沙漠の朝

解説

「流行の女王」「限りなき旅」のケイ・フランシスと「緑の灯」「進め龍騎兵」のエロール・フリンとが主演する映画で、「青春の抗議」と同じくレアード・ドイルが脚本を書卸し、「科学者の道」「白衣の天使」のウィリアム・ディーターレが監督に当たり「大森林」「科学者の道」のトニー・ゴーディオが撮影したもの。助演者は「母の素顔」「白衣の天使」のアイアン・ハンターを筆頭に、「間奏楽」ノフリーダ・イネスコート、「限りなき旅」のハーバート・マンディン、「嵐の三色旗」のビリー・ビーヴァン等である。

1937年製作／アメリカ
原題または英題：Another Dawn

ストーリー

スーダンの砂漠地帯の都ディカットに英国守備隊があった。隊長ジョン・ウィスター大佐と副隊長デニイ・ローク大尉は無二の親友である。大尉の娘グレースは秘かにウィスターを恋しているが、大佐はただ優しく兄のように愛してくれるだけだ。彼は休暇を貰って大尉に指揮を命じ英国へ出帆した。船中でウィスターは米国の女性ジュリアと知合になり、いたく心を惹かれた。彼女はある有名は飛行家と婚約したが、婚約者はあるとき愛機と共に行方不明となって以来、外の男は愛することができなくなったと、ロンドンで求婚した時にそれを断った。守備隊近くの国境に暴動が起こったので、直ちに帰隊せねばならぬウィスターは出発の晩にもう一度ジュリアに求婚し、故人への愛情を抱いたままでも自分を尊敬してくれさえすればと告げた。彼女はそれを受入れて新婚の夫婦はディカットへ着いた。グレースは失恋の痛手を秘してなにくれとなく花嫁を親切にした。数週間国境では小競合が続いた。その間にジュリアは亡き婚約者に似ているロークに恋を覚えるようになる」り、二人は愛し合う仲となるに至った。心苦しく思った彼は他の集落へ転任を決心したが、その日に町を流れる川の上流を暴徒が止めてしまった。この水がなくては部隊に保護される原住民たちは一日も生きて行けない。何日も費して徒歩で行っては間に合わないのだ。隊には古びた飛行機が一台ある。ウィスターはそれで飛ぼうと言った。操縦できるのは彼とロークの二人だ。しかもこの飛行機では絶対に帰還は不可能なのだ。貨幣の裏表に運命を賭けロークが行くことに決まった。彼はジュリアに会って最後の別れを告げた。すると突然外でプロペラの響きが聞こえた。急いで飛出してみると飛行機はもう空に舞い上がっていた。こっそりウィスターが操縦して出発したのだ。数時間後に国境から無電が報ぜられた。爆破され、飛行機は墜落した。ジュリアとロークはしっかりと相抱きつつこの悲壮な無電を聞いていた。