子の出世を思うにつけ思い出されるのは、過ぎし25年の過去と、心の傷手であった。思いは1916年の昔、ここオーバン初等学校の教室、ツリネル先生は、シェクスピアの「真夏の夜の夢」を深刻に児童の頭に植えつけんと、土曜の午後、劇場に行くことを児童に提案するが、既にホプキンス先生によって野球の試合が決定しているので、生徒のデュイやデュイを支持しているケティ等が反対する。野球試合当日、デュイは右膝をくじいて床に就く。ツリネル先生とホプキンス先生それにケティは毎日病床のデュイを見舞い、顔を合せる機会が多くなるうち、ホプキンス先生は、ツリネル先生に対していつしか熱烈な恋愛を感じる。ホプキンスは夏期休暇をツリネルと一緒に送ろうとして彼女を誘うが、教職を重んずるツリネルは、女教師フライスと共にウイロー・スプリングへ出かける。がホプキンスも付近の農園に来ていて、2人は楽しい休暇を送った。2人がデュイに送った絵葉書から、行動を共にしたことが校長に知れ、ホプキンスは禍のツリネルに及ぶことを恐れて辞職しシカゴに行く。今ははっきりとホプキンスを愛しているツリネルは彼の許へ電報を打つが、計らずも出征前2週間の休暇で軍服姿のホプキンスが会いに来る2人は急きょ結婚し夢のような2週間を送る。やがて帰隊の日が来た。ホプキンスはツリネルに別れを告げるべく学校に行く。ところが学校中で評判になっている2人の話題に憤慨したデュイは、ツリネル先生に対する思慕の情も一蹴し、父の母校へ入学すべく準備をする。これを知ったツリネルはデュイに会い種々説明をして和解する。そしてデュイの願いによって駅へ見送りに来るが、その汽車で出発するホプキンスともあわせて涙の別れをしたのだった。ツリネルは追想からフトに返り、このホテルでボーイをしている教え子の取計いで、ロバート氏の部屋へ案内される。ツリネルは同じく教え子のケティがロバートの妻であることに更に驚き、ホプキンス先生のことを尋ねられたツリネルは、彼がフランスへ征ったきり帰って来なかったことを話す。やがて演説の時間が迫った。壇場のロバート氏は鳴りも止まぬ満場の大喝采を浴びている。ツリネル先生の目にはうれし涙が光っていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ヘンリー・キング
- 脚色
- テス・スレシンジャー
- フランク・デイビス
- アラン・スコット
- 原作
- Phillo Hiigroy
- フィリップ・ダニング
- 製作
- William Pearlberg
- 撮影
- ジョージ・バーンズ