愛しのクローディン
劇場公開日:1974年9月14日
解説
ニューヨークのハーレムに住む貧しい黒人一家の人々の生きる歓びと哀しみを描く。製作総指揮はJ・ロイド・グラント、製作はハンナ・ワインスタイン、監督はジョン・ベリー、脚本はティナ・パインとレスター・パインの夫妻、撮影はゲイン・レシャー、音楽はカーティス・メイフィールド。編集はルイス・サン・アンドレスが各々担当。出演はダイアン・キャロル、ジェームズ・アール・ジョーンズ、ローレンス・ヒントン・ジェイコブス、タムー、デイヴィッド・クルーガー、イヴェット・カーティス、エリック・ジョーンズなど。
1974年製作/アメリカ
原題または英題:Claudine
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:1974年9月14日
ストーリー
ニューヨークのハーレムのアパートに住むクローディン(ダイアン・キャロル)は36歳の独身女性だ。彼女はワイノグラッド家に女中として雇われていたが、そこで毎朝ゴミを集めに来る清掃屋のループ(ジェームズ・アール・ジョーンズ)と知りあい、初めてデートした。その夜、ループは約束の時間にクローディンの家へ誘いに出かけた。彼女には18歳の長男チャールズ(ローレンス・ヒントン・ジェイコブス)を頭に16歳の長女シャーリン(タムー)、次男ポール(デイヴィッド・クルーガー)、次女パトリス(イヴェット・カーティス)、三男フランシス(エリック・ジョーンズ)、三女ラーリンの六人があり、皆それぞれが早熟でアパートは一日中戦場のような騒ぎだった。ループはクローディンをどこかのレストランへ連れて行くつもりだったが、彼女が入浴したいというので自分のアパートに招待し、有り合わせのチキンと酒でもてなした。食事をしながらお互いの身の上話をした。クローディンは、2度の結婚生活に失敗し6人の子供を抱えての生活は容易でないこと、民生員の世話になっていることなどを語った。ループの方もこれまで2度結婚に失敗し、3人の子供がオハイオに住んでる。2人は生活の環境は異なっていたが異性に飢えている点は同じだった。2人はその夜、ベッドを共にした。翌朝、ループに送られて帰宅したクローディンは、前夜の行為について子供たちから露骨な質問を浴びせられた。チャールズとシャーリンはとくに辛辣で、次女のパトリックは「いい年をしていやらしい」といった。その夜、ふたたびアパートを訪れたループを子供たちは冷たくあしらった。一方、ループはそんな子供たちのご機嫌をとるためにアイスクリームをおごったりしたが、チャールズだけは拒絶し、母親を泣かせることがあったら血で償いをさせるといった。それから1ヵ月後、クローディンとループの仲はいっそう深まったが、彼女には1つだけ不安があった。クローディン一家は民生部の生活扶助を受けているので、ときどき民生員が彼らの生活状態を調査にくるのだが、男出入りがあるとその関係を追求され、贈物があるとそれだけ扶助額から差引かれるシステムになっているのだ。ましてやクローディンがワイノグラッド家で働いていることなど極秘中の極秘だった。その後ループと子供たちの関係は融和していき、特に次男のポールと親しくなった。クローディンは内心ループとの結婚を望んでいるのだが、ループは反対だった。その理由は、結婚すると子供たちが生活扶助を受けられなくなるからだ。もっともループが手続きすれば続けて扶助を受けられないこともないが、その手続きが面倒だし頭を下げなければならない。そうかといって結婚を秘密にするわけにもいかない。結婚後、万一失業したら否応なしに民生部の世話にならなければならなくなる。こうしたことが男としてループには耐えられないのだ。さらにループに面倒な出来事が重なった。彼がオハイオに残してある3人の子供たちを故意に顧みないということで召喚状が届けられたのだ。子供たちのために生活を切りつめ、出来る限りの仕送りをしているつもりなのだが、その努力がまだ足りないというのだ。彼はいよいよくさるばかりだった。そこでクローディンはループの気をひきたたせるために、パーティを開くことにした。だが当日、ループはとうとう姿を見せなかった。重苦しい空気がクローディン一家にのしかかり突然、シャーリンが妊娠したことをほのめかす爆弾宣言をした。驚いたクローディンは激しく彼女を叱責した。一本気のチャールズは、最近家庭内に起こったトラブルに身をつまされ、自分だけは母親や妹が受けた苦しみを他の女に与えまいと決心し、それを貫くために去勢手術をうけた。ある日、ヤケで酒に入りびたっているループと、手術を終わったチャールズが出会った。チャールズは何度も何度もループをなぐりつけた。そして、そのこぶしから伝わる少年の正義感から、クローディンがどんなに苦しんでいるかを知った。そんなことがあって間もなく、ループはクローディン家に暇乞いにきた。金儲けできない男は父親になる資格はないと語ったが、子供たちはどうしても彼と離れたくなかった。子供たちの説得によってループはついにクローディンと結婚する決心をした。そして次の日曜日、教会で正式な結婚式が行われた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジョン・ベリー
- 脚本
- ティナ・パイン
- ティナ&レスター・パイン
- 製作総指揮
- J・ロイド・グラント
- 製作
- ハンナ・ワインスタイン
- 撮影
- ゲイン・レシャー
- 音楽
- カーティス・メイフィールド
- 編集
- ルイス・サン・アンドレス
- 字幕
- 清水俊二
受賞歴
第47回 アカデミー賞(1975年)
ノミネート
女優賞 | ダイアン・キャロル |
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第32回 ゴールデングローブ賞(1975年)
ノミネート
最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) | ジェームズ・アール・ジョーンズ |
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最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) | ダイアン・キャロル |
最優秀主題歌賞 |