赤い唇(1952)

劇場公開日:

解説

「スケルトンの運ちゃん武勇伝」のリチャード・ゴールドストーンが製作し、「北の狼」のアンドリュー・マートンが監督にあたった1952年作品で、ドイツとオーストリアに現地ロケしたもの。ローレンス・バックマンのストーリーをジェリー・デイヴィスが脚色した。撮影は「罪ある女」のファクラフ・フィッヒ、音楽は「アパッチ族の最後」のルドルフ・G・コップの担当。主演は「雨に唄えば」のジーン・ケリーと「三つの恋の物語」のピア・アンジェリで、リチャード・ロバー、リチャード・イーガン、クラウス・クラウセン、ウィルフリード・セイファースらが助演する。なお、米国における発売はMGM社である。

1952年製作/アメリカ
原題または英題:The Devil Makes Three
配給:松竹=セレクト・インタナショナル
劇場公開日:1953年8月21日

ストーリー

戦後のミュンヘンの町に、米国の空軍大尉ジェフ・エリオット(ジーン・ケリー)が訪れてきた。彼は、戦争中ナチに捕らえられたとき、彼の脱出を助けてくれたドイツ人一家を探しに来たのだった。だがその一家は戦争のため死んでしまい、当時子供だった娘のウイリイ(ピア・アンジェリ)だけが成人してカフェ“シルエット”で働いていた。ウイリイは暗い性格の娘になっており、彼女と再会したジェフは、ウイリイを幸福な娘にしてやりたいと思った。ジェフはウイリイに誘われてザルツブルグにいる彼女の叔父キーグラー夫妻の元でクリスマスの休暇を過ごした。再びミュンヘンに帰ったときジェフはウイリイを深く愛するようになった。しかし、彼はCIDのテリイ大佐とパーカー中尉から、ウイリイがナチ再建組織とつながる密輸団に関係あると聞かされ、驚いた。再びウイリイと一緒にキーグラーの元を訪れたとき、ジェフはキーグラーがその一味であることを知った。ウイリイはジェフに、彼女がこの陰謀にまきこまれたのは殺すと脅迫されたためだと打ち明け、2人で国境を指して逃げようとした。国境でジェフはアメリカ軍司令部に電話で連絡することができたが、自動車の故障から2人はキーグラー一味に捕らえられ、ベルヒテスガーデンの近くの湖に連れて行かれた。湖は氷結しておりその上でオートバイのレースが行われていた。ジェフとウイリイは競技場わきの燃料置場のガソリン罐の前に立たされた。競技場の事故と見せかけて2人を殺そうとしたのだ。危機寸前、2人は脱出しようとしたが、ウイリイは撃たれた。このときCIDが出動して来た。ジェフはパーカー中尉とともに一味の首領ハイスマンを捕らえた。傷ついたウイリイは生命に別状なかった。ジェフに抱かれてウイリイの顔には、はじめて明るい微笑が浮かんだ。

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