ヤング≒アダルトのレビュー・感想・評価
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薄目を開けて観る、痛々しいシーン連続の映画!笑
モンスターで心底好きになり、マッドマックス怒りのデスロードで嬉ションしそうになった女優シャーリーズ様の、これまた最高なキャラを演じられた映画。
登場人物はみなどこか壊れておりましたが、鑑賞後に思ったことは過去に全く未練の無い者はこの映画で言うところの元カレのバディのような鈍感力に特化した人間だけ。自分の今向いている方向に居た人、モノ、環境だけが大事で自分の発言や行動に何の関心もないなーって思った。だから幸せだって臆面もなく言い張るし、元カノに子供産まれました…みたいな連絡もする。
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痛々しい主人公の肩持ちすぎ??
つまり、主人公メイヴィスには少なからず共感しておる、私いわゆる痛々しい大人です。35歳!
あの時、アレをこうしていれば、アアなってたのになー…という痛い妄想を、ほぼ毎日、ふとした瞬間にやってしまう。
大人になれない人は、あの時の自分が最高だったって言う自己評価から逃れられない精神に煩わされている。これは誰にでも、私ほど頻繁では無いにしろ心が弱った瞬間に考えたことがあるんじゃないだろうか?
映画は伏線をうまく張っていて、冒頭から目が離せない!あのシーンが最後の痛々しいセックスの後に繋がる。あの曲があの公開処刑シーンで流れる!など。さらに、主人公の何処か壊れてます…って言う描写も最高だ。一見憧れるアイテムは持っている(大都会で仕事する。高級マンションで一人暮らし。犬を飼い、まぁまぁオシャレな外車に乗るなど)が、それらがどれも見せかけだけで、汚れていたり放ったらかしだったり…起き抜けに喉を潤すコーラガブ飲みとかお前中学生か?!と。笑
とにかく精神的にアレだね…という描写がひとつひとつ最高だ!!
また、本作のクライマックス、映画史上最も気まずいパーティーシーンとなった例の場面でもいちいち最高だ!!もう失神してしまうかと思うくらい恥ずかしいし報われない…が、初めて明かされるメイヴィスの悲しい過去。なぜ過去に囚われたか?なぜバディに固執したのか?が明かされる。
その後に訪れるこれまた映画史上最も惨めなヌーブラ&ベッドシーンΣ(゚д゚lll)最高です!こんなにも打ちひしがれる瞬間が訪れたら、私なら嘔吐して気絶するね。笑
何となく馬の合う同級生マットにしても、過去の凄惨なイジメ(いや、リンチだね!しかも勝手な誤解で)が原因であの頃の最高だった自分と過去に囚われていた。黒色のTシャツにピクシーズって書いてあって、イテテテって。これまた薄目になった描写。
作者の意図はさておき、私は彼女が成長せぬまま自分の住処に帰っていくラストは、私は私を肯定する!って言う強いハッタリに感じた。タラレバな過去はさておき、結婚して家庭を築いた奴。東京で一流の仕事人になった奴。ニートで一日中YouTube見てる奴も、今を生きるしかないって。
でも、それをうしろめたく思うのも肯定して開き直るのも自分にしか出来ないし、ましてやタイムスリップして過去の自分を変えることなんて出来やしないし。そうして蓄積されたタラレバに浸る癖は今尚治るどころか治そうとする気もない!
かく言う私もこんな映画ごときで1500字の感想をグダグダ書いてしまい、こんな映画に完全に当てられてしまったことは否めない。
最高に笑えて、最高にダウナーな映画でした!
発見の価値あり!!
人間は、どのタイミングで大人になるのだろうか・・・
主人公のイタイ女メイビスに、全面的に共感は出来ませんでしたが、でもどこか否定できない自分もいる的な、そんな微妙な線をうまく突いた映画だったなと思いましたね。 人生の勝ち組になれるのはほんの一握りの人間だけで、後は私も含めて大なり小なり人生の負け組に位置している訳ですが(その基準は人それぞれですが)、分かっていても地元の同級生に私負け組ですと認めることはまあ簡単には出来ないもので・・・。 だからと言ってメイビスのような行動も取りませんが、ありえない、イカレてると単純に笑うことも出来ないような、何とも心締め付けられる映画だったなと思いましたよ。 特にメイビスのようにあの美貌で、学生時代は女王の座に君臨していた女性だったら、尚更のことでしょう。 しかしそれを演じたのがあのシャーリーズ・セロンと言うのが、また何とも説得力のあるキャスティングでしたね。 今でも物凄い美貌ですが、学生時代は間違いなくクイーンだったと想像出来ますもんね、まさに近寄りがたいぐらいの美貌・・・周りからやっかみを受けるのもそれは勿論納得と言うか、高ピーな性格にもなりますよ、あの美貌なら。 ただ、現実を見ると、イタい、イタ過ぎる・・・37歳であの思考ですよ(苦笑) きっと現実になかなか直面しない職業だったからこそ、現実を認めないまま今まで来てしまったのでしょう。 どうやったら元カレから子供誕生のメールを受け取ってあんな行動が出来るんだ・・・。 しかしまあここまで突き抜け感があると、憎めない、どころか愛着すら湧いて来るから不思議なものです、そこはジェイソン・ライトマン監督の手腕もお見事だったと言えるでしょう。 勿論シャーリーズ・セロンが演じたから憎めないのであって、現実的にはもはやサイコです・・・が、よくよく考えるとメールの送り主も・・・とにかく女って怖い生き物ですねぇ。 そんなメイビスの心を救う存在となった、学生時代はいじめられっ子で最下層に位置していたマットとの交流は(その妹も含めて)、この映画の肝と言えましたね。 そこを経て最終的に彼女が辿り着いた境地は、よくある成長物語とは違った彼女らしいラストシーンで、とても印象的でした。 マット役のパットン・オズワルトが、ホントいい味出してましたね。 彼の作るあの秘蔵酒を、一度味わってみたい(笑)
オススメしない。
主人公も好きになれなかったけど、初恋相手のお嫁さんのタチの悪さは異常。(普通は〔旦那さんの元彼女=主人公を〕招待しないでしょうに…。)
※自分で招待しておいて、邪魔者扱いするとか、基地アウトにも程がある。
流石にあれでは、主人公が気の毒で仕方無かった。
思い出は思い出のままにしておくのが、一番良いのかも。
ラストのボロボロになった愛車を眺める(同じく心身の状態が、ボロボロになっている)主人公と愛車の無言のシンパシー「ボロボロでも、まだ走れる。」
そんな逞しさを勝手に感じた。
人の気持ちって、単純だけど複雑かつ厄介ですね…。(私も気を付けよう。)
鑑賞中しんどくて堪らなかったので、オススメはしません。
醜い心を捨てられない女性に見てほしい
個人的に、この映画は素晴らしかったと思います。 けれど、低評価をつける方の気持ちもわかります。 主人公は確かに「異常」で、あの歳になっても現実逃避ばかりしていて、痛々しい。普通の人に感情移入や共感は難しいのかも知れません。 けれど、人間だれしも、特に女性は、あそこまでいかなくとも主人公のような「醜い心」を抱えて生きているはず。 彼女はそれをかなり大げさに体現したような人物ですが、現実にもああいう人は少なからずいますし、自分も知らず知らずのうちにこうなっているのかも、もしくは今そうでなくてもいつでもこうなれるのかも・・・と思います。 主人公は心のどこかで変わりたいと思っていたはず。けれどなかなかできなくて問題を起こしてしまって。けれど人間それでも変わるのは難しいものですよね。 映画なら、1時間半、2時間内で主人公は変わる決心するものですが、現実世界ではものすごく時間がかかることで、少しずつしかできないものだと思います。 そう考えると、主人公が、主人公に憧れる女の子と話をしたあたりからエンディングまでの流れが、普通の映画では見られない感じで、見終わったあとにかすかな希望と、それだけではなく現実のほろ苦さみたいなものも残るもので、見ている方をすーっと何気なく現実へ戻してくれるような感じがしました。 そして、主人公は負け犬のようにも見えますが、個人的にはそうではないと思います。ただ地元のコミュニティに適応できなかったというだけのような気もするのです。あのコミュニティにいた人間達が絶対的に正しいのかと言えばそれはまた違うと思うのです。皆で彼女を憐れんで、それでも彼女を仲間に入れる「いい人達」を演じているようにも見えます。最初から彼女と同じ立ち位置にいない。もちろん過去のことのせいでそうなってしまったのだと思いますが。正直さでいえば、彼女の方が正直に生きているような気がします。なので、生きる場所は人それぞれということもあり、ああいったエンディングになったのかも。とも思いました。
今までで、もっとも醜悪なシャーリーズ・セロン。
ゴミが散乱した部屋、マスカラと口紅はどのくらい前からこびりついているのだろう?くすんだ肌、ひび割れそうな唇、悲鳴を上げながらヌーブラを引き剥がし、うるさい小型犬(ドルチェ)をベランダに追い出して、立ったまま食事をする。
届いたメールをプリントしようとするも、インク切れ。メイビスはインクに唾を落として、掠れたプリントを眺めて考える。冒頭、この一連の流れだけで、メイビスがどれだけ荒んだ生活をしているかが分かります。かなり痛々しい。しかも、「そんな私って、まだまだ素敵」と思っているから、質が悪い。正直、「モンスター」のシャーリーズ・セロンより醜いです。
でも、こういうメイビス的な女性って大勢いると思う。
高校・大学時代は美人で人気者で、社会に出てから「ちょいと私って、キャリアウーマン(死語?)」って思える場面があるけど、その後ぱっとせず。
都心のマンションに一人で住んで、小型犬か猫を飼って。
でも未だに、美しさの欠片が残っている(つもり)から、そこそこモテて。
でも行きずりの男と関係を持つけど、恋人にはなれなくて。
寂しいけど、満たされないけど、何が必要なのか分からない。つか、分かりたくない。分かったら、自分のアイデンティティが揺らぐ!
で、うっかり田舎に戻ると、同年代の友達は結婚してて子供が2~4(!)人いて。
太っておオバさん体型になって、日々の生活に追われて、お化粧もお洒落もしていなくて、自分より確実に10歳は老けて見える。
けど、何故だか、何故だか、何故だか、彼等が自分より幸せそうで、満ち足りているように思える。
ちょ、ちょっと待って!私の生き方は、間違っていた?自分の価値観が大きく揺らぐけど、田舎の人達のようには、絶対になりたくない!みたいな、そんな女性。
って、ここまで書いて来て、私じゃん!?と思って愕然。メイビスの生活環境や生い立ち(勿論容姿も!)は、違うけど、田舎→都会→田舎の私と、ほぼ、ほぼ、思考回路は同じだと思います。
メイビスの価値観は、田舎で揺らぎます。なので無理矢理、自分が間違ってなかったと証明したくなる。それが、高校時代の元彼とヨリを戻すというもの。
元彼は奥さんとラブラブで、子供も可愛がってるのに、何故か「元彼は不幸、田舎から逃げ出したがっている!」と思い込む。
エステに通いドレスアップして、元彼を振り向かせようと必死になる。
両親や高校の同級生にも、そう吹聴して回る。どう見ても、病んでるんです。あまりに痛々しすぎて、観るに耐えません。
メイビスの思考回路は、自分が書いてるYA小説そのままなんです。高校時代の、輝いていた頃の自分のまま。大人になれない、女。
でも、なんか、そんなメイビスの中にも、私を見たような気がする。YA小説、書いてないけど。
そんなメイビスの前に、高校時代の同級生:マット(パットン・オズワルト)が現れます。マットは高校時代にゲイと間違われ、集団リンチを受けました。その為、下半身に障害を持っている。メイビスは、マットの冷静で捻くれた分析を拒否し続けます。けど、決定的な事件が起こる。
本作を好きだと思ったのは、メイビスの生き方を否定してないからです。
今までの喪失→再生系映画だと、自分を理解してくれたマットと結ばれて、強引に幸せみーつけた!的な着地となる筈なんです。
本作はそうじゃない。一瞬、メイビスのアイデンティティは揺らぎますが、マットの妹=田舎に住む者の鬱憤代表に説かれて(励まされて)、また元の都会に戻って行きます。
一夜を共にして心を通わせた、マットも捨てます!励ましてくれた鬱憤代表には、「あんたには、都会は似合わない」と突き放します。流石、メイビス!田舎なんかきらーい!私は綺麗!私は格好良い!才能がある!だから、田舎は似合わない!
例え、メイビスが虚飾を好んで、生活が荒んで、痛かろうと、醜かろうと、でも、それがメイビスなんもん。このまま、行けばいいんじゃね?だって、幸せって人それぞれじゃん。
みたいな。
見ている間中、ずっと苦笑いが止まりませんでした。だって、メイビスの中には、私がいるんですもの。私はメイビスほど自己暗示能力がないので、田舎の幸せ者の笑顔にたじろぎますが……。
シャーリーズ・セロンは、ほんとボロボロなんですが、その汚い普段着でさえ格好良く、ドレスアップしたら、当然美しく。女性の多面性を、見せられたような気がしました。
YA小説のゴーストライター(厳密にいうと、ゴーストではないけど。原案者が有名なので、実質的にはそうと言える)とか。YAは日本でいうと、「TL(ティーンズ・ラブ)」でしょうか。
見ちゃいられん
この役、シャーリーズセロンはちょっとあれでないかなー あそこまでの美貌なら死ぬまで苦労しないんでないかと思っちゃいました。もっとふさわしい女優がいたんでないかな。 でもシャーリーズセロンの演技は最高でした。 命名パーティのあるシーンは本当に目をふせたくなるようないたたまれなさでした。 笑えるようだが、救いはない。 何回でも見直したくなる作品でした。
なんでこんなに見てて辛いの!
男の人がいつまでも少年のようなのは見てて可愛いというか素敵、なんて思ったりするのに。 女性が年月とともに成熟しないのはどうしてこんなにも痛々しいのでしょう。 女の私には見ていて辛すぎました。JUNOは大好きです。
一人の女性の醜さ…
なにを求めて、なにを考え、自分に溺れてしまった結果に多くを失ってしまった…。
恋することはいいことだとは思うが、禁断の恋もある。しかも実らない…。
多くの人を巻き込んでいた彼女は、実はまわりのみんなから変な心配をされていて…
なんか悲しい結末だねw
笑えない
「大人になるとは自分が特別ではないことを知ること」 自分は特別、人とは違う しかし大人になるにつれて、理想と違う自分を受け入れられるようになっていく。 なんかそんなことを考えてしまいました。 自分は特別だって思いたい故の彼女の行動、なんなとなく分かるからこそ、笑えない! 傍目から見たらイタイ彼女にも、今だ羨んでくれる人がいた! そんな救いを最後に残してくれています。 最近いろいろと反省することの多い自分には考えることも多い映画でした。
これがアタシの生きる道
メイビス・ゲイリー。 30後半で、バツイチ。仕事はゴーストライターだが、続いていたYA小説が最終回間近。友は愛犬とアルコール。 そんな彼女の元に、昔の恋人から「赤ちゃんの誕生パーティーにお越し下さい」とのメールが届く。 メイビスは一路、故郷へ向かう。 シャーリズ・セロン主演のコメディ・ドラマ。 美人のシャーリズが演じれば演じるほど、ヒロインの迷走がイタい。 メールをくれた=まだワタシに気がある。 部屋着のまま愛犬と荷物を持って車を走らせる。 田舎町の飲食店で久々に会うのに、気合い入れ過ぎのバッチリ衣装とメイク。 戻って来た理由を不動産関係で〜とか、超人気のYA小説を書いてる〜とか、見栄を張る。 昔タカビーだったせいか、周囲の目は冷ややか。 それでも気にしない。輝いていたあの頃よもう一度…とばかりに、ヨリを戻そうとする。いや、相手に既に家庭があっても、ヨリが戻ると思い込んでいる。 イタイを通り越して、勘違いも甚だしい。 間違いなく同性に嫌われるタイプNo.1だが、見ているとだんだん同情してくる。 何故なら、メイビス自身が、自分が孤独で悲しい女である事をちゃんと分かっているから。 分かっているから、見栄を張ったり、周囲が呆れる言動で、さらに空回りを繰り返してしまう。 人並みの幸せが欲しいし、人生の意味を見出したい。 今回のイタイ里帰りで、メイビスは自分を見つめ直す。 映画はもっとコメディ色が強いのかと思ったら、皮肉チクチクでしんみり。でも最後はちょっぴりの応援歌。 シャーリズ・セロンがハマり役。 メイビスの相談相手役パットン・オズワルドが好演。
『恋愛版バイオハザード』
歳とったからか、刺激に慣れてしまったからか、血しぶきドバーとかモンスターがおーとかいう場面で辛いと思うことは少なくなったけれども、その反面“バツが悪い場面”とか“痛々しい場面”なんかは厳しいものがある。
そういう意味では残酷シーン満載の『恋愛版バイオハザード』な映画だと思う。
ただし、主人公のエイビスを、例えば『危険な情事』のグレンクローズや『ミザリー』のキャシーベイツのような“モンスター”として観るか、もしくはそれこそ『バイオハザード』のミラジョボビッチや『エイリアン』のシガニーウィーバーとして観るかによって大きく評価が分かれるような気がする。
たくさんのレビューや感想で、主役のエイビスが「懲りてねー」とか「成長してねー」とかで「不快だ!」という意見が多いので、おそらく前者の視点が多数派で、たぶん吹替版の声優さんもそーゆーニュアンスで演じてたと思う。
僕自身もラストシーンの車(ミニ?ミニクーパー?)の正面カットまではどっちか決めかねていたんだけども、バンパーも取れちゃったボコボコの状態がアップになったことで、後者だと確信した。
その確信をもって物語を思い返すと、グンと味わいが深まる。このバイオハザードのラスボスは誰だったのか?それはもちろんあの、ドラム妻である。
クライマックスのあのパーティー、エイビスを招待しようと言い出したのはドラム妻だったと、室伏似ハンサムは明言している。しかも、エイビスの辛い状況、精神的な衰弱を知ってた上での招待である。最初の自宅訪問で、エイビスが室伏ハンサムに未練タラタラだということには当然気付いていただろう。その上でライブの夜、室伏ハンサムをエイビスに送らせている。まるでワザと隙を見せ、罠に誘い込んでの公開処刑じゃないか。そりゃあ白いブラウスの胸元も(心の)血で真っ赤になるわ。
そして翌朝の、男友達の妹との会話の場面。一見『フォローしてもらっておきながらデリカシーのない返答をした』というように見えるんだけれども、実は『都会のキツさが見えてない子供じみた憧れを突き放した優しさ』のように思えてくる。
そしてラストシーンの車である。ボコボコなのは分かっている。充実のシティライフも、故郷の温かな居場所も、結局どちらも虚構だった。でも、だからこそ自分の心は折れてはいけない。ひとりでまた、孤独な都会に戻り戦うのだいう矜恃を感じさせる、素敵な締めくくりだったと僕は思う。
セクシーなシャーリーズセロン
主人公のキャラクターのとる行動が可笑しいが 等身大の共感を得られるような 車の中で何度も口ずさんでいた曲 サウンドトラックも気になった シャーリーズセロンの魅力が十分に堪能できる佳作 ホモ疑惑の同級生との え?まさか?のサービスショットもあり
君は大人になっていない!
映画「ヤング≒アダルト」(ジェイソン・ライトマン監督)から。
生まれ育った田舎を捨て都会へ行き、ある程度、成功した。
しかし、都会の生活に疲れた主人公の彼女は、
既に結婚している学生時代の元カレと寄りを戻そうと帰郷し、
色気を振りまきながら、あの手この手を使うがうまくいかない。
それもそのはず、長い年月が、田舎に残った同級生たちを成長させ、
昔のイメージで「自分が最高に魅力的」と突っ張る彼女を
懐を広く迎えながらも、幸せの定義の違いを見せつけたと言える。
「僕ならそんな話は人にせず、精神分析に行って医者に話す」
「何があったのか、君の想像かは知らないが、過去は過去だ」
「君に人の幸・不幸が、わかるのか?」
「何をする気だ? どうかしている。帰ってくれ」
「君は正常じゃない。孤独で理性を失っている」
こんな台詞が散りばめられているのに、彼女は気付かない。
いや、気付こうとしない、気付きたくないのかもしれない。
そんな彼女に、古い友達たちはこう言いたかったのだろう。
「君は大人になっていない!」
おばさんかわいそう
そこそこ成功したクリエイターの中年女性が高校時代女王として君臨していた過去にすがるために田舎に戻ると回りからは総スカンで冷や水を浴びせられるというお話だった。 主人公のおばさんが美女は美女だけど顔の険が非常にきついだけでなく、性格もとても悪くてアル中でヒステリー気味という超絶に苦手なタイプだった。また飼い犬にとても冷たくて犬がかわいそうでならなかった。 高校時代の彼氏に行為を抱かれているとずっと思っているけどやっぱり錯覚で相手にされず、すがりつく相手が足の不自由なキモデブ中年だった。しかしそんな彼とセックスをする時も「あの憧れで、指をくわえているしかなかった私を抱けるのよ!」と言わんばかりの鼻持ちならなさで、とてもムカついた。キモヲタ中年が好きな女は健気な黒髪メガネ女子とかで、アル中ヒステリー女なんか一番嫌いなタイプだということをまるで分かっていない。バカにするのもいい加減にして欲しい。 主人公はまるでいいところがなく、本当に嫌な気分になる映画だった。しかしそうは言っても気の毒は気の毒であった。お金を払って嫌な女のひどい生き様を見させられてげんなりした。
女王様は哀しい。
今作を笑えるかどうか。
そこが価値観の分かれ目のような気がするけど、
私は正直、笑えなかったなぁ。
見れば見るほど彼女の行動がイタイ。そこまでいくか。
これが映画ならではのキャラで、あり得ないよね~なら
笑い飛ばせるのに、実際にこういう女って存在するのだ。
レイトショーで観てしまったため、どうも寝入りが悪かった。
いい悪いというよりも、面白い面白くないというよりも、
結局問題提起だけして解決がなく、周囲は投げっぱなし。
私は成長したのよ!なんて息まく主人公(相変らず)と裏腹に、
これだけのフラストレーションを観客は見事に被ったのである。
ある意味、すごい作品である。
そしてそのイヤ~な女の役を、よくぞやったS・セロン!
美人という持ち味を最大限に活かして^^;怠惰で自己中で、
まさしくヤングアダルトな女性を演じてみせた。さすがだね。
インタビューで彼女は、見たことのない自分を見せたかった、
これが彼女?と思ってもらえたら、すごく嬉しいと語っていた。
何にでもチャレンジする女優だなーと思う^^;
いやしかし~。どうですかね、この女性像。
ここまで酷いのはいない?としても(故郷に帰ってここまでやるか)
勘違いしっぱなしの女は多いですよねぇ、いつも自分が一番の。
観ていて面白いと思ったのは(たまたまかもしれないけど往々に)
学生時代に派手だった子って、社会に出てアレっ?なのが多い。
逆に誰このヒト?と目立たない子が、おぉ!の如く出世している。
私は同窓会とか出てないので分からないが、そういう情報を
いちいち流してくれる悪友はいるんである。今だに情報がくる。
どうでもいいじゃん、他人の人生よ。なんて思ってはいるが、
自分の知らないところで情報は走ってるんだなぁと変な気がする。
今作でいちばん怖かったのは、
息巻いて田舎をバカにする彼女が、いちばん哀れまれてる部分。
皆が彼女の実状を知っていて、今どうなのかも分かっている。
そこにまったく気付かない^^;、どこまで哀れなんだ^^;、と思う
この女(爆)が、これまたまるで萎れないところもスゴイ。強固。
自身が決めたこの世界、を揺るがすことなく邁進する狡猾さだ。
常に他人に気を使ってばかりで、やれ「疲れた~疲れた~」を連発
する人には、いちばん迷惑で、いちばん羨ましい相手かもしれない。
子供は、正直で我儘だ(本来は)。
思ったことを口にし、気に入らなければケンカして、しまいには
泣きわめいて、すべてを解決しようと図る。
子供時代に思いきり女王様を味わえば満足して大人になれるのか。
いやいや、そのまま女王様で周囲に迷惑をかけ続けるのか。
だけど今作で面白いと思ったのは、そんな女を愛おしいと思える、
特異なキャラの男性もいるってことだ。ホント人間ってのは懐が広い。
その彼でさえも置き去りにし(爆)その妹にも捨て台詞を吐き(汗)
自分だけ成長した!気分で意気揚々と帰っていく彼女がまた凄い。
今度は彼女のシニアな姿でも観てみたいが、多分成長はしてない。
(セロンも普段はああいう格好してるそうですよ^^;あらまぁ不思議~)
ブサイクな美人さん。
その美貌で学生時代には皆の憧れの的だったエイビス。 だけど今は仕事もうまく行かず、ペットとお酒だけが癒しのバツイチ37歳。 そしてその現実を見つめる事もできず、過去の栄光が今も続いてると本気で思っちゃってるイタ〜いオンナ…。 大好きな映画「JUNO/ジュノ」の脚本家さんの新作っていうからワクワクして観に行ったんだけど、う〜ん…期待していたほど共感は出来なかったな。 そりゃオイラには、そんな華々しい過去もなければ、一応は現実を見てる…なんなら足掻いてるつもりでもいるからさ。 とは言え、 エイビスに対して「わゎ〜!いるいる〜こういうヤツ!」とか「ヒドい女だな〜コワッ!」なんて思いの中に、実は彼女をどこか責められない気持ちもあったりして…コレって共感? 個人的には、 ステキなアパート住まいなのに、彼女の部屋にはポリプロピレンの引き出しや紙製の衣装ボックスが置かれてる…っていう細かいリアリティーがツボだった。 それと、 美人さんな上に張り切って着飾っているのに、それでも内面から滲み出てしまう醜さ…それがホントにリアルでドキッとしたよ。 それを演技でやっちゃうんだから、シャーリーズ・セロンって凄い女優さんなんだな〜!と思たわ。 まぁ何だかんだ言って、すんなり観られたしチョイチョイ笑えたし、楽しんでまいりましたとさ。 チキチンッ♪
「≒」はマジカルミラー
部屋の中は散らかしっぱなし、Tシャツにジャージでペットボトルのコーラをガブ飲みしたうえにゲップ。まさに「JUNO」のノリである。エレン・ペイジが演るようなことを、シャーリーズ・セロンがあたかも普段からそうであるように平然とやってのける。 ただの子供の誕生パーティーの招待状を、何を勘違いしたか、育児を放り出したくなった昔の男からのSOSと勝手に解釈。間違いを間違いとも思わず、“勘違いの復縁”を迫るだけならコメディだ。笑ってすませられる。 ところが、ここに登場する30代の女・メイビスは心底マジなのだ。 こうなると、ただひたすらイタい。それも自分のことしか考えず、周りから白い目を向けられて孤立すると、反省もなく逆ギレする。もはや哀れを通り越して不快でさえある。 ところが(ところがを敢えて重ねる)、こんな女でありながら何故か憎めない。 鏡に向かって「私って綺麗?」を連呼するような(そういや、そういう役で出る他の作品も公開間近)鼻につく女に、つい味方してしまうのはなぜだろう。 シャーリーズ・セロンが美人だからではない。 メイビスが何かすればしただけ、彼女が何もないと思っているこの小さな田舎町で、自分だけが何も持っていないことを思い知らされていく。だけど旧知の人々の前で、自分が負け組だと絶対認める訳にはいかない。 その心情を察すると、勇気を持って町を出たメイビスの方こそ皆の羨望なのだと伝えて応援したくなるのだ。 これは、代弁してくれる人が登場する。 邦題に「≒」をつけたアイデアは実に上手い。 「ほぼ同じ」という数学記号だが、文字列に入れ込むと「紙一重」とも取れる。 元カレ≒デブ男マット。見た目は違うが、メイビスの本質を見抜いているのはどちらだろう? 負け組≒勝ち組。恥を晒しただけの旅も、それを糧にすれば作家として新境地が開けるかも? ヤング≒アダルト。良識ぶったりせず、自分らしさを失わずに歳を重ねられたら、どんなに素敵だろう。 「≒」とは、人生に人とはちょっと違う希望と楽しみをもたらすマジカルミラーの記号かも知れない。これをタイトルに使うとは、目に飛び込む印象も含めて素晴らしい。 もちろん、ダメな女を演じたシャーリーズ・セロンも素晴らしい。どんなに鼻についてアタマにくる女でも、決して憎ませないさじ加減が妙。 この映画、心底笑えないのは、男女に関係なく、自分にも思い当たる節があるからではないだろうか?
全40件中、21~40件目を表示