ダンテ地獄篇(1924)
解説
イタリアの詩人ダンテの書いた地獄篇を主として、これにサイラス・ウッド氏の現代の物罪を挿入して作られた映画で、「海底の大宮殿」を監督したヘンリー・オットー氏が監督したもの。主役は現代篇では「メールマン」「危険信号」等出演のラルフ・ルイス氏、「驀進列車」「田園懐かし」等出演のポーリン・スタータ嬢、「金色の嵐」等出演のウィリアム・スコット氏等。地獄篇では「漂泊するオランダ人」に主演するローソン・バット氏がダンテに扮し、ハワード・ゲイ氏がヴァージルに扮している。現世の宿業のため地獄に堕ちて悪鬼に虐まれる罪人達のシーンは全裸体の男女が数百人現れ、殊にクレオパトラが淫蕩の罪によって苛責せられる場面等は彼女の全盛時代のシーンを挿入して裸体美を遺憾なく発揮しているが、恐らく検閲の際カットされる事であろう。しかしこの映画そのものはあくまで美術的の立場から撮影されて卑俗のシーンは少しもない。
1924年製作/アメリカ
原題または英題:Dante's Inferno
ストーリー
富豪モーティマ・ジャッドは独力で今日の富を築いたのを誇りとして、事前なことには見向きもしない。我が子アーネストが看護婦マージョリーとの恋も許さなかった。隣家のユージーン・クレイグは破産に瀕した時ジャッドの助力を求めたが、これも直ちに拒絶された。クレイグは呪の言葉を記したダンテの地獄篇をジェッドの許へ送る。ジャッドはその書物を読んで、現世に罪業を重ねた人々が、死後地獄に堕ちていかに苦しめられるかを知った。そして彼は恐ろしい夢のうちに、自分が死刑に処せられて地獄に堕ちる姿を見た。醒めた後の彼は別人となって、一家も幸福になるし、隣りのクレイグ父娘も窮境を救われた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ヘンリー・オットー
- 脚色
- エドマンド・グールディング
- 原作
- サイラス・ウッド