フライトのレビュー・感想・評価
全123件中、101~120件目を表示
13年待った甲斐はあったのか?
観る作品を監督で選ぶことが多い自分にとってロバート・ゼメキスは一番好きな監督です。映画マニアというよりゼメキスマニアと言っても過言ではないです。
作品数はごく小数ですが、質が違います。しかし最近はCGアニメが主流になって「これどうやって撮ってんだろ?」っていうワクワクが薄れてきてました。
そこに13年ぶりの実写映画ということでゼマーとしては狂喜乱舞な訳です。
でもダメでした。
確かに墜落シーンは目を見張るものがあり、やっぱすごいなと、天才だなと思ったのは事実です。
しかしそのあとは…酒をやめるやめないで約1時間半…さして斬新な演出があるわけでもなく、テンポよく進むわけでもなく、最終的には「酒飲んでました、ゴメン」みたいな、いや当然だろっていうオチで終わりました。
何より冒頭に全裸の女が出てきた時点で、「これいる?」って感じでした。
自分は一般映画に無駄に組み込まれたエロスが嫌いなもので、早く服着てくんねーかなって頭からイライラしました。
セフレか恋人か知りませんが、もしふたりが愛し合ってるということを表現したかったのなら、もう少しソフトな表現でもよかったと思います。
主人公が大切に思っている感じがせず、そのせいか主人公の最後の決断があまり感動的に映りませんでした。
ゼメキス監督の作品はそれぞれ全て数え切れないほど観ているのですが、これはもう一度観たいと今のところは思えてないです。
インタビューで「もうバック・トゥ・ザ・フューチャーのような世界には興味がない」と言っているようですが、残念で仕方ない。
こんなネタ切れの時代じゃしょうがないかもしれませんが、また神演出とアイデアの塊のような作品(欲をいうとSF)が観てみたいものです。
ゼメキス久々の佳作
ここ数年、ロバート・ゼメキスはモーション・キャプチャにハマっていて、ろくに実写映画も撮っていなかった。しかもその技術の立役者とはいえ、本人が作った映画はどれも大ヒットには至らず…(リメイク版「イエロー・サブマリン」も没になるし)。だから久々の実写映画には当然期待がかかる。
この映画は出だしの飛行機墜落シーンに尽きる。ウィトカー機長はコカインをキメた後に、機内でウォッカを2本空けるような男だ。悪天候のせいもあり、飛行機は不安感を残しつつ空港を出る。当然、観客はこの飛行機の結末を知っているわけだが、その「墜落」までの持っていき方は非常に上手い。
いつ落ちるのか、焦らしに焦らしてその時を迎える。飛行機はいきなり前のめりになって、落ちていく。騒ぐ観客、取り乱す乗務員と副機長。それに対し、妙に冷静なウィトカーは瞬時に状況を把握、試行錯誤を繰り返したあげくに期待を“回転”させることにする。
ここからは予告編を見た誰もが知っている。現実だったらあり得ないような事件を、見事なVFXと緊迫感のある会話で見事なリアリティを持たせている。こんなにハラハラするシーンはなかなかお目にかかれないが、残念ながらスリル満点なのはここまでなのだ。
私が思うに、この映画の最大の欠点は不必要なシーンがあまりにも多すぎることだ。ウィトカーが病院で出会う終末医療患者との会話がその代表格だが、そのどれもこれもが意味有り気な所がさらに問題である。彼らとの会話を通じて、得体の知れないウィトカーの中身を描きたかったのかもしれないが、そんなことをしなくてもデンゼル・ワシントンの演技だけで十分だ。
正直に言うと、ニコールもほとんど登場しない家族も不必要かもしれない。ニコールはウィトカーのアルコール依存症傾向を浮き彫りにするために、彼の家族はウィトカーの孤独感を表すためにいるわけだ。でもそれらはすべて他のシーンでも表されていることで、無意味にエピソードを増やしているだけに過ぎない。
おそらくロバート・ゼメキスは脚本を見たとき、映画の全体像ではなく個々のシーンが思いついたのだろう。例えばウィトカー御用達の麻薬の売人ハーリンの登場シーン。彼がノシノシ登場するたびに、バックにはザ・ローリング・ストーンズの「悪魔を憐れむ歌」がかかる。面白いが、あまりにも狙いすぎているのだ。「フライト」のBGMはロック好きにはたまらないが、あまりにも「分かってる」使い方をしすぎて結果的にクサい演出と化している。
だからそれぞれの場面の出来は光るものがあるのに、全体として見るとやや散漫な印象を拭えない。
様々な欠点はあるが、この映画はあらゆる点でかなり優秀だ。そのほとんどは主演のデンゼル・ワシントンによるものが大きい。今回、彼はウィトカーという内面的に複雑な人物を演じるにあたり、かなり抑えめの演技を披露している。これが功を奏し、彼が抱えるジレンマを露にすることに成功した。ウィトカーは独善的で救いの無い人物なのに、観客は彼に共感し、英雄であるとさえ感じる。だからといって、まったくの善人かと言うとまったくそうではない。このドラマの中核の部分をワシントンは生み出したのだ。
全体的に見ると「フライト」は良くできている。シリアスなシーンとユーモア溢れる場面のバランスが取れていて、(無駄ではあるが)様々なエピソードはどれも面白いので基本的に飽きることは無いだろう。繊細さには欠けるが、ロバート・ゼメキスの手腕は衰えていないらしい。
(13年3月13日鑑賞)
飲酒に寛容なアメリカ?
劇場で観る時間が取れそうもなかったので、会話の半分くらいしか理解できないのですが、アメリカ版のブルーレイ(英語字幕のほかに、視覚障害者の方のために英語の音声解説も入っています)を観賞しました。
殆ど予備知識無しで観ましたので、60年代のFOX映画『不時着』のように、機長の無実を晴らす映画かと思っていたら全然違うので驚きました。
もっと驚いたのは、飲酒して飛行機を操縦したのが問題になっているのに、
主人公が飲酒運転しまくっても誰にも気づかれない点でした。
また、映画には、主人公の有罪を強く主張する人物は出てこなかったようですが、査問会の前日に宿泊したホテルの冷蔵庫にお酒がぎっしり入っていたのは、誰かが仕掛けた罠だったのでしょうか。この辺が英語字幕で良く分りませんでした。
何方かお分かりになる方、教えてください。やっぱり劇場で観ればよかったかなあ。……
体調万全で観なくちゃ
「フライト」というタイトルと予告編でてっきり、飛行機が主役だと思って楽しみにしてましたが、色んなテイストの話が1つの映画で煮詰めた感じがして、鑑賞後、心残り感いっぱいになりました。
前半は、操縦不能になった飛行機をどう着陸させるか、機長の容赦ない判断と犠牲など、はらはらドキドキストーリーです。これを見たかった!飛行機の機材は何?とか気軽に思ってたら・・・
後半は、アルコール依存症男の話になって、法廷(ではなく審議会)でのせめぎ会いになり、最後は自己再生できて良かったね、チャンチャン!とは!?
期待を裏切ったな。ゼメキス監督。
ヤク中のケリー・ライリー、弁護士のドン・チーゲル、毅然としたメリッサ・レオを見ることができ、それはそれで嬉しかったけど。
少し長いかな
広告から想像できる内容とは異なるが、それでもまあまあ楽しめた。
パイロットでありアルコール依存症の男性の話だが、冒頭の航空機墜落シーンが映画全体の内容の割によくできていた。
それ以後のアル中男の末路は言わずもがなであるが、主人公がパイロットということでそれに沿ったストーリーは珍しくてよかった。
案外重い映画だった~体調万全で挑んでください!!
朝1番の上映で見てきました~。率直なところ、墜落シーンは脈が上がり
気分が悪くなるくらい、臨場感がありました。だから、体調万全じゃないと
序盤から汗かきかき、かなり変なテンションにいざなわれます。
ストーリー展開は意外と期待とは違って
これは、社会的な問題を問う作品なのか?とこれは持論ですが、
思いっきりアメリカンだな~!!といった印象です。
結局はアルコール依存症の主人公を描いていますが、
もう少し、心理戦を深く描けていたら面白かったと思います。
でも、主人公が最後はアルコール依存症を認め、また更生していくという
展開はそれはそれで、良かったな。という印象。
このまま、事件からも逃れ、ウソをつきとおしたまま人生を送ってもらっても
なんの説得力もありませんからね~。
この作品を日本で公開してる意味・・・・
PG12にしていますが、
私的にはもっと大人な作品なので、
高校生でも厳しいかな~って思います。
アメリカならちょうど教育にはいいのかと思います。社会背景からしてアメリカンだし・・・(持論ですが・・・)
でも、酒やドラッグが頻繁にでてきているので、
自分の子供には見せたくないな~って思います。
ちなみに、これはデートには私はおススメしません。
なんか気分悪くなるし、
終わったあと、考えさせられる作品だからです。
もう少しサスペンス性か
ヒューマン性が溢れると
よかったかな~
真面目に社会問題とか語りたいカップルとかにはいいのかも。
私は、なんせ前半は汗かきっぱなしでしたね~
題名に騙された…
デイゼル・ワシントンさんはもう少し酔っぱらいの練習して演技してほしかったなぁ~
それか『酔ってませんか?』とか『酒臭いですよ?』って取巻きが聞くとか…
後から酒臭かったといわれてもね…
墜落シーンは予告以上に見ごたえタップリ。
アメリカっていろんな意味ですごい。
アル中のパイロットのお話だけど、こういう状況が本当にあると思えちゃうところが怖い。
予告遍やスポットでは飛行機の墜落シーンばかりフューチャーされるからパニック映画と間違いそうだけどきちんとしたヒューマンドラマでした。
墜落シーンは見ごたえ十分です。こんな曲芸飛行が現実に可能なんでしょうか?まあ、そんなことは別として墜落シーンの特撮映像は大画面で一見の価値あり。すごいです。
その後のヒューマンドラマはパイロット失格の墜落ぶり。俺の感覚からするとあまりの暴走にどうにも理解できないのですが…。というか、これだけ周りの人たちの助けがあればどこかで立ち直りそうなもんだけど、とことんまで落ち続ける姿になんとも理解できずにラストシーンを迎えました。
ラストは‘良かった良かった’となるのですがここに来るまでにとっとと気付きなさいよ、って思います。
ただこれは病気をよく理解していないから?かも。
再生できてよかった。
最低の映画だ
デンゼルワシントンだから見たんだけど
アメリカの事情からすれば英雄かヒーローかと言うのだろうが
日本の感覚からいえばただの酔っ払いとコカイン中毒で
あってはならないパイロットだ。
期待損傷も最初の無理からかもしれない。
あまりにも観客を馬鹿にしてるだろう。
JALの御巣鷹墜落を体験してる日本には耐えられない映画だ。
いい映画だった
フライト中に酒を飲んでいて、それが問題になっていることが物語の重要なテーマで、そんなあまりに地味な題材をエンターテイメントにしているのは凄いことなのだが、盛り上がりに欠ける。というか、やっぱり飛行機が墜落するのに冷静に対処しているデンゼルワシントンがあまりにかっこよくて、そんな絵的に最高に盛り上がるのが冒頭なので、そもそも構成が難しい題材であった。
墜落の場面がとても面白かった。また公聴会の朝、ぐでぐでに酔っぱらっているのをコカインで復活させる場面でコカインがとても楽しそうだった。人間の弱さに対する優しい眼差しがとてもよかった。公聴会で飲酒を告白して魂を汚さなかったは感動した。実家の古い家でカセットで聞く音楽もとてもよかった。
すごく誠実な映画だけど構成上しかたないところで、ちょっと物足りなさはあった。
揺れ動く天秤の針
オープニングから30分は、乗客・乗員102名を乗せた旅客機が高度3万フィートで制御不能になり不時着するまでの飛行に費やされる。予告篇にもあるように、かなりアクロバティックな操縦で96名が生還を果たす。この30分は、パニック映画1本分に値するほどのエキサイティングな演出だ。
ウィトカー機長がいかに冷静沈着な判断能力と操縦技量をもつパイロットであるかが描かれる。と同時に、ウィトカーとアルコールの関係、そして人間関係が組み込まれ、機長の過失致死罪を問う本題への伏線が多く含まれる。
ほかの誰もが真似のできない操縦で犠牲者を最小限にとどめ、どんなに多くの生命を救ったとしても、もしアルコールが入った体で操縦したとすれば厳罰に処せられる。機体不良の不運と、たとえアルコールが入っていようと奇跡的な不時着を達成した功績、この話にはそのどちらに重きを置くかという天秤は存在しない。いかに善行を施そうと、それ以前にやってはならない社会のルールがあり、結果オーライであってはならないと訴える。
社会を誤魔化し、人を誤魔化し、自分をも誤魔化し続け、ほころびが出るたびにまた嘘で固めていく人生。それが是か非かはけっきょく本人の問題なのだが、その判断を決するための天秤は存在する。その天秤は本人の中にある。たとえ社会から葬られようと何ものにも縛られずに開放された心を取り戻す勇気さえあれば、天秤の針をまっすぐ見ることができる。
揺れ動く針がぴたりと止まるまでのウィトカーを表現したデンゼル・ワシントンはさすがに巧い。
うーん飛行機の映画ではないのか
テレビで宣伝していて、面白そうに感じた。
面白かったのは前半30分でした。
後半は薬中毒とアル中の物語で、まるで2つの物語の様子、
後半は日本人には分かりずらいというか興味のないことだと思う。
アメリカの抱える問題を日本人もご理解下さいとでもいうのか。
航空機パニック映画と思ってみたら大間違いなのでご注意!
最後までア然、面白かったです
いいかげん深い心の暗闇に付き合わされるのに、あまりのことに笑っちゃって落ち込んだ気分になる間もなく…
なんなんでしょうか、面白かったです。
デンゼル・ワシントン演じるウィトカー機長、さっぱり読めないよどんだ眼で周りを翻弄します。客観的には黒なのでしょうが、奇跡的操縦で多くの命を救った大きなアドバンテージがありますし。
どう考えていいか判らないスキにつけこんでくる思いもよらない展開には、最後までア然でした。
組織の論理で事態収拾にかかる弁護士にドン・チードル、彼は何段階の困った顔を持っているのでしょう。炸裂してました、巧いです。
人生のフライト
事故調の審問まではいい感じできていたが、前日のホテルでご乱心は疑問が多い。アル中が9日もアルコールを絶てるのか?それはアル中ではないのではないか?そんな人間がホテルのアルコールに手をだすのか?その前に弁護士とか関係者とかが冷蔵庫のアルコールを排除しとけばいいじゃん。とにもかくにもウィップはウソをつき続ける生活からやっとフライトした。
これがフライト。
R・ゼメキスの12年ぶりの実写映画ということで期待していた。
アカデミー賞にノミネートのデンゼルの演技も楽しみだったし、
何しろ今作は予告と宣伝だけで何度も観てきた気がするのだ。
思うに、これに近い事故が過去にあった気がするんだけれど…
冒頭、デジタル時計がカチッとなり目覚まし?が鳴った瞬間、
あー懐かしい!『バック・トゥ・ザ・フューチャー』じゃん!!
と胸躍ったのもつかの間、場面は朝からどんよりと薄暗い。
全裸の女とベッドに横たわる男、そこへ男の元妻から電話が入り、
どうやら息子の養育費関連の請求をされているようだ。
何だよ、これは!話までメチャメチャ暗いじゃないか!
いや、そんなもんではまだ終わらない。この男こそ、機長だ。
おもむろに起きて女と交わす会話、今から搭乗なのは明らか。
と、ベッドサイドの薬に手を伸ばし、アルコールでグイッと…。
オーマイガッ!何てこった、アル中なんだ、この男。この機長。
いやすんごい。ゼメキスらしからぬスゴイ出だしだ~と思った。
確かに予告中も、彼が酒を呷るシーンがあったので、まぁ強ち
この描写が間違ってはいなかったのだが、映画は冒頭からもう
この機長をおとすおとす(汗)飛行する機内ですら酒を呷らせる。
もうここまで観せられては(私達観客ですら)いかにこの機長が
危機一髪の着地を見せたとしても、てんでヒーローとは思えない。
そもそも、病院のベッドで事態を把握するまでもずっとおかしい。
さて、映画の本題は、実はここから始まる。
これだけ悪い証拠が揃っていながら、何だいあの凄腕弁護士は!
(チードル)、まんまと彼を無罪へと近づける。あの生活態度で、
自宅にも帰らず、さらにあの親友だ!(グッドマン)ここまできたら
もう笑うしかない状況揃いなのに、彼は誰にも嘘を見破られない。
たまたま救ったドラッグ常習者のニコール(ライリー)とも、妖しい
関係を結び同居を始めるが、着々と更生していく彼女に対し機長は
相変らず酒浸りの日々。もう飲まない、と言ってはすぐに手を出す。
を繰り返した挙句、愛想を尽かした彼女はついに出ていってしまう。
依存症の恐ろしさは、これだけ状況を積重ねても、周囲がどんなに
苦慮努力したところで、まったく本人が変わっていかないところだ。
タバコをやめられないのと同じで、これは周囲がどうのではない。
本人がやめる勇気を持たない限り、永遠に繰り返されるのである。
それを分かっていながら、どうにも変わることができない主人公。
デンゼルが、この叡智に優れた技術を持ちながらも、人間的に弱く、
嘘を素直に吐露できず、周囲を傷付けていく機長を見事に演じる。
さすがに巧いので、彼の行動すべてに釘づけになる。
このロクデナシ!と心で罵りながらも、何とかならないのかと彼を
取り巻く周囲の軋轢を含め、この物語が着地する術を探ってしまう。
こんなロクでもない人間がパイロットだなんて…!と思うところだが、
かの国ではこんな状況は日常的に見られるらしい。
そうだよね、セレブやアイドルがドラッグやアルコールに溺れるなど、
ゴシップニュースに出ない日はないくらいだから。
世間の注目を浴び、抑圧と緊張に縛られ、自信を失い何かに依存して
しまうのは、そういう立場に於かれた人間に多いのかもしれない。
さて、その後この機長はどうなっていくのか。
公聴会が近づく組合側の弁護士は、あらゆる手を使って彼を救おうと
(違う意味でね)奔走して彼は連続アルコール断ちに成功するのだが…
保身に彩られた嫌な人間の本質と狡さを見せつけてくるこの物語だが、
突き抜けているのは、あんな背面飛行で危機を脱するほどの技術を
持つ男と、何だコイツは(爆)と思わせるデブ(巧いのよね)が大親友だという、
だから人間ってのは分からない。と思わせる驚異に富んだ意外性。
何に対しても突き抜けてしまうと、常識すらブッ飛んでしまう恐ろしさを
あの一室で皆が体験することに。これがフライト?さすがだ、ゼメキス。
(彼がなぜ依存症になったか、農場の歴史や祖父の話も聞きたかったな)
前半と後半では違う物語ではと思われる
前半は本当にパニック映画みたいに飛行機の不時着するまでスリルのある映画でした。パイロット役のデンゼル・ワシントンは英雄になった。しかし事故調査の結果アルコール飲酒の反応が出て、窮地に追い込まれ、あの手この手でもみ消そうとする。人間の心理が良く描かれている。エージェントが機体の故障で墜落した線で解決しようとするが、アル中の彼は周りの人の声も届かず酒に溺れていく。最終の聴聞会で泊まったホテルにお酒を置くのは見え見えの感がある。でも最後の最後で人間としての自分を取り戻す姿はさすがデンゼルだと思った。
時代を超えてアメリカの空はジョン・グッドマンが握っている
仕事中の飲酒は百歩譲って目を瞑っても、どっぷりコカイン中毒の時点で充分アウトやと一蹴したらそれまでだが、事故の責任を擦り付けあう各業界の組合幹部の思惑の汚さや人間関係のもつれが、渦中でもがく主人公の闇を更に深刻化させていく。
全員死亡という最悪の事態を回避できたのは全て神のお蔭という世論に頷きながらも、表情に「オレのおかげじゃないか」と云うドコか他人事の自尊心が露骨に表れ、終身刑の危機への焦りが追い討ちを掛ける。
反省どころか酒とドラッグに縋り、現実逃避を続ける彼の独り相撲は、稀代の名パイロットから酒浸りのトラブルメイカーへの凋落を加速化し、独り善がりが好きな人間の業を思い知らされ、とても見応えがあった。
『アンストッパブル』『デンジャラス・ラン』『マイ・ボディガード』etc.一作毎に善悪のキャラクターを巧みに切り替えて演じたデンゼル・ワシントンが、今作では一つの世界観に悪魔と英雄を共存させ、ろ過された人間像を完成。
犠牲となった愛人CAの葬儀に参列し、沈痛な顔立ちでお悔やみの弁を述べるや否や、その場で仲間に審議会で自分に有利な発言をするよう懇願するしたたかな足掻きっぷりは、デンゼル・ワシントンだからこそアプローチできる唯一無二の至芸と云えよう。
彼の振り幅の広さに改めて唸ると同時に、興味深かったのは、脇役のジョン・グッドマンの存在感である。
相変わらず主観的な映画鑑賞で恐縮だが、先日の『アルゴ』同様に、危うい主人公を悪夢と現実の分岐点で繋ぎ止めるキーパーソンとして、外見以上に強烈な個性を放っている。
『アルゴ』の主題が、《嘘と芸は身を助ける》ならば、
今作は専ら、
《嘘と酒は身を滅ぼす》
ってなものだ。
つまり、《自作自演》と《自業自得》の世界。
そんな対極的な教訓が時代を超え、アメリカの空を横切り、アカデミー賞を騒がしていたのは、何だか皮肉めいた運命やなと痛感せざるを得ない。
では最後に短歌を一首
『奇跡より 懺悔に沈む 墜ちてなを 悪夢は酔えぬ 翼なき空』by全竜
長い
ロバート・ゼメキス監督12年ぶりくらいの実写作品。なるほど気合い入ってるなぁ~と思わせる1本。
ストーリーがなんとも斬新。旅客機の大惨事を見事回避させた凄腕パイロット。けど実は彼が搭乗中に酒を飲んでたという展開。
全体的な流れはすごく面白いと思う。でもさぁ、これ長すぎなんだよね。なにやら無駄な場面、間延びするシーン、薄い登場人物が多すぎ。これ90分にまとめたらものすごい名作になってた気がする。その辺ゼメキスさん、空回りの印象。
ところでデンゼル・ワシントンって、なんかやましい所がある役多いよね(笑)
デンゼルの演技は最高なんだけど。。
とても優秀で、誠実で、勇気があり、逞しくて・・・という役が多かったデンゼル・ワシントン。
でも、今回も「トレーニング・ディ」に続いて、 そんなステキなデンゼルではない。
アル中、ヤク中のとんでもないパイロットのウィトカー。
でも、皆がパニックに陥る様なとんでもない状況において、どうすればよいかを即時に冷静な判断をし、それを実行できる人物でもある。
それが、こんなことになってしまった。
その前に、家庭もあり、息子もいて、こんなにも優秀な男が、何でこんなアル中&ヤク中に陥ってしまったのか、わからない。
何かのきっかけが絶対あったはず。
それがわからないので、説得力がない。
でも、最後の最後、大切なことに気付いた。
子供を助けたために、自分の命を落としてしまった恋人。
彼女の行動が、真の勇気をもたらした。
う~ん。。。
言いたいことは、わかる。
勇気を持って、自分自身と向き合おう!
私だって、いつこんなふうに落ちるやら、先の事はわからない。
絶対にならない!と言い切る自信も無い。
わずかな心の闇に、ひそかに入り込んでくる悪魔。
少しのつもりが、いつのまにかどっぷり浸かってしまっていた。
そんなことにならないよう、しっかり自分と向き合って、自己管理のできる人にならなくちゃね。
不遇のデンぜル・ワシントン
冒頭、全裸の女性が部屋を歩き回るシーンがあり、私はシドニー・ルメットの遺作を思い浮かべてしまいました。とにかく、アルコール漬け、クスリ漬けの最低パイロットをデンぜル・ワシントンが演じ、最後には、改心し、疎遠だった息子ともめでたく和解します。そういうお話です。予定調和もいいとこです。この作品といい、前回の「デンジャラス・ラン」といい、最近のデンぜル・ワシントンは良い脚本に恵まれていないようです。このような脚本では、役者がいい演技をしても、結果的には、そこそこの演技にしか、見えません。それにしても、デンぜル・ワシントン、ちょっと、お腹に脂肪が付き過ぎですね。
他の役者では、気の弱そうな、弁護士を演じていたドン・チ―ドルが良かったです。
全123件中、101~120件目を表示