劇場公開日 2012年10月26日

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「アメリカ映画なので普通はアメリカの人を応援するけど、この映画ではなんとなくイランの人を応援したくなりました。」アルゴ Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アメリカ映画なので普通はアメリカの人を応援するけど、この映画ではなんとなくイランの人を応援したくなりました。

2013年4月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

知的

米国のアカデミー賞は、昔は信用していたけれど、今はほとんど信用していない。

結局、仲間内の利害関係や、誰が好きか嫌いかレベルの人気投票の結果出てくるもので、純粋に選ぶものではないような気がする。

でも本作は面白かった。こういう社会派のエンタメ系の作品は大好きです。

映画後半の脱出劇は、ハラハラドキドキで、緊張感がすごかった。

本作を見ていたら、パニック映画の「ブラック・ホーク・ダウン」(ソマリアで、米軍の攻撃用ヘリが、敵地のど真ん中で墜落する話)を思いだした。

「ブラック・ホーク・ダウン」では米軍を応援していたけれど、本作はなんとなくイランの人を応援したくなった。

時代が違うけれど、イランの人はえらいと思う。

肝が据わっている。

北朝鮮や中国が米国に対抗しているのは、現体制を守りたいからだけれども、当時のイランの人は違うような気がする。

組織化されたテロリストが、自分の主張、あるいは金のためにやっているわけでもなく、純粋に米国を憎んでいる感じがする。

でなければ、デモの延長で、米国大使館を乗っ取れる訳がない。

他の国ならいざ知らず、米国大使館。

時代が違うので、当時のソ連とのパワーバランスとかいろいろあるだろうけど、普通だったら海兵隊の特殊部隊とか、ネイビーシールズとかが出てきて、皆殺しにされるところ。

悪くすれば、米国が国ごと攻め込んできて侵略される。

米国に常に土下座で、「何卒よろしくお願いします。」と言うしかない国の国民にとっては、よくやったとしか言いようがない。

日本でも、入ったことはないけれど、アメリカ大使館は最も警戒の厳しいところで、周りに日本の警察官が大量にいるし、不法侵入でもしようものなら、問答無用で瞬殺されそうな雰囲気がある。

右翼や左翼の人が、アメリカ大使館の前で抗議しているのも、見たことがない。

ちなみに中国大使館は、なぜか入ったことがあるけど、意外なくらいフレンドリーでびっくりしました。

「アメリカとCIAは世界最大のテロリストだ。」という本作のイランの人のセリフは名言だと思う。

Push6700