黄金の指
劇場公開日:1973年12月1日
解説
4人チームのスリが巧妙に戦果をあげるさまを描く。製作・監督はTV出身のブルース・ゲラー、脚本はジェームズ・デイビッド・ブキャナンとロナルド・オースティン、撮影はフレッド・コーネカンプ、音楽はラロ・シフリン、編集はアーサー・L・ヒルトンが各々担当。出演はジェームズ・コバーン、マイケル・サラザン、トリッシュ・ヴァン・デヴァー、ウォルター・ピジョン、マイケル・C・グウィン、トニー・ジョルジオ、マイケル・スターンズなど。
1973年製作/アメリカ
原題または英題:Harry Never Holds
配給:ユナイト映画
劇場公開日:1973年12月1日
ストーリー
シアトルの駅でサンディ(トリッシュ・ヴァン・デヴァー)は、ハンドバックが狙われたことからスリの青年レイ(マイケル・サラザン)と知り合った。若い2人は身の上話をするうちに好意を持つようになった。そんな時、故買人から今1流のスリが“サクラ”を募集していることを教わり応募した。立派な風采の老紳士ケーシー(ウォルター・ピジョン)に2人は面会した。かつてスリの名人といわれたケーシーも寄る年波とコカイン中毒には勝てず現役を離れているが、さすがホシを見つける眼力は1流で、黄金の指の持ち主ハリー(ジェームズ・コバーン)とコンビを組んで眼付けとサクラを受け持っている。今、ハリーは仕事をしやすくするためにグラマーな女性を雇い、彼女をオトリにホシ(被害者)の注意をそらし、その間に安全確実な仕事をしようと考えていた。皮肉なことに就職希望者のレイより付き添いのサンディの方がハリーは気に入ったが、成りゆき上、2人を雇うことに決めた。サンディのセクシーな肢体に気をとられたホシに、ハリーが接触しブツをいただく、彼は10秒以内にブツを“サクラ”のレイに手渡し、またレイはケーシーへとリレーする。状況によって原則をいろいろアレンジしてゆけばいいのだ。ある日レイが失敗を犯した。サンディが要領よくオトリを演じたのにハリーがホシに触りもしなかった、と思ったレイは呆然とつっ立っているだけでリレーの役を果たさなかった。ホテルに帰ったハリーは厳しくレイを叱った。「いいか、ハリーは決して運ばないのだ」。スリがブツを持ったまま逮捕されれば現行犯になる。そのため素早くサクラに手渡さねばならないのだ。ある夜、ハリーは新入りのサンディとレイにダイヤのアクセサリーを贈り労をねぎらった。サンディに対するハリーの優しさがレイを落ちつかなくさせた。早く1本立ちのスリになりサンディと結婚したい・・・。彼は焦りを感じた。その夜、ハリーの部屋にスリ専門の刑事たちが待っていた。スリの被害は続出するが現にハリー一味を逮捕できない彼らは、この町を出てカナダへ行けと忠告した。翌日、忠告に従ったハリーたちはカナダのヴクトリアへと出発した。レイによって1流のホテルに陣取り、またたくまに戦果を挙げた。だがリレー役だけではあきたらなくなったレイは、名手ケーシーに特技を教えてほしいと食い下がった。やがて、ハリーはレイが規則を破って1人働きをしているのを見破った。ハリーの叱責に腹を立てたレイはグループを飛び出したが、サンディに説得され、再び仲間入りをした。だが、彼のミスによってケーシーが逮捕された。老齢なケーシーを心配したハリーは何とか保釈金を作ろうと、馬術競技場を稼ぎの場に選んだ。一方、警察もハリー一味の動きを察知したかのように厳重な警戒網をしいていた。警備室に設けられたテレビがハリーの姿を捕らえ、婦警と刑事がピッタリとハリーについた。ハリーがすったブツを近寄ってくるレイに手渡そうとした時、レイの後からくる男たちに気づいた。デカだ!ハリーはブツを渡さずそのまますれ違った。名手ハリーはその瞬間逮捕された。刑事たちに連行されるハリーは、呆然と見送るレイとサンディに見向きもせず去って行った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ブルース・ゲラー
- 脚本
- ジェームズ・デビッド・ブキャナン
- ロナルド・オースティン
- 製作
- ブルース・ゲラー
- 撮影
- フレッド・コーネカンプ
- 音楽
- ラロ・シフリン
- 編集
- アーサー・L・ヒルトン
- 字幕
- 高瀬鎮夫