シャイヨの伯爵夫人

劇場公開日:

解説

ひとりの老女を中心とする寓話的ストーリーから、社会悪への憤りと平和への願いを謳った作品。製作はエリイ・ランドー、監督は「キング・ラット」のブライアン・フォーブス。ジャン・ジロドゥの戯曲「シャイヨの狂女」を、アカデミー賞を2度受賞している「ベケット」のエドワード・アンハルトが脚色。撮影は「バーバレラ」のクロード・ルノワール、「地上より永遠に」と「俺たちに明日はない」で2度のアカデミー賞に輝くバーネット・ガフィが共同担当。美術はジョルジュ・プティトー、音楽はマイケル・J・ルイス、衣装はロジーヌ・ドラマールがそれぞれ担当。出演は「冬のライオン」のキャサリン・ヘップバーン、「5つの銅貨」のダニー・ケイ、「黄金線上の男」のユル・ブリンナー、「ウィル・ペニー」のドナルド・プレザンス、「八十日間世界一周」のシャルル・ボワイエ、「魂のジュリエッタ」のジュリエッタ・マシーナ、「ラブド・ワン」のマーガレット・レイトン、「ニューヨーク泥棒結社」のエディス・エバンス、「人間の絆」のナネット・ニューマン、「華やかな情事」のリチャード・チェンバレン、「モダンミリー」のジョン・ギャビン、「愛の調べ」のポール・ヘンリード、「殺しへの委任状」のオスカー・ホモルカなど。

1969年製作/アメリカ
原題:The Madwoman of Chaillot
配給:ワーナー
劇場公開日:1970年6月27日

ストーリー

現代、パリの一角に“シャイヨの狂女”と呼ばれるオーレリア伯爵夫人(キャサリン・ヘップバーン)が住んでいた。彼女の心の中には、古き優雅な時代のパリがあり、彼女は毎日その中で生活しているようなものだった。彼女には、空想のペット犬ディッキーをいつもつれて歩いているコンスタンス(マーガレット・レイトン)、無邪気なガブリエル(ジュリエッタ・マシーナ)、死んだウィルソン大統領を待ちこがれているジョゼフィーヌ(エディス・エバンス)という3人の親友がいた。もちろんパリには陰謀家たちもたくさんいた。水爆の使用を部下にすすめる将軍(ポール・ヘンリード)、コンピューター・マンと手を組んで、株式史上を大混乱におとし入れようとたくらむ会長(ユル・ブリンナー)と仲買人(シャルル・ボワイエ)、ソ連人民委員(オスカー・ホモルカ)、あやしげなアメリカ人牧師(ジョン・ギャビン)、国籍、職業は違っていても、私利私欲にかたまった彼らは、キャフェ・フランシスというコーヒー店にいつも集まり、希代のヤマ師(ドナルド・プレザンス)の新しい情報を待っていた。そして彼から、パリ市の地下に無尽蔵の石油がねむっている、と聞いた彼らは、たちまちユウレイ会社を設立、一大発掘事業にとりかかった。一方、ヤマ師には過激な反戦主義者の甥ロドリック(リチャード・チェンバレン)がいたが、その彼がある日、セーヌに身投げをした。助けられた彼を見た伯爵夫人は、この男こそキャフェ・フランシスのウェイトレスのイルマ(ナネット・ニューマン)にぴったりだと考えた。伯爵夫人が陰謀家連中のたくらみを知ったのは、このロドリックに口からであった。そこで彼女は、3人の親友の他、シャイヨの名物男で、もと考古学者の屑屋(ダニー・ケイ)や町の仲間を集め、インスタント裁判を開き、彼らの撲滅をとりきめた。伯爵夫人の口車にのせられ石油ひとり占めの夢を抱き、彼女の家の地下室へ降りていった彼らは、全員地下室に閉じ込められてしまった。もう陰謀家たちが地上に姿を現すことはあるまい。いまは互いに愛しあうようになったロドリックとイルマをやさしくみつめながら、彼女の瞳には、新しい時代への希望が光っていた。

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