ピアノマニア

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ピアノマニア

解説

ピアニストを影から支える調律師にスポットライトを当てたドキュメンタリー。フランスの名ピアニスト、ピエール=ロラン・エマールが、バッハ晩年の未完の傑作「フーガの技法」を録音することになり、演奏するピアノにスタインウェイ社の逸品「245番」を選ぶ。スタインウェイ社の技術主任でドイツ人調律師のシュテファンは、バッハ時代の古楽器を研究し、エマールからの細かい注文にも丹念にこたえながらピアノをたくみに調整していく。究極の響きを求めるピアニストと調律師の共同作業を追う一方で、ラン・ラン、ティル・フェルナー、アルフレート・ブレンデルら、シュテファンに絶大な信頼を寄せる名演奏家たちの貴重なリハーサル風景も盛り込まれる。

2009年製作/97分/G/オーストリア・ドイツ合作
原題または英題:Pianomania
配給:エスピーオー
劇場公開日:2012年1月21日

スタッフ・キャスト

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(C)OVAL Filmemacher / WILDart FILM

映画レビュー

5.0音、綺麗過ぎ。

2019年4月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

2度目の観賞。
「羊と鋼の森」を観たあとに久しぶりにこの「ピアノ・マニア」に戻った。

いやー、改めて面白かったですね。
のめり込んで画面に見入り ヘッドフォンに全神経を集中させました。

2000万のピアノを使い倒すプライスレスな人々のドキュメンタリー。
音、ん~、綺麗過ぎ!

大家エマールは妥協しないし、調律師シュテファンもくじけない。

でも痩せていくシュテファン・・
可哀想でいたたまれなくなってきた終盤
「落胆はしない。これは私の研究なのです」とシュテファンは自らに言い聞かせるように問いに答えた。
強がりを言ってはいるが、愛犬は心の慰め。夫の修羅場を外してくれている妻からの応援はチーズケーキ。

エマールもシュテファンを褒めてはいるんですよ、何度も。でも現場が余りにも熾烈過ぎてその褒め言葉が残らないんです。

調律。それは決して終わりも最上も存在しない世界。その理想追及のレコーディングの作業で、「これでいこう」とGO サインを出すのはどんなに難しいことか。
CDという形になって世に出されてしまえばケチも非難も覚悟だ。やはり最善を尽くすしかないよね。

あと楽器は#780か#109か#245か。
早い者勝ち。その辺の攻防もドキドキが止まらなかった。
シュテファンは選から落としたシリアルナンバーは明かさない。彼はスタインウェイの社員というくびきも負っているからだ。

結局、調律師も録音エンジニアもディレクターもホールスタッフも、(穏やかながら)たくさんの注文と質問に遠慮のない演奏家エマールの揺るがぬ理想を信じて、彼 エマールのためにやれる限りのサポートをして行くしかないのだ。

僕自身、自分の演奏を50テイクほど録ってもらった事があったが、最後は自分でも何がなんだかわからなくなってしまった(笑)。これでは駄目なんですよね。やりたい事が自分で確定してないし、やりたい事を実現するテクがそもそも備わっていない・・これがプロとアマチュアの違い。
エマールもシュテファンも揺れずにぶれずに自分の音と自分の技術への確信を手にしている。録音技術者たちもしかり。
だからお互いに敬意をもって意見も出来る。

ブレンデルは言う「シュテファンが手助けしてくれる」。
歌曲の伴奏のジュリアス・ドレイクも声をかける「苦労したのかな?」。
このねぎらいの一言はシュテファンは嬉しかったはず。

唸りました。職人芸への讃歌でした。
コンサートのプログラムやCDのクレジットには調律師の名前はぜったい落としてはならないです、名前を残すべきと思います。

あと触れるべきは出演者皆がフランス語ドイツ語、英語と縦横自在に喋れるのは、やっぱり地続きのヨーロッパ人の得をしてるところ。シュテファンの柔らかいオーストリアドイツ語も聞き所だな。

・・・・・・・・・・・・・

で、
「羊~」の山崎賢人くん? 是非この映画を見て下さいね。あなたの暴言=「コンサートチューナーへの夢」は諦めたほうが良いと思うよ。あのきみの最後の一言で★ 減らしましたから。

追記:
・調律師は相性がある。探すべき。ベストパートナーを。
・#109の追っかけでメルボルンへ行く人間もいるかも。
・ラン・ランのシューベルトのファンタジーに陶酔(映像なしBGM )。

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きりん

4.0プロの音へのこだわりと追求

2018年9月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ピアノのメーカーと言えばYAMAHAくらいしか知らなかった。スタインウェイ社のグランドピアノは、好きなアーティストの鈴木祥子さんがライブで弾いているので初めて知った。

昔、10年近くピアノを習っていた。親戚のお下がりで、調律なんてされてなかったとおもう。エレクトーンを習いたかったので、鍵盤の重さやらペダルの使い方が気になってあまり楽しめなかった。教本はソナチネ止まり。ジャズを習っていたら、ピアノ好きになったかもしれない。

このドキュメンタリは音への追求を演者と職人が協力して徹底的に行っている様を切り取っている。ホールでの響き方、オーケストラとの共演の有無、ピアノの個性…様々な要素が絡み合う。

完成されたものを聴いているので、その音作りの過程はわからないし、正直こだわりも理解できない。
作り手の気持ちが一片わかった気がした。
終盤のピアノ録音で音の違いがわかったとき、とても嬉しかったから。

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marin33

3.5調律師のこだわりが良い

2016年9月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ピアニストの音へのこだわり。
調律師の音へのこだわり。

ほんとに、何かに特化してこだわってる人は
かっこいいなあ、と思った。
これが、プロ。職人。

ピアニストと調律師。
お互い音へのこだわりがある者同士だからこそ伝わるニュアンスみたいなのがあって、
それ見ると「はあ〜〜」ってため息でるほど、
なんていうか、尊敬というか、
わかんねーけど、すごいわあ、って思った。

調律師の感じ良かったなー。
旦那さんにして、その仕事こだわって頑張ってる感じ、そばで支えたい、と思ったー笑

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cris

2.0感性の仕事

2016年5月3日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

ピアノ調律師の凄腕職人っぷりとピアニスト達の凄腕演奏っぷりがうまく映像に納められていると思います。
因みに、映画的要素は低く、調律師の棒読み感が…。

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にゃんた