戦略空軍命令

劇場公開日:1955年7月14日

解説

「グレン・ミラー物語」同様、主演ジェームズ・スチュワート「ララミーから来た男」=ジューン・アリソン「もず」、監督アンソニー・マン「ララミーから来た男」、脚本ヴァレンタイン・デイヴィース「トコリの橋」、テクニカラー色彩撮影ウィリアム・ダニエルス「もず」のチームによる色彩航空軍事映画でサミュエル・J・ブリスキンが製作した1955年作品である。原作は「頭上の敵機」のバーン・レイ・ジュニア、脚色はデイヴィスとレイ・ジュニアの共同である。音楽は「野性地帯」のヴィクター・ヤング。共演者は「第八ジェット戦闘機隊」のフランク・ラヴジョイ、「幌馬車隊」のバリー・サリヴァン、「ララミーから来た男」のアレックス・ニコル、「突然の恐怖」のブルース・ベネット、ジェイ・C・フリッペン、ジェームズ・ミリカンなど。

1955年製作/112分/アメリカ
原題または英題:Strategic Air Command
配給:パラマウント映画会社
劇場公開日:1955年7月14日

あらすじ

セント・ルイス“カーディナルス”の名三塁手ロバート・ホーランド(ジェームズ・スチュワート)は、フロリダ州タンパでシーズン前のトレイニング中、米国空軍のラルフ・キャスル少将の訪問をうけ、新しく出来たSAC(空軍戦略部隊)に参加をすすめられた。第二次大戦中、名飛行士として活躍したホーランドは、野球に未練を感じていったんは断わろうとしたが原爆を運ぶSACは平和を守る部隊だと説得され、入隊を決意した。SACはテキサスのフォート・ワースにあり、召集期間は21カ月。21カ月の長い軍隊生活はその後の野球生活を断念することを意味したが、彼は新婚の妻サリー(ジューン・アリソン)とともにテキサスへ行った。フォート・ワースのカースウェル飛行場で、ホーランドはサムフォード中佐(バリー・サリヴァン)の指導をうけてB36を操縦することになった。アラスカまでの無着陸往復飛行など、烈しい訓練ののち、彼は機長に昇進し、サリーに赤ん坊が生れるというとき、グリーンランドのシェリーに耐寒試験飛行をすることになった。もう少しでシェリー到着というとき、B36は突如火を発し、部下を落下傘で避難させたのち、彼とノーランド大尉(アレックス・ニコル)は吹雪の中に不時着した。2日後、2人はヘリコプターに救出され、ホーランドはシェリーの基地で自分が女の子の父になったことを知らされた。フォート・ワースに戻って来た彼はタンパ転任を命ぜられ、大佐に昇進した。召集期間も終わりに近づいていたが、ホーランドは新型機B47の副機長に任命された。召集解除間近いころ、彼は日本まで7400マイルの試験飛行を行うことになったが、これは彼を現役に止めておきたいと思うSAC部隊長ホークス将軍の発案であった。しかし、ホーランドはグリーンランド不時着の際にうけた首の傷が悪化し、飛行機の操縦が不可能となった。ホーランドは除隊したが、首の負傷のため野球に戻ることもできなかった。彼の新生活の第一歩は、愛するカーディナルスの監督になる日を夢に見て、マイナー・リーグ“コマハ”の監督になることであった。

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受賞歴

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映画レビュー

3.5 「戦略空軍命令」'50年代航空映画の白眉

2026年1月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1950年代に作られた航空映画のベストだ。「戦略空軍命令」と言う物々しいタイトルとは裏腹でこの映画に戦争シーンは一切登場しない。冷戦時代の戦争映画なのである。
この映画の主人公(ジェームズ・スチュワート)は、ベテランのメジャー・リーグの投手でありながら、第二次世界大戦中に空軍で活躍していたことを理由に、再度空軍に召集されることとなり、 当時の最新鋭の戦略空軍爆撃機であるB36やB47を操縦して、 日々アラスカ州上空までの日帰り偵察飛行や太平洋を横断し日本の横田基地までのノンストップ長距離飛行と言ったストレスの募る任務を課されることとなる。映画は主人公の視点から見た当時の戦略空軍における任務の数々を克明に描き出しているが、それだけではなく、 夫以上とも言える心の重圧に耐えながら基地エリア近くの自宅で絶えず夫の無事を祈りながら帰りを待つ健気な妻(ジューン・アリスン)の日常生活をも彼女の視点から丁寧に描いており、 通常の戦争映画とはかなり趣きが異なった作品に仕上がっている。
アメリカ映画史上、最も暖かみが有り、 且つ一番呼吸の合ったベスト・カップルと言えば、 誰もが真っ先にスチュワートとアリスンによる夫婦役を思い浮べるだろう。
既に「甦る熱球 ('49米=MGM、監督/サム・ウッド)」と「グレン・ミラー物語 ('53米=ユニヴァーサル、監督/アンソニー・マン)」という2本の名作で同じく素晴らしい夫婦役を演じた二人にとっての3本目の共演作でもあり、映画を観ている観客にとっては前記2本の名作が存在するが故に作られたとしか思えない本作における二人のさりげない日常生活の一瞬一瞬に立ち会えるだけで幸福であると言える。
この映画の航空シーンはと言えば、ヴィスタヴィジョン=テクニカラーの超高画質による実機を使用しての迫力有る空中撮影に満ち溢れており、その素晴らしさはとても言葉では言い尽くせない。特に美しい照明を施したスタジオ・ショットを巧みに織り混ぜ、そこにヴィクター・ヤングによる抒情味タップリのメロディが被さるB36のアラスカへの飛行シーンは溜息が出るほど美しい。普通の戦争映画における爆撃機の飛行シーンと言えば、ひたすら物騒としか言いようが無いのだが、この信じられない程の巨体を有したB36の飛行シーンが、 これ程までに美しく感じられること自体が、"非戦争時代の戦争映画"であることを改めて感じさせられた次第です。蛇足ですが飛行機好き、スケールモデル・ファンにとっても必見の映画であります。

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ナオイリ

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