南海征服(1935)
劇場公開日:1938年5月26日
解説
「噫無情」「白い蘭」のチャールズ・ロートンと「妻と女秘書」「支那海」のクラーク・ゲーブルとが主演し、「カヴァルケード」「彼女の家出」のフランク・ロイドが監督にあたった映画である。原作はチャールズ・ノードッフとジェームズ・ノーマン・ホール合作の小説で、タルボット・ジェニングスが「支那海」のジュールス・ファースマン、「シーコウヤ」のケイリー・ウイルスンと協力脚色した。カメラは「無限の青空」「肉体」のアーサー・エディソンが主任である。助演俳優は「青春の抗議」「男子牽制」のフランチョット・トーンを初め、「孤児ダビド物語」のハーバート・マンディン、「ニューヨーク・ハリウッド」のエディー・クィラン、「巨人ジョーンズ」のダッドリー・ディグス、「支那ランプの石油」のドナルド・クリスプ、「米国の機密室」のヘンリー・スチヴンスン、原住民女のマリヤ及びマモその他である。尚、ロケーション撮影はカタリナ群島で行われた。オリジナルは13巻(132分)だが検閲により9巻に短縮、邦題も「戦艦バウンティ号の叛乱」の“叛乱”が問題となり「南海征服」となった。1952年「戦艦バウンティ号の叛乱」に改題、オリジナル版で公開された。
1935年製作/132分/アメリカ
原題または英題:Mutiny on the Bounty
配給:MGM支社
劇場公開日:1938年5月26日
ストーリー
1787年イギリスの軍艦バウンティ号はパンの木1000本を得る使命を帯びて南海タヒチ島に向かって出帆した。乗組員の中には全員の信頼を受けている一等運転士クリスチャン、初めて航海する候補生バイアム、強制的に徴収されたコックのスミスや水平エリソン等がいた。艦長ブライは音に聞えた峻厳苛酷な人間で乗員一同は鬼のように彼を恐れていた。その上彼は艦長の地位を笠に一同を刑罰と過重な労働によって苦しめるだけでなく、反面私利私欲のために乗員の食料までも犠牲にして帳簿をごまかしていた。クリスチャンはその帳簿に署名することを拒んだ。しかしブライは上官の命令は絶対であると強制的に署名させた。険悪な空気の中にも往航は無事に済んでバウンティ号はタヒチに到着し、バイアムはタヒチ語の辞書編集のため酋長ヒチヒチの宅に滞在し島の美しい娘モヴィタと親しくなった。クリスチャンは1日上陸し酋長の孫娘マイミティと恋に落ちた。船はパンの木を積み込むと帰途に就いた。しかしブライの暴虐は日毎に重なって、クリスチャンを始め水兵達はついに敢然と立ってブライとその一味をボートに乗せて海上に追い、バウンティ号を乗っ取ってタヒチに取って帰した。バイアムはクリスチャンの反乱を止めたが、一室に閉じ込められたまま共にタヒチに帰った。しかし、ブライの驚くべき執念はボートによって大海を乗り切りイギリスに帰国した。彼は再び軍艦バンドラ号に便乗し叛徒の逮捕に向かった。反乱隊と取り残された軍律派の少数は2年余りタヒチ島で生活した。クリスチャンはマイミティと、バイアムはモヴィタと結婚した。バンドラ号が到着した時クリスチャンは機先を制してバウンティ号に部下とその家族を乗せて逃走した。軍律派のバイアム以下数名と命を賭して帰国を望む叛徒の一部だけがパンドラ号に収容された。ブライは彼等を監禁してバウンティ号の後を追ったが、パンドラ号はついに座礁沈没して追跡は打ち切られた。イギリスでは軍法会議が開かれた。ブライの峻厳な求刑によってバイアム以下全部絞首死刑を宣せられたが、彼等の無罪を信じる上官連の嘆願によって叛徒以外は釈放され、再びイギリス海軍のために命を捧げることになった。以後イギリス海軍は上下一致して国事に盡す真の海軍精神を樹立した。一方、クリスチャン一行は、タヒチから2千キロ離れた乗る無人島ピトケアンに着くと、見つからないようにと船を燃やし、新たなユートピアを築くのであった。
スタッフ・キャスト
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Gartain_Blighチャールズ・ロートン
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Christianクラーク・ゲーブル
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Byamフランチョット・トーン
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Smithハーバート・マンディン
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Ellisonエディ・クィラン
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Bacchusダドリー・ディッグス
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Burkittドナルド・クリスプ
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Sir_Joseph_Banksヘンリー・スティーブンソン
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Captain_Nelsonフランシス・リスター
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Mrs._Byamスプリング・バイントン
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Movitaマリア
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Mainitiマモ
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Maggsイアン・ウォルフ
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Morganアイヴァン・シンプソン
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Firverデウィット・ジェニングス
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Musprattスタンリー・フィールズ
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Morrisonウォーレス・クラーク
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Haywardヴァーノン・ダウニング
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Tinklerディック・ウィンスロー
受賞歴
第8回 アカデミー賞(1936年)
受賞
作品賞 |
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ノミネート
監督賞 | フランク・ロイド |
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男優賞 | クラーク・ゲーブル |
男優賞 | チャールズ・ロートン |
男優賞 | フランチョット・トーン |
脚色賞 | タルボット・ジェニングス ジュールス・ファースマン ケイリー・ウィルソン |
編集賞 | マーガレット・ブース |
作曲賞 | ハーバート・ストサート |