キートンの歌劇王
劇場公開日:1932年12月31日
解説
「キートンの恋愛指南番」「ニューヨークの歩道」と同じくパスター・キートン主演映画で原作はサタデイ・イヴニング・ポスト誌に連載されたクラレンス・バディントン・ケランドの小説「脚光」Footligts、をれをラルフ・スペンスとローレンス・E・ジョンソンの二人が映画脚本にまとめ「キートンの決死隊」「恋愛放送局」のエドワード・セジウィックが監督し、「秘密の6」「太平洋爆撃隊」のハロルド・ウェンストロムがクランクした。助演者は「河宿の夜」のジミー・デューラント、ルース・セルウィン、「いんちき商売」のせるま・とっど、ヘッダ・ホッパー・ウィリアム・パウレイ、シドニー・トーラー、ローレンス・グラント、ヘンリー・アートメッタ、エドワード・プロフィー等。
1932年製作/82分/アメリカ
原題または英題:Speak Easily
劇場公開日:1932年12月31日
ストーリー
ピッツ大学の教授チモレオン・ザンダース・ポストは奇癖の持ち主で学生間で常に話題の種となっていた。ある日、彼は思いがけなくも百万ドルの財産を相続する身の上となり、自分ながら驚いてしまった。その時、健康でないとの理由で教頭から免職されたのを機会に広く人世を観察する意気込みで街頭に乗り出した。彼はニューヨークへ向かう途上、御難つづきで潰れかけているミュージカル・ショウの一団に出会い、彼らをブロードウェイの檜舞台に立たせるべく決心する。彼は一座のコーラス・ガールでパンジー・ピーツという娘を見初める。やがてニューヨークに到着するや一座の連中は直ちに練習にとりかかった。その間ポストは彼らを上演させるような劇場を物色した結果、三千人を収容する大劇場を手に入れ、その興行に「スピーク・イージリー」と銘打って開館したが入場者は一人もないという惨憺たる有り様だった。エリノア・エスペアという金狂の女はポストの金を捲き上げようと狙っていたが、ある日ついに彼女はポストを自分のアパートに連れ込んでしまう。そこで彼は危うく彼女の甘言に乗ぜられんとしたがピアノ演奏者のジミーに助けられた。しかし彼はまたもや誘惑されて他のアパートに連れ込まれた。そこで彼はギャングの一味に襲われて一大修羅場を演出したが彼は札付きのギャングスターを見事捕らえたので彼の名はたちまちニューヨークの諸新聞に「スピーク・イージリー」の製作者として書き立てられこれがため全市の人気を呼んで満員の盛況を呈した。熱狂せる群集のため舞台裏まで混乱の渦に捲きこまれ、ダンスが始まるやポスト教授はしゅっかり面喰ってものすごいダンスを演じた。これがまた大変なセンセーションを起こした。しかし次に悲しい事件が起こった。ポスト教授は演出の一つをどうも想い出せず正に中止になろうとした時、パンジーが彼の演出台詞を書き留めたノートを以て飛び込んできたので興行は無事に済んだ。一座がみな喜んだのはもちろんである。だがこの時トタンにポストとパンジーの姿が見えなくなってしまった。エイノアと一座の連中が探すとなんと二人は「スピーク・イージリー」の最後の幕に使用の王座に座ってラヴ・シーン実演中であった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- エドワード・セジウィック
- 原作
- クラレンス・バディントン・ケランド
- 台詞
- ラルフ・スペンス
- ローレンス・E・ジョンソン
- 撮影
- ハロルド・ウェンストロム