劇場公開日 2012年9月1日

  • 予告編を見る

最強のふたりのレビュー・感想・評価

全459件中、1~20件目を表示

4.5【93.0】最強のふたり 映画レビュー

2025年10月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

作品の完成度
実話に基づく題材を扱いながら、社会的メッセージ性を前面に出すことなく、普遍的な人間ドラマとして昇華させた手腕が見事な完成度を誇る作品
頸髄損傷で車椅子生活を送る富豪フィリップと、セネガル移民出身で貧困層の若者ドリスという、フランス社会における二つの「隔絶された世界」を象徴するキャラクターが出会い、互いの価値観を認め合う過程を、ユーモアと感動の絶妙なバランスで描き切る
シリアスなテーマを扱いつつも、湿っぽさや「お涙頂戴」的な演出を徹底して排し、軽快なテンポで物語を進行
この「重すぎない」トーンこそが、観客がフィリップとドリスの関係性を素直に受け入れ、共感し、最終的な感動へと導かれる最大の要因
文化、階層、身体的制約というあらゆる壁を超えた真の友情のあり方を提示し、観客に深い幸福感と生きる活力を与える点で、極めて高い芸術性と娯楽性を両立
フランス映画としては異例の全世界的な大ヒットを記録し、その年のフランス興行収入一位を達成
フランス国外でも高い評価を獲得した事実は、本作が持つテーマの普遍性と表現の完成度の高さを証明
受賞歴
第24回東京国際映画祭:東京サクラグランプリ(最高賞)、最優秀男優賞(フランソワ・クリュゼ、オマール・シー)
第37回セザール賞:主演男優賞(オマール・シー)受賞、作品賞、監督賞など計9部門ノミネート
第36回日本アカデミー賞:最優秀外国作品賞受賞
ゴールデングローブ賞:外国語映画賞ノミネート
英国アカデミー賞(BAFTA):外国語映画賞ノミネート
監督・演出・編集
監督はエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュの共同監督
実話の持つ重みを理解しつつ、物語の核心である二人の交流に焦点を絞った演出
フィリップの抱える苦悩や孤独、ドリスの持つ荒削りながらも純粋なエネルギーを、過剰な説明や感傷的なカットを避け、自然な日常の描写を通じて表現
特に、ドリスがフィリップの介助を、従来の介護の枠を超えた「対等な人間関係」として捉え直していく描写の巧みさ
ユーモアとシリアスの場面転換のテンポが非常に良く、全編を通じてリズム感が保たれている
編集はドリアン・リガル=アンスー、特に序盤の疾走感あるシーンと、二人の関係性の深化に伴うゆったりとした描写の緩急のつけ方が絶妙で、物語に引き込まれる要因の一つ
キャスティング・役者の演技
主演
フランソワ・クリュゼ(フィリップ)
首から下は動かないという難役に挑み、主に顔の表情と声のトーンのみでフィリップの感情の機微を表現
上流階級の知的な品の良さと、事故による身体的制約、そして孤独を内に秘めた複雑な心境を見事に演じ切る
ドリスの奔放な行動に対する当初の困惑から、次第に心を開き、人生の喜びを取り戻していく過程を、微細な目の動きや口元の変化だけで表現
その繊細かつ深みのある演技は、観客がフィリップの「魂」に触れることを可能にし、物語にリアリティと共感性をもたらした
オマール・シー(ドリス)
エネルギッシュで自由奔放、裏社会にも通じた若者ながら、根は優しくまっすぐなドリスを魅力的に体現
その圧倒的な存在感と天性の明るさが、フィリップの閉塞的な生活に文字通り「風穴を開ける」
彼の発する飾り気のない言葉や、身体を大きく使ったコミカルな動きは、映画全体のユーモアの源泉
フランソワ・クリュゼとの対照的な演技スタイルが、互いを引き立て合い、化学反応を起こす
第37回セザール賞主演男優賞を受賞した演技は、単なるコメディの域を超え、深い人間愛を表現
助演
アンヌ・ル・ニ(イヴォンヌ)
フィリップの秘書として、フィリップの日常と精神的な安定を支える重要な役割を担う
ドリスの不適切な行動に厳しく対処しつつも、彼の人間性とその介助者としての資質を公平に見極める理性的な人物像を表現
その誠実さとプロ意識は、フィリップの生活の土台となり、ドリスの成長を見守る母親的な視点も併せ持つ
時に見せるフィリップへの深い配慮は、言葉少なながらも印象的
オドレイ・フルーロ(マグリ)
フィリップが想いを寄せる文通相手エレノアとの連絡を取り持つ女性として登場
当初はビジネスライクな関係だが、ドリスによってエレノアとの関係に踏み出すよう促されるフィリップを見守る
知性と優しさを兼ね備えた大人の女性の魅力を自然体で表現
アルバン・イヴァノフ(バスティアン)
ドリスの親戚の一人として登場
登場シーンは少ないながら、ドリスの人間関係や、彼が元々いた環境の一部を垣間見せる役割
ドリスの抱える家族への責任感や、彼自身のルーツを理解する上で重要な背景を提供する
脚本・ストーリー
実在の人物、フィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴとアブデル・セッローの交流を基にした物語
社会の分断や差別といった重いテーマを背景に持ちながらも、本質的には二人の孤独な魂の出会いと、友情による再生の物語として構成
型破りな介護人ドリスと、形式を重んじるフィリップの対比から生まれるコメディ要素が物語を軽やかに運び、観客を飽きさせない
ストーリーテリングはテンポ良く、必要な情報のみを提示し、観客の想像力に委ねる余地を残す
特にドリスの過去やフィリップの心情の深い部分を、セリフではなく行動や状況で語らせる点が優れている
物語の終盤、フィリップの再出発をドリスが優しく後押しするクライマックスは、感動的かつ爽快な結末を迎える
安易なハッピーエンドに終わらせず、二人の関係が人生の次の段階へ進むことを示唆する点が秀逸
映像・美術衣装
フィリップの邸宅は、パリの高級住宅地に位置し、美術品や古典的な調度品に囲まれた上流階級の優雅な生活空間として描かれる
対照的に、ドリスの住む移民街の公営住宅は、活気に満ちながらも混沌とした日常を反映
この二つの異なる世界を対比的に描き出すことで、フィリップとドリスの背景にある社会的な隔たりを視覚的に表現
衣装は、フィリップが常にエレガントな仕立ての服を着用するのに対し、ドリスはストリート色の強いカジュアルな服装
この対照が、キャラクターの個性を際立たせる
映像は全体的に温かみのあるトーンで統一され、感動的な場面では光の使い方が効果的
音楽
ルドヴィコ・エイナウディによるピアノ曲を主軸に、アース・ウィンド・アンド・ファイアー(Earth, Wind & Fire, EWF)などのファンク、ソウルミュージック、クラシック音楽が効果的に用いられている
フィリップの洗練された内面を表現するルドヴィコ・エイナウディの静謐なピアノ曲「Una Mattina」や「Fly」は、物語の感情的な深みを支える
一方、ドリスの持つ生命力や自由さを象徴するのが、EWFの「September」や「Boogie Wonderland」、ジョージ・ベンソンの「The Ghetto」などのソウル・ファンク
特に主題歌と明記された楽曲はないが、ドリスの介助初日の朝に流れるEWFの「September」が、映画の象徴的な場面で使われ、作品の軽快でポジティブなトーンを決定づけている
この新旧、ジャンルを超えた音楽の融合は、フィリップとドリスの異文化交流を音楽面からも表現する重要な要素となっている
作品
監督 エリック・トレダノ
オリビエ・ナカシュ
130×0.715 93.0
編集
主演 フランソワ・クリュゼA9×2
助演 オマール・シー S10×2
脚本・ストーリー エリック・トレダノ
オリビエ・ナカシュ
A9×7
撮影・映像 マチュー・バドピエ S10
美術・衣装 A9
音楽 ルドビコ・エイナウディ S10

コメントする (0件)
共感した! 0件)
honey

4.0馬が合う?

2025年10月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

驚く

癒される

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
竜

4.59月も終わりになるので

2025年9月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

幸せ

オープニングで流れるSeptemberのと、社会福祉士として働き始めた年に公開された映画だったので、とても感銘を受けた記憶があり、久しぶりに観たくなってアマプラで鑑賞しました。

この作品を観て、勉強でカチカチになった福祉観がフワッと軽くなって、柔軟な考えを持つことが出来るようになったきっかけにもなりました。

とても好きな映画の1つです。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
民主主義の豚

4.5どっちに軍配?

2025年8月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

興奮

幸せ

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
映画イノッチ

5.0シリアスとジョークのバランス

2025年8月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

介護をするってとても体力と気力がいるし、善意だけではままならない大変な事だと改めて思いました。
スラム街に住んでその日暮らしに仕事を探す気もないドリスと事故による下半身麻痺で車椅子生活の大富豪のフィリップ。
最初は相性が悪そうで喧嘩でもするかと思っていましたが、2人が打ち解けていくにつれ、ドリスのユーモアやジョークとフィリップの包容力がうまくマッチしていてとても楽しい雰囲気の作品でした。
元気が出て温かい気持ちになれたので、また見たいと思います。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
qq

5.0大好きな映画

2025年8月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

幸せ

心温まる大好きな映画。
なんだろ、観ていて幸せになる。
大好きすぎて、何度も観ている。

正反対の環境で育った2人だからこそ、惹かれ合い友情がうまれるのが分かる。実際にあった話がベースと言うのもまた良い。

ラストシーンの女性と会話しているフィリップの笑顔がたまらない。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
いちごだいふくもち

4.0私は介護士を目指す学生です

sさん
2025年8月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

幸せ

夏休みの宿題で観賞。
以前から気になってはいましたが、
実話ベースとかフランス映画とか全然知らなかった。
介護の最適解ではないけれど
ふたりにとっては大正解ですね。
大富豪の専属介護士なんてなかなかないし
無免許運転やマリファナは真似できないけれど
個別ケアとアクティビティケアはお手本のようでした。

BGMがせつなすぎるのがマイナス。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
s

4.0手離しで称賛してしまいたい。が・・・

2025年8月5日
Androidアプリから投稿

リメイクも多く普遍的に愛され続けるフランス発ヒューマンコメディ
嫌な意味で裏切ってくる展開もなくとても気持ちの良い作品なのは間違いないが、「ステレオタイプが過ぎる」などの否定的な意見にも耳を傾けたくなる

パリの大富豪フィリップは全身麻痺である自身の介護人を選ぶための面接会を開いていた
そこにやってくる黒人のドリス。粗雑でデリカシーに欠ける言動も多い彼だが、そこが逆に印象に残ったのかフィリップに新しい介護人として選ばれることに

境遇も性格も趣味嗜好も全く異なる二人だが、それよりも大切な部分で噛み合った歯車が小さくも美しい物語を動かしていく・・・

リメイクも含めて初見の私は『グリーンブック』を思い出した
富豪で黒人の金持ちピアニストとそこに雇われる白人。ちょうど真逆の設定だからだ

個人的にはどちらも手離しで称賛してしまいたいくらい好きな作品だ
しかし、これはあくまで人種差別を直接的に感じず生きてこられた一日本人の感想

そうでない意見にも触れ考えを巡らすこと、それも忘れてはいけない大切なことだろう

コメントする (0件)
共感した! 0件)
作務衣もん

3.0介護する立場になって思う

2025年7月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
ぽん

5.0面白い

2025年6月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他

笑える

楽しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
めるしー

3.0特別視しない対等な関係

2025年6月8日
スマートフォンから投稿

幸せ

障害者だから、富豪だからと特別扱いの態度を取らない。
犯罪者だから、黒人だから、無職の放浪者だからと特別視しない。
二人は対等な関係で、だからこそ心から心地良く分かり合えたのではないかと思う。
実話に基づくというのが素敵でした。エンドロールで実在の人物の近況を聞けて嬉しくなりました。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
wataridori

1.5違和感ばかりが残った、“最強のふたり”

2025年5月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
月乃

違いを笑って、受け入れて、認め合える関係っていいな。

2025年5月12日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

泣ける

笑える

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
尾田将志

4.0カラッとした映画!

2025年5月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

幸せ

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 5件)
ももえもん

4.0まさしく最強

2025年5月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

首から下が事故で麻痺した大富豪フィリップとそれを介護する貧民街出身の青年ドリスとの厚い友情を描いたヒューマンコメディ。実話を基にしているとの事だが何か上手くいきすぎているところもあってそこまでの感情移入は無かった。だけどドリスのフィリップへの飾らない接し方がとても上手く描かれていて感動させられる。障害や差別に流されずに一人の人間として普通にドリスが接するので見ているこちらもニヤリとさせられるシーンもあった。人にとっての本当の幸福とは何かを考えさせられる良作の明るいコメディだった。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
maku

2.0パラグライダーのシーンだったり劇中歌とかは好き。 ただ1回目見た感...

2025年5月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

パラグライダーのシーンだったり劇中歌とかは好き。
ただ1回目見た感想では山場がない?やっぱり敵対してる人物とかがいないから派手な描写が好きって人には退屈かも。
時間置いていつか2回目見ます。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
バルス

4.5埋まらないはずの溝

2025年4月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

幸せ

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 6件)
すけあくろう

4.5本当に最強のふたり‼︎

2025年3月17日
iPhoneアプリから投稿

笑える

楽しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 6件)
たいやき

3.0最初の

2025年3月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
Nana Shinozaki

3.0確かに題材も演技も良かったけど過大評価されてる作品だと感じた。

2025年2月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

確かに題材も演技も良かったけど過大評価されてる作品だと感じた。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
uma
PR U-NEXTで本編を観る