ミッドナイト・イン・パリのレビュー・感想・評価
全206件中、1~20件目を表示
いつの時代も「昔は良かった」と言われている
行き詰まったハリウッドの脚本家が小説家に転身しようとしている。芸術の都、パリならばインスピレーションが得られるだろうと、引っ越しを提案するが、婚約者からは嫌がられる。そんなある日、夜中に主人公はタイムスリップして、彼が黄金時代と称する1920年代の世界に迷い込む。
過去を美化する傾向は、多かれ少なかれ誰にでもあるものだと思う。「昔はよかった」という言説は、いつの時代も聞かれるもので、この主人公も友人にそんな考えは「黄金主義思考」だとバカにされている。
しかし、その黄金時代に行ってみれば、その時代の人々も19世紀のベル・エポックの時代は素晴らしかったと言っている。おそらくベル・エポックの時代の人間も、さらに昔を良かったと言っているに違いない。
それを知った主人公は、「黄金主義思考」を捨てようやく現実で前向きな選択をすることができるようになる。「昔は良かった」とぼやき始めたら、戒めのために見返したい映画だ。
パリを満喫
久しぶりに再鑑賞
パリの街並みや観光名所が
美しい映像であらわれる。
パリで生きた芸術家たちが
続々とあらわれる。
タイムスリップして
生きている芸術家たちに
会ってみたいという願望や
パリへの憧れのつまった作品だ。
ただ
現代の登場人物の考え方が
あまりにも薄っぺらくて
恋愛話にも共感できないため
−1点
残念だ
文芸の偉人たちに
時空を超えて会える
まさに夢のような時間の話。
こう言ったオールスター的な映画は
いくつかあって、そりゃ好きな偉人たちなら
ワクワクは止まらないだろうと思う。
しかし過去にウディ・アレンは憧れの映画スターが
スクリーンから出てきて恋に落ちる、
それこそこの手のものの究極ともいえるものを
生み出している。
ここに至って、また?
パリも当時の風俗もオシャレです、でも、また。
老いたのだろうか、ウディ・アレン。
好きな監督だったのだが。
憧れの芸術家たちに出会えて高揚する
純朴な文学青年の目を通しつつも
こういう文化芸術をわかるんだぜ?と言わんばかりな
いやらしさも鼻につく。
昔は良かった、ここではない場所に自分の居場所が
あるんじゃないかと思う気持ちは
若者らしいし、自分だけでなくみんなそうだったというのも
シニカルで自虐的。コミカルでもある。
その点は面白かった。
でもこの手の内容であれば、
アニメの「ディリリとパリの時間旅行」のほうをお勧めする。
過去への憧憬。 フランス🇫🇷絡みの高評価で、難解なお前らにわかるか...
過去への憧憬。
フランス🇫🇷絡みの高評価で、難解なお前らにわかるか?系(笑)かと身構えた。
いやー楽しいファンタジーだった。どこかコメディのようでもあった。明るい未来を予感させるラストも素敵、音楽も良かった。
いつの時代だって現在が不満なんだ。それが人生だ
小説家を目指す脚本家のギルは婚約者と彼女の両親とでパリを訪れるが、ある晩、彼が憧れてやまない1920年代のパリへタイムスリップをする。
パリの街並みを小粋に瀟洒に描くウディ・アレン作品。
作中、ギルが好む「街を歩く」という行為には、観光地から観光地へ渡り歩いてスケジュールをこなす時間的速度や、先人の作品に結論めいた解釈を与える思考的速度といった、ある種の「速度」へのさり気ない抵抗が込められている。
ゆっくりと歩くスピードで文字通り足跡を辿ることで初めて、先人の息遣いを感じ、思いを馳せることができるようになる。そして、そのうえで、ギルがアドリアナに放つ一言に集約される「(いつの時代だって)現在が不満なんだ。それが人生だ」といった眼差しを得る。
時代が人を創るのではなく、人が時代を創る。そんな人生観を、押しつけがましくなく描く。お見事。
言葉に触れたいときはウディ・アレン
パリの街並みと監督の好きな音楽。
街の雑踏と監督の言いたい台詞。
現代のパリの街の姿を背景にし
映画の物語は進んでゆく。
主人公は映画の脚本家であり初めての小説を執筆中の男。
アメリカから婚約者とその両親と憧れのパリにやってきた。
「雨のパリこそ素敵なのだ」と思っている。
仕事も私生活も順調そのもので、未来も明るい。
幸せなはずが、どうもしっくりこない。
ある夜、ひとり道に迷い路地にいるところへ
クラシックカーに乗る男が彼を呼び止める。
車に乗り込んだその先には
信じられないほどエキサイティングな
彼の望むものが揃った世界だった。
時代をさかのぼり物語は楽しくも切ない展開へ。
1920年代の文化芸術
1890年代の文化芸術
そして有名店のいくつか
その辺りを知っていると
ものすごく楽しめる。
雨の降るパリの街を
傘もささずにあるく。
何度観てもロマンチックな映画だと
何度も何度も、何度も思ってしまう。
※
映画になったときには
すでにその全ては現実ではない。
※
新婚旅行でパリはダメだ笑
ウディアレンは性格が悪い、ヒロインをとことん嫌な女として描き、フランスで出会う女をかなりいい女に描く笑。
パートナーが本当にやりたい事から目を背け、自分の理想を押し付ける人はこの世に多くいるし、映画でもよく描かれるテーマだ。
主人公はパリという恋愛の街で、本当に自分と価値観が合い、自分をリスペクトしてくれる女と出会う
個人的にはレアセドゥがかなり好きなため、ラストの展開は大満足。
主人公は作家な為、おそらくウディアレン本人だが、この監督とは女性の好みも考え方も非常に好感が持てた。
過去に戻る映像は、作品に集中するために起こった幻覚だと感じたため、ウディアレンの頭の中を覗いているようで非常に楽しさがある。
真夜中のパリに、魔法がかかる
ハリウッドで脚本家をしていたギルは小説家への転向を目指す。パリ旅行を共にする婚約者一家、「安物は安物」など重視する価値観は教養や価格、俗っぽいステータス。
夜の街を放浪するギルは歴史的な芸術家の集う世界へと迷い込む。
ギルは黄金期の偉人との出会いを重ねていく。
彼らはそれぞれの価値観を持ち、世俗的な評価に左右されず、貴賤を見出す。
昔はよかったとはいつの時代も言うもの。黄金主義思考。
他への羨望を認めた上で、現代を含めた各時代を賛美する。
現代もまた黄金時代である。
過去への憧憬
過去に対する憧憬は現在への不満からくる。過去の人物もその現在に不満を持ち、そのまた過去に憧れを持つ。一種のノスタルジーのようなものなのだろうか。結局その時代に対する不満に目をつむり、現在の良さを見ていくことが重要であると思った。
教養必須、日本人にはなかなか
例えばロートレックとフィッツジェラルドの活躍した時期が数十年違う、なんてことを自然に知っている欧米人並みの教養と常識がないとこの作品の面白さはわかりません。
私も3割くらいしかわからない、というより知らないので3割くらいしか面白さがわからないハズ。
ヘミングウェイやピカゾなどはもちろんジャン・コクトとか大正から昭和初期にかけての欧米の文化サロンについての知識が必須です。
おそらく事実と創作を混ぜているので、「あーあの話ね」みたいな知識が前提でしょう。
それでも「カイロ」「カメレオン」みたような、アレン選手お得意のありそうでなかった奇抜な設定はそれだけでも十分観る価値はありますが。
めちゃ個人的にオペラから考察したミッドナイトインパリについて
ガチ普通の一般人の個人的な見方の一つとして読んでいただけたら〜。そして全部個人的な意見で解釈です。
このレビューでは予告編やエンドロールで印象的だった音楽「天国と地獄」についてなんか色々言ってます。
さて、ミッドナイトインパリ自体を鑑賞したのは2020年、恵比寿のガーデンプレイスの映画館でアンコール上映されていたときでした。
芸術好きにはたまらない世界の映画……芸術家たちの出てきたときの興奮は素晴らしいものだったし、個人的にエンドロールの「天国と地獄」が衝撃的だったし……全体的に満足していました。
そして今、なぜ私はこれを書いているのか……。もう2021年も暮れですよ。
ええ、私的にこの映画のポイントは音楽です。そう、印象的だった「天国と地獄」!!予告編やエンドロールで使われてましたね!これが気になったからです!
まず音楽の「天国と地獄」について軽く説明します。「天国と地獄」はオッフェンバックのオペレッタ《地獄のオルフェ(天国と地獄)》の楽曲です。オペレッタ、つまり喜歌劇ですので明るく笑えるストーリーが展開されています。
この《地獄のオルフェ》は、ギリシャ神話の《オルフェオ》を違った角度から捉えたストーリーになっています。
まず《オルフェオ》について説明します。こちらは竪琴の名手オルフェオが、亡き妻エウリディーチェを冥界から引き戻すために冥界まで行き、冥界の王に妻を返すよう懇願して竪琴と歌を聞かせます。
その甲斐あってオルフェオはエウリディーチェを冥界から連れ出す許可を貰いますが、それには条件がありました。「絶対に後ろをふりかえってはならない」というものです。まあ、案の定オルフェオは振り返ってエウリディーチェはまた冥界に戻りました。チャンチャン♪(え、つらー)という訳です。
さて、これをベースにオッフェンバックの《地獄のオルフェ》についてあらすじを書いていきます。
さあ、《地獄のオルフェ》において、主人公オルフェとその妻ウリディス、不仲です。ダブル不倫してます!もうお互い開き直っちゃってます!その後なんやかんやあって妻が死に、世間体を気にした夫が天国へ妻を返すよう頼むが(不本意)、いろいろあってこの夫婦は無事、離れ離れになりました!チャンチャン♪(なんか最後みんなで「天国と地獄」に合わせて踊ってる)(←めちゃくちゃ愉快)という訳です。
詳しいあらすじはウィキかなんかに書いてあると思うので気になる方は是非〜(手抜き)
いやいやそれよりも、勘の良い方はお気づきでしょうが、《地獄のオルフェ》「ダブル不倫」してるんですよ。
ミッドナイトインパリ、思い出してください。妻はガッツリ開き直って他の男の方がマシ宣言。主人公もほかの女にうつつを抜かす。
ね?これこれこれ〜!!つまり私はここから、予告編の「天国と地獄」は、この映画の中での夫婦のあり方を暗示していた。と考察するしました。カ~~~~~!1本取られましたね。もう既に予告編で「わかる人にはわかる」じゃないですか。
そしてエンドロールは「な?この夫婦は不倫でバラバラになったやろ?」とドヤ顔するように(私にはそう感じた)天国と地獄が流れるわけです。
もうね、芸術に対するリスペクトが凄いですよ。絵画や文学だけではない、オペラ(オペレッタ)の要素もこの映画には取り込まれていたんですね。
だってミッドナイトインパリのエンディングだって、主人公目線で見ていたら「幸せになれそうな予感!」と思いますがめちゃくちゃ冷静に見たら「お互い気持ちが冷めて別の人に走って破局した夫婦」ですし。《地獄のオルフェ》とマッチしすぎ。
ま〜〜、この《地獄のオルフェ》がパリで作られた時代は確かにパリは流行の中心、世界の最先端でパリとしては外せない大事な時代ーーと、色々語りたいですが長くなりますし、話も逸れるのでこれくらいにしておきます。
自己満足女の独り言でしたー!どうもー。
ヘミングウェイならウディ・アレンを殴る?
ウディ・アレンの映画は2、3本しか見ていないが、どれも男女のカップルが知的でお洒落で恐ろしく退屈な会話を延々と繰り広げてすれ違い、主人公がまた退屈極まりない思いを吐露しながら、どうしようもない日常がだらだらと続いていく…というパターンだったと思う。
本作も同工異曲で、パリを訪れたアメリカ人カップルが、延々とつまらない日常会話を繰り広げて行き違い、主人公は今度はパリに集まる過去の文化人たちと交流する夢に耽るというお話。この人は何本撮っても同じものしかできないのだろうか。
夢の中で出会う文化人たちとの会話には、知的クスグリがたっぷり仕込まれているようで、小生にはT・S・エリオットに向かって「ハリウッドではマリファナのスプーンで人生を測ってますよ」と主人公が語りかけるシーン(これはエリオットの「ぼくはコーヒースプーンで人生を測りつくした」という詩行のパロディ)と、映画監督ブニュエルに代表作『皆殺しの天使』のアイデアを吹き込んでやるシーンくらいしかわからなかったが、分かる人にしか分からない要素が多数あるのだろう。
しかし、そんなことが分かっても、特に映画が面白くなるわけでもなかろうし、それで得意になるのは、本作で軽侮されているソルボンヌ大学で講演する衒学野郎と同じではないかw
ハリウッドの中では、『スター・ウォーズ』や『ロード・オブ・ザ・リング』等の巨額の制作費を投じて特撮を駆使した映画や、『ジェイソン・ボーン』のようなジェットコースター・ムービー等の対極に位置する、いわば日常系映画ということになるのだろう。
残念ながら小生には、いまだウディ・アレンの良さが分からないし、今後もずっと理解できないかもしれない。
追記)
久しぶりに見直して、この映画がいかに政治的メッセージに満ちているかを再確認した。
主人公は明らかに民主党支持者であり、フィアンセの父親は共和党右派である。本作の2年前、2009年に発足したオバマ政権はろくでもない無能政権で、米国内にはオバマ批判のティーパーティー運動が盛り上がるが、主人公はそれに批判的だ。彼の思想の健全性を疑った父親は探偵を雇って素行調査をさせており、主人公はそんな父親の取巻きと馴染めず違和感を抱き、古き良きパリに逃避している……という構図なのだ。
しかし、その古き良きパリがウディ・アレンを歓迎するかは極めて疑わしい。ヘミングウェイ『日はまた昇る』はまさにこの20年代パリからスペインを描いた傑作で、サブキャラクターの一人・小心翼々たるボクサーが恋人を横取りされたと勘違いして、嫉妬から主人公をノックアウトした挙句、許しを請うというバカげたシーンがあるが、ウディ・アレンがこのボクサーとダブって見えるのは皮肉なことだ。
内面のぐじゃぐじゃをぶちまけ続けているウディ・アレンを見たら、行動の作家が逆に彼をぶん殴ると思うのは小生だけだろうかw
芸術の都
オーウェンウィルソンがとても良い味出してます。
監督の知識と才能を堪能できます。これぞお洒落クソヤロー監督の映画。
音楽、色彩、設定などなど、監督作品としてはベスト中のベストだと思います。お薦めです!
大人のためのお伽話
フランスには行ったことがないけど、いつか行きたいなぁと思える素敵な映画でした。
まだあまり昔はよかったなぁって思うこともないけど、それを抜きにしても、なんだか大人のためのお伽話みたいで、ふわふわしてて楽しかったです。
いかにもウディ・アレンらしい映画
前知識なくても、見ていてすぐにウディ・アレンの映画だとわかってしまうほど、ウディ・アレン色が濃い映画。そもそも主人公がウディ・アレンの話し方そっくりである。
タイムスリップものなので、最後どういうオチがあるのかと思っていたが、オチはなかった。婚約者と別れたあと、コール・ポーターのレコードを売っていた店の女性との新しい恋の予感で終わるところがいい(ロダンの案内の女性でもよかったかもしれないが)。雨が降ってきて、雨のパリが一番と言っているので、主人公と趣味が合いそうでよいのではないか。
そういえば、ヘミングウェイが出ていたので思い出したが、ウディ・アレンの映画「マンハッタン」で、ヘミングウェイの孫のマリエル・ヘミングウェイが出ていましたね。
好きの詰め合わせ
花の都パリを舞台にしたオシャンティ映画。悩み多き脚本家が小説に挑戦するも、なかなかアイデアが浮かばず…。深夜24時の鐘がなるとクラシックカーがやってきて…というお話。役者が演じるとわかっていても、ヘミングウェイ、ピカソ、ダリ…。好きがいっぱい詰まった映画
車に乗ってタイムスリップ
オーウェンウイルソン扮する小説家を目指しているギルと、レイチェルマクアダムス扮する婚約者イネズはイネズの親に付いて婚前旅行にパリへ来ていた。ギルは、夜道に迷ってホテルへ帰れずにいたら車で来た一行に誘われた。しかしそこにはヘミングウェイやサルバドールダリ、ロートレックが生きていて、どうやらギルはタイムスリップしたようだ。まるでタクシーの様に車に乗れればタイムスリップ出来るとするとそんな楽しい事はない。でも深入りしてその時代の人はな恋したらつらい事になるんじゃないかな。過去に住んでも今度は現代に憧れたりしてね。
全206件中、1~20件目を表示