鉄窓と花束

解説

「アメリカの悲劇」「市街」のシルヴィア・シドニーが主演する映画で、「暗黒街の女(1928)」のアーネスト・ブースが書き下ろした物語を、「タッチダウン」「腕白大将」と同じくウィリアム・スレヴンス・マクナットとグローヴァー・ジョーンズとが共同で脚色して台詞をつけ「二十四時間」「失われた抱擁」のマリオン・ガーリングが監督し、「鉄壁の男」「腕白大将」のデイヴィッド・エーベルが撮影した。助演者は「小間使(1931)」のジーン・レイモンド、「キック・イン」「市街」のウィン・ギブソンを始め「大西洋横断」のアール・フォックス、「影を売る男」のロックリフ・フェローズ、「暗黒街に踊る」のパーネル・プラット、フランク・シェリダン、ジョージ・アーヴィング、フリッツィ・リッジウェイ、エスター・ハワード等。

1931年製作/アメリカ
原題または英題:Ladies of the Big House

ストーリー

花屋の売子カスリーン・ストームは悪漢キッド・アセンズに恋慕されて困っていた。アセンズの兄貴分ドレムスは市の政界に勢力を持つギャングスターであったが、新任の検事がドレムス一派を駆逐しようとしていることを、内通している副検事ハートマンの報告によって知るや、殺人の凶状を持つアセンズに暫時都落ちをしろと勧めた。アセンズは去るに際してカスリーンに他に男を作ったら生かしてはおかぬと脅かした。が運命はメキシコで油田技師をしていたという青年マクニールとカスリーンとを愛し合う仲とした。マクニールはロシアの油田地方から招聘されて赴く筈だった。楽しい2週間の恋の語らいの後二人は結婚して翌日の午後には欧州行きの船に乗ることとなった夜、舞い戻ったアセンズは復讐しに二人のアパートに忍びこんだ。手配中の一刑事は彼を追ってアパートにやってきたが物陰からアセンズに狙撃されて殉職してしまった。アセンズはピストルを棄て逃亡した。マクニール夫妻は殺人共犯として起訴され状況証拠とドレムスの暗中策動とによって、マクニールは死刑、カスリーンは無期徒刑、に処せられた。控訴の判決も同様だった。死刑の日は近づいた。新聞には夫妻の真実と凶器のピストルの写真がでた。それを見た女囚スジーは犯人がアセンズであることをカスリーンに知らせた。スジーはアセンズがカスリーンに恋慕するまでは彼の情婦であり仲間だったが、邪魔になるのでことを構えて刑務所に祭り込まれたのであった。カスリーンは典獄に訴えて再審になるよう取り計らいを頼んだ。しかし検事はドレムスに内通しているハートマンを刑務所へ調べに遣したのでカスリーンの願いは斥けられた。スジーはそれは聞くと初めてハートマンが内通者であること、証人は自分の他にも数人あることをカスリーンに話した。カスリーンは明日に迫った死刑を延期させるには非常手段をとるほかはないので脱獄を企てた。捕らえられた。事件は再び明るみに出た。ハートマンは涜職罪でドレムスは贈賄罪で罰され、アセンズは死刑となった。マクニール夫妻は晴天白日の身となってロシアへ旅立つことが出来た。

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