シラノ・ド・ベルジュラック(1950)

解説

エドモンド・ロスタンの著名な原作を、トーキー以来始めて、「チャンピオン」のスタンリー・クレイマーが映画化した1950年作品で、監督は舞台出身のマイケル・ゴードン。「チャンピオン」と同じく、脚色にはカール・フォアマン、撮影にはフランク・プラナー、音楽にはディミトリ・ティオムキンが当る。主演者はこの作品でオスカアを得たホセ・ファラア、新進メイラ・パワアズ、「秘境」のウィリアム・プリンスで、モーリス・カーノフスキー(「ゾラの生涯」)、ラルフ・クラントン、ロイド・コリガンらが助演する。

1950年製作/アメリカ
原題または英題:Cyrano de Bergerac

ストーリー

17世紀中葉の巴里。近衛騎士シラノ・ド・ベルジュラック(ホセ・ファラア)は、文武ともに比類なき才人だったが、生まれつき人並みはずれた大鼻の持ち主で、その上権力と虚栄を罵倒する辛辣な言辞は多くの敵を作り、貴族でありながら貧窮に甘んじていた。彼は従妹のロクサアヌ(メイラ・パワアズ)を深く愛していたが、醜い容貌を恥じて打ち明けられず、かえって彼女からシラノと同じ隊の美男クリスチャン(ウィリアム・プリンス)との恋のとりもちを頼まれる仕儀となった。彼の計らいで2人は恋を語るようになったが、口下手なクリスチャンは愛の言葉をシラノから教えられた通り彼女に語り、彼女はその言葉の美しさの方に惹かれるのであった。仏西戦争が起こり、出征の前夜クリスチャンはロクサアヌと結婚した。戦場でも、シラノは秘かにクリスチャンの名前でロクサアヌ宛の恋文を毎日書き送り、感激した彼女が戦場にクリスチャンを訪ねて来たので、彼は初めてシラノの真実の心を知り彼女への愛を打ち明けるよう勧めたが、偶々クリスチャンが戦死して、嘆き悲しむ彼女の姿を見ては、シラノは打ち明けかねたのだった。14年経って、クリスチャンを諦め切れないロクサアヌは、未だに尼僧院で喪に服し、毎週訪ねて来るシラノと彼の思い出を語るのが唯一の楽しみであった。ある日シラノは卑怯な反対者の不意打ちで頭に瀕死の傷を負い、傷を隠してロクサアヌを訪ね、昔クリスチャンの名で送った手紙の1節を夢見る様に暗誦した。ロクサアヌは初めてすべてを悟り、シラノの愛情に気づいたが、彼は苦しい息の下から、尚も否定するのだった。彼は最後まで世の権力と虚栄を罵りながら倒れ、彼女は息を引き取った彼の体にすがって泣き伏すのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第8回 ゴールデングローブ賞(1951年)

受賞

最優秀主演男優賞(ドラマ) ホセ・ファーラー

ノミネート

作品賞  
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