クロニクル

「私だったら能力をこう使う」と皆んなが思う暇なく、三人は暴走する。（酷いのは一人だが）
なるほど、製作費の大部分を終盤に注ぎ込んだと言うのは本当だろう。どんどん盛り上がって行く。能力が悪い方向に向くという悪い意味で盛り上がる。
『イノセンツ』（2021 ノルウェー・デンマーク・フィンランド・スウェーデン合作）を先に観てたが『AKIRA』や『童夢』の作者・大友克洋にオマージュを受けたと言う点は共通だろう。

何となくアメリカ高校生って感じの中でバカをやる友達同士からの大惨劇。展開的にめちゃくちゃ驚くようなどんでん返しもなく、いやいや坊やに付き合わされるだけの後半は微妙。絵的にも物足りないのはずっと作中のカメラ映像だからか。

内容は3人の若者が洞窟に入り、念力やら浮遊の力を持ち生活を送っていく。けれど、大人にも子供にもなりきれていない彼らは色々と悩まされていく。
主人公がカメラを撮影していると言う設定と自分の能力を活かした画期的な撮影方法でした。今、現在彼らのような存在が誕生したのなら、こんな風になるのではないかと思いました。ミスターガラスやイノセンツ好きならオススメ。でとても好みでした。

少年三人による青春ストーリーものかと思ったら、どんどん雲行きが怪しい方向へといきドキドキしました。
後半はもうとんでもないことになっています。
大友克洋さんの名作「AKIRA」に似ているという人もいますが、後半は実際似ています。ですが面白さの視点は全く違うのでAKIRAが好きな人こそ見て欲しい。
ズバリ主人公は鉄雄です。

いい映画だった。