女性の反逆
解説
「乙女よ嘆くな」「男装」のキャサリン・ヘップバーンと「愛情無限」「晩春」ハーバート・マーシャルが主演する映画で、ネッタ・サイレット作の小説を「一対二」「愛情無限」のアンソニー・ヴェイラーと「メリイ・ウイドウ(1934)」「白い蘭」のエルネスト・ヴァイダが協力脚色し、「トップ・ハット」「艦隊を追って」のマーク・サンドリッチが監督にあたり、「乙女よ嘆くな」「聖林裸道中」のロバート・デグラスが撮影した。音楽指揮は「有頂天時代」のナサニエル・シルクレットの担当である。助演者は「嵐の三色旗」のエリザベス・アラン、「支那ランプの石油」のドナルド・クリスプ、新人ドリス・ダッドリー、「幻の合唱」のデヴィット・マナース、新顔のヴァン・ヘフリン、「脱線僧正」のルシル・ワトスン等の面々である。
1936年製作/アメリカ
原題または英題:A Woman Rebels
ストーリー
ヴィクトリア女皇治世の中期、ロンドンにほど近い郊外に判事シスルウェイトは母を失った2人の娘を養育していた。妹のフロラは気の弱い優しい娘で、厳格な父におそれ従っていたが、姉のバメラは女性も男性と同じ権利と能力を持つべきだと信じて、父が読むことを禁じた自然科学書などを読み、必ずしも父の命令には服しなかった。フロラは海軍中尉アラン・フリーランドと結婚した。バメラはジェラルド・ウェアリングという青年に好意を寄せ、一夜彼にすべてを許した。ところがジェラルドはパリである女と結婚していた。それを告白されるとバメラは即刻ジェラルドと絶交したが、彼女は既に彼の子を宿していた。父の目をおそれたバメラはイタリアにいるフロラとアランの許へ赴いた。そこで彼女は若き外交官トーマス・レインと会ったが、直ちに彼はパリへ転任した。フロラも妊娠していたが、アランが航海中殉職したという知らせに接して卒倒し、胎児とともに死んでしまった。バメラは1女を産み、フロラの娘として育てることとし、名もフロラとつけた。彼女が英国へ帰る時、たまたま暇を得てレインはカレーから彼女と行を共にした。バメラは父の邸には帰らず、ロンドンで働くこととした。幾日も探してようやく1婦人雑誌社に職を得た。レインは彼女を愛し求婚した。彼女も彼を好ましく思ったが、彼女の姪フロラの素性が知れたら、外交官としてのレインの公生涯が破滅となることをおそれ、結婚を拒絶した。バメラは雑誌に婦人問題の論説を書いたが、それが大評判となって、雑誌の売れ行きが激増した。そしてやがて彼女自身が出版者となって1雑誌社を経営する様になった。フロラが18歳となった時、レインはまたバメラに求婚した。バメラは初めて彼に結婚できぬ理由を告げたがレインは愛に変わりはないと誓った。バメラはしばらくり猶予を乞い、レインはイタリアへ赴任した。ところがフロラは奇しくもジェラルド・ウェアリング第2世と恋に陥った。驚いたバメラはゲイソーン卿となっているかつてのジェラルドと会い、2人の中を割くことを頼んだ。ゲイソーン令夫人は離婚を望んでいたので、バメラが夜半女と会ったことを理由に離婚訴訟を起こした。公判廷でフロラを守るためにバメラは沈黙を守った。その結果、ゲイソーン夫人は勝訴し、バメラは操無き女の刻印を受けた。新聞でかくと知ったレインは、スイスに失恋の痛手を癒しているフロラを訪ねて、すべてを打ち明け、連立ってロンドンへ帰った。かくてバメラはトーマス・レイン夫人となったのである。
スタッフ・キャスト
- 監督
- マーク・サンドリッチ
- 脚色
- アンソニー・ベイラー
- エルネスト・バイダ
- 原作
- ネッタ・サイレット
- 撮影
- ロバート・デ・グラス
- 音楽
- ナサニエル・シルクレット